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スライムからパンを作ろう!〜そのパンは全てポーションだけど、絶品!!〜  作者: 櫛田こころ


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第121話 弟の来店①

お待たせ致しましたー

 僕はジェイド。


 創始の大精霊の一角で……とある人間と契約してしまった、ラティスト兄さんの弟。


 今日は……ちょっと紹介しようと思うんだよね?


 兄さんがいる……人間側の店って言うのを。


 僕は……ほんと、時々だけど。あの人間……ケントって存在が営む店に訪れるようになっている。


 一応、人間達にはあんまりバレたくないから変装の魔法はかけているんだけど……兄さんが居たら、すぐにバレちゃうんだ。


 まあ、お互い大精霊だし……兄弟だから仕方がないよね?


 けど、あのケントが作るパンは凄いんだ!


 美味しいだけじゃなく……世界でどこにもない『食べられるポーション』って優れもの。


 僕が、父上達に兄さんの事を話して……買って来いと言われて、たくさんのポーションパンを持って帰ったんだけど。


 効果もだけど……今まで食べた人間の食べ物のどれよりも、美味し過ぎて……大精霊一同『定期的に買って来い!!』と大絶賛したので。


 僕は今日も……父上から預かった人間の金銭を使って買いに来たんだ。


 今日も……店は繁盛していて、たくさんの人間が買いに来ていた。



(……来るたびに、どんどん増えていくね?)



 ケントらが作るパンは……来るたびに、少しずつ新しいものが増えていく。


 前にあったものは、少しなくなったりしているけど……どれもが、美味し過ぎるんだよね?


 今日は何が揃っているのか……今回は、人間になりきって買ってみようかな?


 会計にいる兄さんにはすぐにバレるだろうけど……お客さんだからいいよね?


 中にようやく入れた頃には……兄さんのいる場所を見るとゲンナリしていた。


 多分、また人間の女とかに言い寄られたんだろう。


 兄さんは僕以上にすんごい美貌の持ち主だから……群がられるのは仕方がない。


 契約しているケントは、兄さんの美貌に慣れたのか普通に話したりしているけど。肝が据わっているなあ……と思う。


 僕ら大精霊を、普通の存在と同じように接しているんだもん。


 貴重な存在だよね?



「いらっしゃいませー」



 僕が選ぶのに使う木製のお盆、『トレー』や金属製のトングを手にすると……ちょうど、ケントが出てきた。


 また新しい……しかも、出来立てのパンをたくさん持って来てくれたようだ。亜空間収納の魔法から、棚へとどんどん並べていく。


 見たことがないパン達に……もう少し、他の客が居なくなったら……前みたいに一個ずつ買おうかな?


 けど、全然人間の波が途絶える気がしない!?


 今回は仕方ないけど……トレーに乗る分で我慢するしかないかな。

次回はまた明日〜

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