方針考えました
「ケット・シー、僕はこれからどうしたら良いと思う?」
「現王が好きなようにしたら良いにゃんご」
「…そういうものなのか、とりあえず帰るよ。テルを病院に連れて行かなきゃ」
「もう治したにゃんご、王の力の一つ、聖域内の猫超回復!にゃんごー!」
「なんでも有りだね…、ケット・シーはこれからどうするの?」
「今までもこれからも、ずっとここに居るにゃんご、でもにゃぁ、ここへの道は良かれと思って作っにゃのだがにゃあ、あ、そうにゃ、現王の任意で直通ゲート開くようにするにゃんご」
「え、可能なの?」
「さっきも直通ゲート開いたにゃんご、それを現王の指示で開くだけの話にゃんご」
「指示って?どうやって?」
「猫to猫テレパシー!にゃんごー!王同士ならたぶん可能にゃんごぉ」
「雑い!」
『ていうかさっきもやったにゃんごー』
あの赤い部屋で聞いた大きな声がした、これテレパシーだったのか。
「それどうやるの?」
「こう、…むむむむむむぅぅぅっえいやぁ!って感じにゃんご」
「だから雑い!」
「やってみれば良いにゃんご、現王もゆるくいこみゃいや」
『まったくもう!そんなこと言われてもできるわけ無いよ!』
ん?
「出来てるにゃんご!」
「あああああ、僕まで雑な感じにぃ…」
「にゃひひひひ」
「あ、帰ろうと思ってたけど、まだあいついるんじゃ?ガラガラドン」
「今はそんな名前にゃんご?んー、力解放しちゃったしにゃぁ、しばらくは省エネモードだと思うにゃんご、あいつの力は燃費が悪いにゃんごよ」
「え?あんな短い時間で?」
「我輩だってここ出たらすぐにエネルギー切れ起こして萎むにゃんご。初代王様はもうお年寄りにゃんごー」
「ああ、それでここから出れないって言ってるのか」
「にゃんごー、それにこの城は我輩の力で維持してるにゃんご、我輩が出たら城無くなるにゃんご。城の見た目がそのまま我輩の寿命だとも言えるにゃんご」
「え…」
「まぁ、それでもここ出なければまだまだ千年以上は生きてるにゃんごよ?」
「あ、なんだ…」
「心配してくれたにゃんご?にゃひひ、現王よりもまだまだ長生きするにゃんごよ」
「ん、いつでも会えるならまた話しに来るよ。まだ気になる事色々あるし。でもアンズ心配してると思うし一度帰るね」
「現王の女にゃんご?」
「違うよ!あと僕の事はイオリで良いから」
「……んにゃ、そっちで良いにゃんごね」
「ん?」
「魂が2つあるにゃんご、イオリは通常とは違う方法で猫族として生まれたにゃん?」
「その辺は僕にも分からないよ。僕は別の世界から来た、気付いたらこの世界に居た」
「にゃんと!他の世界が有ることは知ってたにゃんが…、本来猫の王に選ばれるのはこの世界の猫だけにゃんご。我輩から力を持っていった事といい…、イオリは何かと不思議にゃんご」
「ガラガラドンも僕の居た世界の事知ってるみたいだったよ」
「まぁ、奴は視野が広いからにゃん」
「そんな一言で済ますとは…、やっぱゆるいなぁ」
「にゃひひひ」
ケット・シーに別れを告げ城を後にするとそこはいつもの町外れの森だった。また赤い部屋に入っちゃうんじゃないかと内心ドキドキではあったがホッと一安心といったところだ。
テルの傷も治ってシグレの姿も戻った。後は店に帰るだけだ。
「おい三毛、俺は城には入れなかったって事にしろ…」
「いや無理でしょ、テルも見てたし、他の猫達もいっぱい居たし」
「…くっそ」
「まぁまぁ、あれはあれで可愛かったよ」
「てめぇ!喧嘩うってんのか」
「一方的な口喧嘩になるだけだよ。もう諦めなよ」
「…おまえに会ってからろくなことねぇな」
「これからもよろしく」
「もういい、諦めたわ…、その代わり全部解決したら解放してくれ」
「分かった、約束する」
太陽はまだ高い、大変な出来事があったにも関わらず町はいつも通りだった。
「ただいまー!アンズ、今帰ったよ」
「あ!イオリ!どうだったニャ!?」
喫茶店の扉を開き中へと入る。客は居ない、今日は店を閉めていたのだから当然だろう。いや、仮に開いていたとしてもあんな騒ぎの後で客は来てくれるのだろうか。
僕はガラガラドンの事、猫の城の事、ケット・シーの事、全てをアンズとソマリに説明した、うしろでカブトも耳を傾ける。
…。
「イオリ、ケット・シーに会ったニャ!?良いニャー」
「いやいや、もっと重要なとこあるよね」
「有り過ぎて分からないニャ。それに考えたところで意味も無さそうニャ」
「でも考えないといけないこと、一つあるよね」
「ガラガラドンかニャ?これからどうするかって話ニャね」
「なんだ分かってるじゃん」
「でもそれだって規模が大きすぎて考えるだけ無駄に思えるニャ…」
「いや、僕に考えがあるよ。ここは飲食店で、僕は世界中の猫への命令権を持っていて、猫の城のゲートを任意で開けるようになった。ガラガラドンの望みを叶えてやろうと思う」
「イオリの目玉あげるのかニャ?」
「いや、それは勘弁してほしいよ」
そもそも猫の目玉を欲しがってるのも目的の為の手段に過ぎないはずだから。
ゆるくいきますよー。猫だもの。




