第131話 ワインとパン
お待たせ致しましたー
一杯目のりんごエールって言うのは、ゆっくり飲んだけどジョッキを空にしてしまった。
もっと飲みたいなあ……と思っていると、エディから提案があった。
「んじゃ、次はハウスワインいくか?」
「ワイン?」
こっちにもハウスワインってあるんだ。僕が知っているのは、元バイト先でのメニューに載っていたからだけど。年齢の関係で試飲とかのテイスティングもしたことないけどね?
「パンとワインは欠かせねぇだろ? 勉強兼ねて飲んでみねぇか? 無理ならひと口でいいし、残りは俺が飲むから」
「……美味しい?」
「最初は渋味がきついだろうな? 慣れりゃ美味いけど」
「へー?」
ちょっと興味はあったので、その提案に乗ることにした。
なので、エディがおつまみの追加以外にパンも頼んでくれたんだけど……高級宿以外で、誰かのパンを食べるのは初めてかもしれない。
ぱっと見は、普通の丸パンだけど。
『……ケントのが美味い』
急に聞こえたイケボに、そう言えばラティストがついて来ているのをすっかり忘れていた。
ワインの方は、また別の小さな樽ジョッキに入ってあるのを出された。中身は赤ワインだ。
某宗教の救世主云々で、赤ワインとパンは切っても切れない関係とも言われているしね? この世界での宗教は聞いたことないけど。
あのイケメン神様のこともあるし、何かしらはありそうだ。
「一気にいくなよ? ちびっとずつでいい」
「……うん」
エディの注意をよく聞いて、まずはパンをちぎってひと口。
そんなに不味くは無いが、出来立てじゃないのでちょっとパサついている……コンビニとかのパンより下くらい?
けど、何も口にせずにお酒は良くないと思うので……飲み込んでから、ゆっくりとワインを飲んでみた。
かなり、度数は高いけど……これは。
(美味しい……!!)
エディは渋いって言ったけど、あんまり気にならない!!
甘くて濃厚な味わいで、僕は……ついついジョッキを傾けて、飲んでしまった!!
「お、おい? そんないっぺんに飲んで大丈夫か?」
「うん、平気」
いきなりアルコールが回ることもないし……もしや僕って、酔わない体質なのかな?
前世はともかく、今の僕はチート特典満載だし。
『……酒精は抜いておいた』
はい、そんなことありませんでした!!
ラティストがこっそりアルコール部分を抜き取ってくれてたみたい!!
でなかったら、アルコール中毒症状になっていたかもしれないや……気をつけようっと。
「ふーん? 初めてなのに、いけるクチか?」
「ま、まあ……明日二日酔いになるかもしれないし、この辺にしとくよ」
「そりゃそうだ。俺も最初はなったしなあ?」
「エディも?」
「おう。親父とかからドヤされた」
「へー!」
とりあえず、初の飲み会と言うのは楽しく過ごせそうで。
僕とエディは残ったおつまみを食べながら、色んな事をお互いに共有し合うのだった。
次回はまた明日〜




