表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺の召喚獣だけレベルアップする  作者: アッキ@瓶の蓋。
第8章『【街】/武装姫ヘミングウェイの章』

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

301/354

第285話 回帰ダブルエムVS空海大地(3)

「どうやら私の#職業(ジョブ) たる【抜刀】の能力は、既に解明(バレて)しまったようですね」


 ダブルエムは、自らの職業(ジョブ)の秘密が判明したと悟りつつ、空海大地にそう問いかけた。

 それは自らの職業(ジョブ)がバレた事に対して危機(ピンチ)になったからこそ出て来た言葉ではなくて、あくまで次の戦闘形態(フェーズ)に移行するための宣言なのであった。


「----では、このような攻撃ならいかがでしょう?」


 ダブルエムが右腕を頭上に掲げると、その腕に『何か』が集まって行く。

 腕に集まった『何か』は、腕の周りをぐるぐると回りながら、不気味な音を立てていく。


「これが『何か』なのかは、#既にあなたはご存じのはず」


 その集まった『何か』のうちの1つを、ダブルエムは放つ。

 放たれた『何か』が、近くにあった死体の1つを、真っ二つに両断する。


「斬撃か、それは」

「今まで#不可視 にしていただけで、これが#通常 ですよ。私が物体化させた場合、斬撃は見えるようになる。"斬撃を物体として認識して、操作する職業(ジョブ)"----それが【抜刀】の能力なので」


 『不可視にしていた』と語る言葉に、空海大地の勇者としての経験が著しく警報(アラート)を鳴らしていた。




 相手が使用するのは、斬撃を操るという特殊な職業(ジョブ)ではあるが、そもそも斬撃というのは大して珍しくもなんともない。

 刃物を振るえば出て来る程度のモノであり、冒険者ではない普通の人間であろうとも、出せるような代物。

 珍しくもなければ、すぐに消えてしまう、どこにでもあるようなモノ。




「----不可視から戻せば、切れ味が上がる。そう言いたいのだろう、ダブルエム?」

「#正確には、切れ味が"戻る(・・)"という事、ですよ」


 そうして、見えるようになった----見えるように戻した斬撃を、ダブルエムは幾重にも積み重ねていく。

 1つ、2つ、3つ----10を超えたあたりから、空海大地は数える事を止めた。

 

 不可視の、見えない斬撃。

 ダブルエムの言葉が正しいとすれば、見えなくしたことで切れ味が劣った状態。

 そんな状態の斬撃ですら、同じレベルⅩである天地海里は、防げずに両断された。


 自分が天地海里よりも防御力が著しく上回っていない以上、アレを防ぐ事は空海大地には出来ない。


「----"今のまま(・・・・)なら(・・)"、な」


 そう、1つだけ。

 空海大地には、これをなんとか出来るかもしれない手段が思いついていた。


 今までやらなかったのは、それが倫理的に問題だったからだ。


「その問題を、お前なら許してくれるよな? ----なぁ、天地海里(マイマイン)




「話し合いは----#懺悔(ざんげ) の時間は、終わりましたか?」


 ダブルエムはそう言って、空海大地に作り上げた武器を見せつける。

 それは10を超える斬撃を複数個組み合わせて作り上げた剣であり、常に回転し続ける事で周囲の空間そのものを切り裂き続けていた。


「これこそ、【抜刀】の#最終究極奥義 にして、#基本の集大成 の技。

 ----【斬撃操作】というものでしょうか」


 そうして生み出した斬撃の剣を、ダブルエムは構える。


 基本の型----特に面白みもない、基礎中の基礎。

 面白みも欠片もない、次にどう斬るかも分かるくらい、ごく初歩的な技。


 しかしながら、空海大地はその技から目が離せなかった。


「基礎を極めた先にあるのは、究極の技。今こそご覧にいれましょう、空海大地。

 ----【抜刀】術、究極奥義。【必殺技】----その名の通り、『必』ず『殺』す『技』」


 そうして、空海大地に向けて、ダブルエムは剣を振り下ろした。



 ----剣を振り下ろした先の世界は全て、両断された。



 剣を振り下ろした先にあった国、インドネシアは、何も分からないままバラバラに切断されていた。

 パプリニューギニアやソロモン諸島、クック諸島などを始めとした諸国連合、そしてその先にあった南アメリカ大陸を半壊してようやく、ダブルエムの究極奥義たる【必殺技】はようやく止まった。


 当然、その先にあった空海大地もまた、消滅した----。




「#はぁ?」



 しかし、【必殺技】をモロに受けたはずの空海大地は、"無事でいた"。


「「お前が真っ二つにすると言うなら、俺/私は合体して2つを1つになってみせる!!」」


 そこに居たのは、真っ二つどころか、2人が一緒くたになった姿。


「「今の俺/私は、マイマイン! 全ての罪を背負い、ダブルエム! お前も、そして世界を救う、真の勇者だ!!」」

「……#どうしてこうなった」


 溜め息を吐きつつ、ダブルエムは戦闘を続けるのであった。




(※)【必殺技】

 ダブルエムの職業(ジョブ)である【抜刀】の最終奥義。周囲に散らばる物体化された斬撃を重ね合わせて、放たれた先にある全てを両断する技。重ねた斬撃の量によって破壊力が何乗にもなっていく

 レベルⅩでもあるダブルエムが周囲に物体化させた斬撃は一撃一撃が神をも殺す神殺しの斬撃であるため、破壊力もまたそれに準ずる強力無比な、まさしく必ず殺す技となっている


(※)【マイマイン】

 2人の元勇者、空海大地と天地海里が魂そのものを完璧に融合、元に戻る事を不可逆にしたことによって生誕した、両性具有の姿。性別を超越し、神に近付いたことにより、その全ては上級の神と同等以上の力を発揮できるようになった

 元々、【旧支配者】専用スキル【リ・セット】によって生まれた同等の存在であったため、いつでも1つになることが出来た。しかし、2人の切なる願いによって、ただ1人になる時よりも強い力を持つことが出来た

【旧支配者】を持っていたキャラ……はて、誰だっけ??

↑すいません、キャラ愛のない作者は本気で忘れてました

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
面白かったら、ポイント・感想など、よろしくお願いします!!
その行為が、私の創作の励みになります!!

活動報告に今作の作成秘話を書きました
よろしければ、ご覧ください

今作についての活動報告

サイドストーリー、外伝を制作しました。第2章も始めましたので、こちらもどうぞ
俺の着ぐるみが超有能である
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ