第334話 レベルⅨの特典
魔王アレイスターが居る、魔王城へと潜入した俺達一行。
その際も、俺が新しく得た四大力を得た召喚というのは、実に役立った。
いま現在、俺はこのダンジョンの影響で強制的にレベルⅤにまで下げられているが、恐らくレベルⅧの頃よりも明らかに召喚獣が強くなっている気がする。
多分だが、この方法こそが、【召喚士】が最も力を発揮できる方法だったのだろう。
四大力を扱い、それを召喚獣ごとに割り当てる。
適材適所を見極め、最適解を見極める。
それこそが、【召喚士】という職業が最も効果を発揮するように出来ているのだ、と。
----いや、それってかなり難しくない?
雪ん子を【オーラ】の四大力を使って召喚した後、別の召喚獣でも出来るかと思って、試しにゴブリンを【オーラ】を使って召喚したのだが、なんとゴブリンは僅か10分くらいで、戦闘もしていないのに消滅してしまったのだ。
原因は【オーラ】をコントロールできなかった事。四大力の【オーラ】は肉体を強化する力なのだが、ゴブリンはその使い方を完璧には理解できなかったようで、歩いているうちに身体を壊して倒れてしまったのだ。筋肉が強くなりすぎて、身体が耐えきれずに壊れた、という所だろうか。
雪ん子が使えたのは、予め使ったことがあるという経験があったから。
それがあったからこそ、レベルの差という不利を押し通って、無双するということが出来たのである。
その経験がなければ、雪ん子もゴブリンと同じように破裂していた事だろう。
「(この【召喚 レベルアップ可能】がなければ、そういう結末か)」
やはりこのスキルこそが、俺の強さの源。
融合召喚も、合一召喚も、それから【オーラ体】としての召喚も、このスキルがなければ何も出来なかっただろう。
「----っと、終わったか」
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世界救済系ダンジョン《召喚士のダンジョン》の ボス魔物【魔王アレイスター】を倒しました
ダンジョンクリアにより ダンジョンが消滅します
ダンジョンを破壊した結果 ダンジョン効果が 消滅します
【召喚士】冴島渉の レベルが 【レベルⅧ】に 戻りました
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【召喚士】レベルⅨへの条件『世界を救え』を 達成しました
【召喚士】冴島渉のレベルを Ⅸに 上昇させます
レベルⅨに上昇した事で スキル【救世主召喚】を 獲得しました
レベルⅨに上昇した事で スキル【称号召喚】を 獲得しました
レベルⅨに上昇した事で スキル【召喚術+】を 獲得しました
スキル【召喚術+】の効果により 全ての召喚術の効果が 上昇します
………… ………… ………… ………… ………… …………
確定ドロップとして 【救世主の証】を 獲得しました
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「おぉ、無事に条件をクリアしたようだな」
ココアの提案で、世界救済系のダンジョンクリアする事によって、レベルⅨになれるかもしれないとは予想していたけれども、あくまでも「そうかもしれない?」程度だったし、考えが当たって何より。
【救世主召喚】と【称号召喚】、この2つの事については、後で検証するとして、本題はこっち。
「【召喚術+】……全ての効果の上昇、と来たか」
この【召喚術+】のスキルは、実に魅力的なスキルである。
全ての召喚術の効果が上昇という事は、新しく得たこの2つのスキルも、今までに獲得したスキルも、全てがパワーアップしたという事ではないか。
という事はだよ? 俺の強さの根幹ともいえる【召喚 レベルアップ可能】も強くなってるのではないか?
あれも"召喚獣をレベルアップ可能の状態にして召喚する召喚術"というモノだから、召喚術といえるしさぁ。
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【召喚 レベルアップ可能+】……【召喚士】が召喚獣を召喚する際に使うスキルに作用し、召喚獣をさらなる高みへ連れていくだろう
効果;召喚獣1体を対象にし、レベルアップ可能状態へ変更します。それ以降、その召喚獣は送還しても、効果を引き継ぎます。また、レベルアップした召喚獣の経験により、召喚獣の能力に応じて、新たな召喚獣に引き継ぎます
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「召喚獣の引継ぎ……?」
とりあえず2つの新スキルの他にも、このスキルについての検証も必要となってきそうだ。これから俺達はレベルⅩの怪物、スカレットに挑まなければならないのかもしれないのだから。
とりあえず、効果の検証については後回しにしようと思いつつ、俺は【召喚士のダンジョン】を後にしたのである。
(※)【召喚術+】
冴島渉が【召喚士】レベルⅨになった事で会得したスキルのうちの1つ。冴島渉が持つ召喚術の全てが効果の対象となり、対象となる全てのスキルに上昇補正が付きます
【召喚術+】の影響により、全てのスキルはさらに良いスキルへとなり、能力も一段階以上向上し、召喚した召喚獣のレベルに関係なく相手を倒せるようになる。また冴島渉が独自にゲットした【召喚 レベルアップ可能】もこのスキルの補正対象に含まれる
