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スライムからパンを作ろう!〜そのパンは全てポーションだけど、絶品!!〜  作者: 櫛田こころ


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142/706

第142話 そのパンもやっぱり

お待たせ致しましたー



【『皆で作ったりんご入りちぎりパン』



 ・擦り傷完治



 ・腰痛・腹痛(軽度完治



 ・疲労回復(中)




 以上になります




 】





 やっぱり、ポーションパンになっちゃった!?



「……数名の手が加わったのに、この効果か」



 お師匠さんにも鑑定のスキルがあるので、ステータスの部分が見えているわけで。



「……これ、売りものになりますよね?」


「……そうだな。家庭のパン料理だが、十分売りものにはなる」


「おーい? ふたりしてどーした?」



 エディには僕らのやり取りが聞こえていないので、出来上がったパンを早く食べたい顔になってた。



「えーっと……エディ。ちょっとごめんね?」


「うん?」


「僕も手伝ったら、ポーションのパンになっちゃって」


「へ? マジ!」



 嬉しかったのか、目がキラキラしていく。


 まあ、ポーションのパンが出来上がるのを見るのは初めてだもんね?



「……食べたい?」


「もち!」


「……お師匠さん、いいです?」


「……商品化への検討はまたにすれば良い。今回はいいだろう」


「……と言うより、お師匠さんも食べたいんですか?」


「おやつは別腹だ!!」



 と言うわけで、ラティストの手も借りて……紅茶を入れることにした。りんご系だけど……ラム酒ぽいのも入れてあるから紅茶の方が合うと思って。


 ちぎりパンは大きめのお皿にどーんと乗せちゃって。


 改めて、表面は白パンぽいけど……いい匂いに全員感心しちゃった。



「ケント、ケント! これ……繋ぎ目からちぎるのか!?」


「うん。だから、ちぎりパンって言うんだよ」



 では、と食べることになったが……取り合いを予想してたけど、エディもお師匠さんもお互いに端と端をちぎって。


 目の前に持ってきたら、はむっとひとくち。



「うんめぇ!?」


「これは……!」



 食べてくれたら、多分疲労回復の効果が出たのか……ふたりとも体が光ったんだよね?


 ラティストとカウルも同じなのか、一瞬、ぱあっと。


 なので、僕もちぎってひと口食べてみると。



(……美味しい)



 生地は窯で焼いた時とは違う感じなのは当然だけど。


 ほわっと、ふんわりしている生地。


 底の焦げ目は香ばしく。


 中身のりんご以外にレーズンやナッツを入れた、ラム酒風味のものは……甘くて幸せの味。


 これ……さらにバター塗ったら美味しいかも。カロリーの暴力だからやらないけどね?


 やっぱり、皆で作る料理って美味しいや。



「うんま!! もっと食いてぇ!」



 とか、一個で感動してたら……エディがあっという間に半分も食べてた!?


 あと、お師匠さんも負けじと!? ってくらいに!?



「……エディ。僕はいいけど、ラティスト達のことも考えて」


「……おぅ。悪りぃ」



 僕がちょっとだけ怒ると、エディはしゅんとなってくれた。


 そのあとは、エディが帰るまで……皆でお茶タイムが続いていく。お師匠さんにも食べ過ぎはもちろん注意したよ?

次回はまた明日〜

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