第126話 豆腐のパン②
お待たせ致しましたー
いつも通り焼き上がったら、僕はラティストにコーヒーを淹れてもらうのをお願いした。
さらに、温めたミルクも使って……カフェオレに。
ブラックでもいいと思うけど、ポンデケージョには甘いのが合うと思うんだよね?
砂糖も少々入れて。
【『もっちり、豆腐ポンデケージョ』
・火傷大回復
・切り傷完全回復(程度の大きさ関係無し)
・乾燥肌の改善
以上の効能となります
】
お豆腐を使ったから、最後は女の人が喜ぶ効果になったね?
「エリーちゃん達が喜ぶかも」
「エリーか?」
ラティストにもパンのステータスが見えていても、あんまり意味がわかっていないようだ。
「ラティストには無縁かもだけど、人間って肌が乾燥しやすいんだよ。特に、もう直ぐやってくる冬は」
この世界での季節感とかは、お師匠さんが言うには日本とほとんど変わりがないらしい。四季がきちんとあり、気候もほぼ似た感じ。
だから、湿度と乾燥もあるようなので……これは、女の人にじゃもってこいのポーションパンじゃないかと思う。
美肌はないけど、乾燥肌の改善とくれば……ルゥさんも喜ぶだろうし、絶対買ってくれるはず。
とりあえず、男の僕らは味見も兼ねて食べるだけだけど。
「……たしかに、フニフニしているな?」
「不思議でやんすねぇ?」
「食べよ!」
と、食べようとしたら……裏口のドアが勢いよく開いた!?
「聞いたわよん!! ケントちゃん!!」
いつからいたかはわかんないけど……ルゥさんが、とってもいい笑顔で立っていたんだ……。
「ど、どうも……ルゥさん」
「うふふ〜!! 乾燥肌改善のポーションパンですってぇん!?」
「あ、はい。このパンですけど」
ここは素直に渡した方がいいだろうと食べようとしていたのを差し出せば。手に取ったルゥさんは初めての感触に首を傾げました。
「あんらぁ? これなぁに?」
「片栗粉を活かしたパンなので、ちょっともちもちしているんです」
「……モチモチ?」
「カウルみたいな、スライムの感触ですね。スライムは一切入っていません」
「!」
と分かれば、と言わんばかりに……ルゥさんはすぐにポンデケージョにかぶりつく。ポーション効果が現れ、すぐに一瞬光ったら……艶々プルプルのお肌が出来上がっていた!?
「美味しいわぁ! 不思議な食感だけどぉ、少し塩っぱくてチーズの味わいがちゃんとしてて……美味しいわ!!」
「……ポーション効果もしっかり出てますね」
「あんらぁ!?」
窓で確認すると、すんごい嬉しそうな笑顔になってくれた。
ルゥさんの実年齢は人間以上だけど……やっぱり、お肌の悩みとかは自然とあるんだね?
でも、ここまで効果が高いとなると……売り出したら、街のお母さんとかが殺到しそうだ!!
次回はまた明日〜




