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ケーキ屋予定

 こうしてパスタを食べて美味しい思いをした私の所に、村長さんが来た。

 そろそろ村おこし(仮)のケーキ屋さんをして欲しいらしい。

 この借りた家の端には、丁度雑貨のお店を昔はやっていたらしく、そこでケーキを売ることに。


 折角なので小さな休憩場のような喫茶店も作ろうかといった話になる。

 なんでもクロトの方がハーブを作るのが趣味であるらしい。

 そのハーブティはクロトにお任せになって、ちょっとした軽食はサナが作るそうだ。


 そして私は生菓子と焼き菓子作りになるが、


「こんな早くに店を開いてくれって言われるとは思わなかったわ」

「……都市の貴族が来るから予定を少しはやめたくなったんじゃないのか?」

「……貴族になんか食べさせたくないわ」


 ぽつりと私が呟くとシルフが、


「それならリズは作らなくていいよ。嫌な事はしなくていいよ」

「……でも引き受けてしまった責任も私にはあるから」

「……そんな貴族の人達よりも先に、普通の人達が全部購入してくれればいいのだけれど」


 シルフが何気なしに呟いたその言葉は私へのヒントになった。

 これは、使える。

 私はそう思って、今はこっそりシルフと話していたのでその少し離れた場所にいる村長さんに話しかける。


「その貴族の方はどういった方がいらっしゃる予定なのですか?」


 そして誰がいつごろ来るのかを私は聞く。

 人数なども把握した私は、それらを計算しつつ、また、すでにこの村のうわさを聞きつけて近くの町からやってきている人達がいるといった話を聞いた。

 そうなってくるとその人達にもこのケーキについて知ってもらった方がいいだろうか?


「そのこの村にやってきた人達は、やはり市で買い物を?」

「そうなりますね」

「明日は市はやっていたりしますか?」

「明日もやっていますね」

「今日はすでにしまっていますか? まだ開いていると思いますが、人が沢山買い物に来ていますからあまり品物は残っていないかもしれませんね」


 といった話を聞く範囲では、必要な物はある程度自分達で確保する必要がありそうだ。

 そうなると再びサナたちの畑で私が魔法を使う事になりそうだ。

 ただ小麦粉、ミルク、卵などは、購入した方がいいかもしれない。


 それらはケーキ作りには必要だった。

 なくても作ろうと思えば作れるが、やはりそれらがあった方が私は美味しい気がする。

 そちらの方は、村長さんに話を通してもらい融通してもらおうといった話になる。


 後は、そのケーキを売る場所の掃除などだが、その前に先ほど聞いた話でやってみたいことがあった。

 まずは、村おこしとしてこういったものがあると知ってもらう、という意味合いだ。つまり、


「明日の市に出して、村に来た人たちにお菓子を食べてもらいたいの。本当は持ち帰りも考えたけれどその場で食べてもらう形に今はしたいわ」

「どうして?」


 シルフの問いかけに私は、


「持ち帰ったものが、都市の貴族の手に渡るのは嫌だなって。それに感想が聞きたいから、安くする分ここで食べて、といった形にしようと思うの」


 そう私は答えたのだった。

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