第125話 豆腐のパン①
お待たせ致しましたー
加工品で思いついて、決まった豆腐を使ったパンは!!
「ポンデケージョ作るよ!!」
「ポン?」
「け、けけけ、けー?」
カウルが噛んだのがちょっと可愛かったのはさておき。
「チーズをたっぷり使った、もちもちのパンだよ」
本場の作り方とは違うけど、片栗粉もある世界だから作れなくないと思う!!
豆腐を使うけど……チーズとの相性は抜群だし、今日のご飯にはチーズ焼きを作ってもいいかもしれない。
マヨネーズソースで食べる豆腐ステーキとかも美味しいんだよね?
「もちもち?」
「……どんな感触だ?」
「んー、そっか」
作る前に、ふたりは食感がよくわからないみたいだった。
たしかに……この世界には『お餅』があるかまだ確認が出来ていない。お師匠さんに聞けば、あるかわかんないけど……今日は来る気配ないし。
僕は、ひとつ思いついたので……調理台にいるカウルを抱っこした。
「兄さん?」
「ラティストもこっち来て?」
「ん?」
「カウル触って?」
ひんやり、もちもち。
ぷるんぷるんもするけど、軽く引っ張るともちもちしてるんだよね?
「……カウルと似ているのか?」
「あっしに?」
「僕やお師匠さんの前世じゃ、お餅って食べ物があるんだ。で、感触がカウルと似てるんだよね?」
「……スライムを食べるのか?」
「え!?」
「違うから!?」
もう本当に食いしん坊さんなんだから、この大精霊さんは!!
とにかく、材料を全部計量してから……使う分の豆腐を泡立て器でペーストにしていくところから始めた。
「……そのままではダメなのか?」
「生地に使う場合はね? 焼き上がりがふんわりして……今回のとは違うけど、美味しいんだ」
「また教えてくれ」
「もちろん」
事情を知っている人の前では出し惜しみしないよ?
今回は試作なので、ミキサーではなく手捏ねで粉類を加え……よく練ったら、手にオリーブオイルをつけるんだ。
材料に卵を入れたから……ねちゃってするし、パン生地によっては油をつけて成形するんだよね?
「……難しい」
カウルには先にオーブンへ変身してもらっているから、ラティストと僕とで頑張っていた。
「まあ、粉と違うしね?」
「……ヒトとは色々なものを知っているんだな」
「僕の場合は異世界出身だし」
その異世界からの出身者でも、ファンタジー世界の方が凄いとは思うよ?
イケメン神様にいっぱいつけてもらった特典には……ほんとに感謝だ。
そうじゃなきゃ……僕はこの世界で生きけていけなかったと思うから。
念願のパン屋開店も出来たしね!!
次回はまた明日〜




