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俺の召喚獣だけレベルアップする  作者: アッキ@瓶の蓋。
第6章『ファイントは常に地獄に居る/覚醒ファイントの章』

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第221話 未知なる【大根】に、ヘミングウェイは興奮を隠せない(1)

【大根】と、ヘミングウェイの強さが白熱する、

第221話、始まるよぉ!!

 ----ウィーンっ!!


 高速で、幽鬼カルタフィルスの身体に這うようにして、全身を回る刃物。

 それは高速で回転しながら、ココア達をけん制していた。


「本当に、あれのどこが【大根】なんじゃろうか……」

「あぁ♡ あの回転刃物を、その身に受ければ、どれだけの痛みがぁ……♡♡」


 数十秒、回転が続いたかと思うと、それは突如として止まる。



「下準備、完了」



 刃物を収納し、幽鬼カルタフィルスはこちらに腕を向けていた。


「【大根】スキル、【スティック大根ミサイル】」


 そう言うと共に、彼女の背中から白い棒状の物が、複数本現れる。

 その白い棒は、ミサイルのようにココア達へと襲い掛かる。


「"みさいる"じゃと?!」

「あぁん♡ 受けたいっ♡」


 自ら前に出て、受けに行こうとするヘミングウェイ。

 恍惚の表情を浮かべて、痛みを受けようとするヘミングウェイに対して、ココアが攻撃に入る。


「妹は、この妾が守るっ!! 炎魔術【フレアウェーブ】! 管狐たちよ、お主たちも、出番じゃ!」


 ココアは炎系統の魔術の中でも、攻撃力の強い魔術を選択して、炎の波を放つ。

 管狐のスキルも発動して、彼女は複数の炎の波を相手に浴びせていた。


 しかし、大根のミサイルは、氷のようには溶けず、炎の波で焦げるだけで、こちらへと向かって来る。


「燃え尽きもせんとは……!!」

「じゃあ、ここはうちの出番ですねっ! 【土蜘蛛の糸盾】!」


 ヘミングウェイの背中の蜘蛛足が動くと共に、蜘蛛の糸が放たれる。

 放たれた蜘蛛糸は、空中で盾のような形になったかと思うと、蜘蛛の糸は大根ミサイルを絡め取り----


「あぁん♡」


 ----絡めとったミサイルを糸で回収して、自身に当てていた。



「へっ、ヘミングウェイ!? 大丈夫かのぅ?!」

「あぁん♡ ミサイルのいっ・たっ・みっ♡♡」


 ココアが心配するように声をかけ、ヘミングウェイはミサイルの痛みで顔を愉悦に歪ませていた。

 笑っていた、彼女は痛みを受けて笑っていた。


「ヘミングウェイ! 真面目にやれい! 相手さんは、次の攻撃に入ろうとしとるぞ?!」

「やっても良いですよね……敵、ですし。【大根】スキル、【ぶり魚雷大根】」


 幽鬼カルタフィルスの続いての攻撃は、魚雷である。

 彼女の靴が真っ白な魚雷に変わったかと思うと、そのままブースターによってココア達へと向かって発進する。


「あぁ♡ 未知なる者が、未知なる物で向かって来るぅ♡♡」

「……って! 幽鬼カルタフィルスを止めるのじゃ、ヘミングウェイ!」

「----命令! 命令とあれば、喜んでぇ♡ スキル【召喚チェンジ】!」


 ヘミングウェイはそう言って、くるりと一回転する。

 一回転すると共に、彼女の全身が光に包まれる。


 光に包まれ、彼女の姿が変化していく。


 蜘蛛足は消え、代わりに煙のような六枚の羽が出ていた。

 左手に持っていた盾は消え、代わりに弓を手にしていた。

 一番の変化は髪の色----ツインテールの左側は青く、右側は緑の色に変わっていた。


「武装姫ヘミングウェイ! 【戦天女ボーゲン】×【煙羅煙羅(えんらえんら)】フォーム、です!」


 するーっ、と煙の羽で浮かび上がるヘミングウェイ。

 そして、弓を構えて----放つ。


「いっちゃえ、あぁん♡」

「奇声はあげねば、ダメなのか?!」


 弓矢はするーっと飛んでいき、魚雷にぶつかる。

 ぶつかると、弓矢は大量の煙へと変わり、魚雷は煙に包まれていた。


 煙に包まれた魚雷は、そのままふわふわと浮かび上がる。

 そして魚雷は、そのまま空の彼方へと飛んで行ってしまった----。


「そして、お次はこれ! 【召喚チェンジ】!」


 くるりと一回転し、またしても全身が光に包まれていた。

 すると、今度は盾が消え、彼女の両手に黒い手甲がはまり、ツインテールの左側は青色から黒色へと変わっていた。


「武装姫ヘミングウェイ! 【戦天女ムスターマン】×【煙羅煙羅】ベストマッチフォーム、完了!!」


 じゃーんっ、と空中で、手甲を合わせるヘミングウェイ。

 さっきから続く、ツインテールの髪色の変化と、姿の変化に、幽鬼カルタフィルスは疑問具を浮かべる。


「さっきからコロコロとツインテールの色が変わってるみたいですけど……なにかの儀式?」


 ウィーンっ、とまたしても全身に刃物を回転させるという、意味不明の儀式を行う幽鬼カルタフィルス。


「妾の妹の真価は、ここからじゃよ! 合わせるのじゃ、ヘミングウェイ!」

「了解だよ、ココア姉上!」


 煙の翼で空を飛ぶヘミングウェイは、そのまま一直線に、まるで流星のように突進する。

 そして、ココアは魔術の、先程よりも強力な魔術を準備していた。


「何をする気かは分からないけど、(放送禁止用語)なヤツをやらせる訳にはいかせませんね」


 ガチッ、とヘミングウェイが次に取り出したのは、棘が取り付けられたヨーヨー……型のふろふき大根。

 湯気をほんのり漂わせて、彼女は2つのヨーヨー型のふろふき大根を回転させる。


「【大根】スキル、【ふろふきヨーヨー大根】。

 どんな手を使おうとも、この(放送禁止用語)で(放送禁止用語)な技で、対応させてもらいましょう」


 棘付きヨーヨーを、くるくる回転させる。

 そして、真っ向から向かって来るヘミングウェイに向かって、棘付きヨーヨーを放つ。


 ---ふわーっ!!


「----?!」


 しかし、棘付きヨーヨーはヘミングウェイに命中せず、彼女の身体を通り抜けてしまう。

 まるで、煙のように、ヘミングウェイの身体は揺らめいて、ヨーヨーは通り抜けていた。


「雷属性超魔術【雷帝の神槍】!」


 ココアはそのまま雷属性の、神の槍を模した超魔術を放つ。

 その放たれた雷を纏った、神の槍も、煙のように変わるヘミングウェイを捕えず、そのまま神の槍を模した魔法は、幽鬼カルタフィルスにぶつかる。


「しびびびっ?!」



「これこそ、ベストマッチ時のみ手に入る能力!

 ベストマッチスキル【煙拳格闘(えんけんかくとう)】! 効果は、うちは身体を煙のようにして攻撃を避けながら、しかしてこの攻撃は"相手の防御力を無視する"!!」



 そして、ヘミングウェイの放った拳は、幽鬼カルタフィルスの身体に大きな穴を開けるのであった。




(※)ベストマッチスキル

 武装姫ヘミングウェイが使う、ベストマッチの時のみ使えるスキル。そのどれもが強力無比なスキルであり、なおかつ副作用も使用時に激痛が身体を走る程度なので、本人曰くデメリットなしとのこと

 武装姫ヘミングウェイは職業【召喚士】のスキルである【召喚チェンジ】の力により、自身を構成する2体の召喚獣を自在に変化させることが出来る。そしてその2体の召喚獣がベストに合わさった時に、このベストマッチスキルが発動できるようになる

 ちなみに、ベストマッチフォーム時は、能力値が半分になるデメリットスキル【ハーフマッチ】が消えるため、実質的に戦力が倍になる


(※)【煙拳格闘(えんけんかくとう)

 武装姫ヘミングウェイのベストマッチスキルの1つ。使うためには、自身を構成する2体の召喚獣の組み合わせが、肉弾戦が得意な【戦天女ムスターマン】と、煙のような身体で相手を翻弄する妖怪【煙羅煙羅(えんらえんら)】である必要がある

 自身の身体を煙のように、自由自在に変形させることにより、ありとあらゆる攻撃を避ける事が可能となる。ただし、あくまでも自分の身体を変化させるのは彼女の意思なため、認識できない攻撃や、できても避けきれない攻撃には対処できない

 そして、この能力の一番の効果は、相手の防御力を全て無視すること。煙が僅かな隙間を狙って入っていくように、この状態での拳は相手のいかなる防御をも無視する無敵の格闘技へと進化するのである

【大根】、強い!!

武装姫ヘミングウェイも、強い!!


では、次回、「第222話 未知なる【大根】に、ヘミングウェイは興奮を隠せない(2)」を

よろしくお願いします!!

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活動報告に今作の作成秘話を書きました
よろしければ、ご覧ください

今作についての活動報告

サイドストーリー、外伝を制作しました。第2章も始めましたので、こちらもどうぞ
俺の着ぐるみが超有能である
― 新着の感想 ―
[一言] 「さあ、実験を始めよう」な戦車で兎なやつがよぎるw
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