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083話「種族間戦争」

「ケンタウロス部隊、斉射開始しろ!」


準備を整えたラースが5種族を率いてミノタウロスとの決戦を遠目から見ていた。


「これが、種族間戦争という事か」


ケンタウロス、ダークエルフ、オーク、コボルト、ゴブリンが総勢300という軍となり各々が役割を果たし戦場を動き回っている。


小領主の称号によって総合計300名まで引き連れていけるらしい。


数的有利は無く、質の問題となっているようだ。


ミノタウロスの膂力に対して、絶妙なバランスの配置で戦いを優位に進めていると思われる。


やはり主力はケンタウロスを軸にした運用だ。


ダークエルフの弓術士による遠距離射撃も一役を買っている。


オークに鋼鉄のタワーシールドでミノタウロスの攻撃を防がせている。


クロスボウでコボルトとゴブリンが援護している、これは無視できないダメージを出しているな。


空から見下ろす形で見ているが俺の時とは違った大迫力の戦争が繰り広げられていた。


ブモォオアアア!!


やはり、現れたか。


ミノタウロスチャンピオン・・・装備が若干違うな?


俺の時とは違って鋼鉄で出来た諸刃の剣ではなく片手斧を両手に一本ずつ持っている。


「ここは任せろ! ゴブリン達は回復薬で仲間の回復をいそげ」


ラースが前に出てミノタウロスチャンピオンへと肉薄していく。


中には死んだ魔族達も出ているが戦争をしている以上犠牲なしで終わる事は無理だろう。


「ぐぉおお!」


互いに防御、攻撃、カウンターをして激突を繰り広げている。


ブモォアア!


ピキィンッ


ミノタウロスチャンピオンが両目を光らせてスキルを発動する。


「回転斬りぃ!」


両腕を上げた所に諸刃の剣の重さを利用して刃を突き入れる。


ブシャァ


刃はミノタウロスチャンピオンの脇腹に入り込み、勢いそのまま上半身と下半身を両断した。


断末魔もなく倒れるミノタウロスチャンピオン。


「俺達の勝ちだ!」


ワァアアアア!


返り血を浴びたラースが勝鬨を上げて、配下達が歓声を上げる。


素早く戦利品(ミノタウロスの素材)を回収し終えてラースは砦へと帰っていった。


「あれは?」


ミノタウロスチャンピオンがやってきた方向を見ていたら突然居住区が現れだした・・・なるほど戦争に勝たないと現れない仕組みなのか。


”ラース、いいか?”

”なんだ?”

”ミノタウロスの住処が奥で現れた。お前一人だけでも行けるか?”

”だから、アナウンスが出てこなかった訳か。危なかった”


どうやら、勝利後のアナウンスが出てこなかった事に違和感を覚えたていたようだ。


”任せた”

”助かったぞ。戦争に勝てても時間が絶てば戻ってしまうからな”

”そうか”


もしかしたら、俺の時も同じ現象か?


いや、ミノタウロスの荒野は領域を俺が支配下に置いたとアナウンスが出ていたからモンスター扱いだったのだろう。


ここは魔族扱いのミノタウロスだっただけだな。


プレイヤー毎に何かが違うのかもな・・・


俺の所は鉱石の豊富な鉱山、ラースの所は回復薬の原料となる薬草の生産が活発らしい。


ガヤガヤガヤッ


その日は砦内部で宴が開かれていた。


「この貨幣システムは素晴らしいですね」

「ここでは使い辛いだろうが」


俺の領内で行われている貨幣システムの導入話をリミアが食いついてきた。


「やはり苦労しているのか?」

「はい。物々交換で成り立たせていますが諍いが絶えませんので・・・是非、私どもも導入したいものですね」

「流石にこっちへ回す金鉱石や銀鉱石は無いな」


金や銀の産出量は少ない、俺の領内分だけしか無いのが現状だ。


「でも、知っておいて損はありませんね。この話は領内に広めても良いですか?」

「ラースに聞け」

「うむ。いいぞ」

「良いのか?」

「俺も困っていた所なのだ。貨幣システムは早く取り入れるべきだな」

「銅貨までなら作り出せると思いますよ」

「銅鉱石は出てくるんだったな?」


ケンタウロス達の所有する鉱山の主な鉱石は鉄と銅と聞いた。


「将軍、銅貨だけでも取り入れましょう」

「他の面々の許可を貰ってからだな」

「えぇ」


この話は一旦保留となったようだ。


「それで、俺たちの戦いはどうだったのだ?」

「大迫力な戦いだったな」

「次はリザードマンかハーピィを狙おうと思う」


今回の戦いでミノタウロス族が仲間になったようだ。


「ハーピィの方が攻略が楽そうだが?」

「空を飛ぶモンスターに攻撃を当てるのが難しいのだ」

「投石器に水を入れて飛ばしたらどうだ?」

「その案も勿論出たが、水の確保が難しいのだ・・・」


飲料水は各種族の里にしか手に入らないらしい。


水を運ぶにも手間暇がかかる。


この砦に設置している井戸水で生活が送れているとのことだ。


「人魚は最後だろうな」

「あの場所ばかりは攻略が難しいのだ」


それでも、俺と言う交流者が増えてラースの領域にない物が手に入りやすくなりパーピィとリザードマンの領域を次々に支配下へ置いていった。


「兵器のレシピは何処にあるのだろうか」

「そうだな」


ラースの領域内を探しているもレシピがなければ量産することも出来ない。


『将軍』

「どうした?」

『潜水服が完成しました』

「そうか」

「潜水服なんて物を作り出していたのか?」

「人魚攻略には一気に湖底に沈まないとダメだからな」

『これを』


ガラガラガラガラっ


荷台に乗せられた百キロも在りそうな棺桶が現れた。


「どう見ても棺桶だよな?」

「潜水服である」

「服ではないよな?」

「潜水服なのだ」


どう見ても鉄製の棺桶だ・・・これを湖に人数分沈めるのか?


確かにトライデントの攻撃より早く沈んでダメージは最小限に抑えられるだろうが・・・大丈夫か?


少し不安を覚える。


「人魚攻略に少し手を貸してくれないか?」

「あ、あぁ。何をしたらいい?」

「以前言っていた、船を出してほしいのだ。俺達では作り出せない代物だからな」

「分かった」


船のレシピは魔王からの譲渡品だから作り出せないのも頷ける。


「いざ、決戦の地へ」


ボーンロングシップに30体のスケルトンと20名のラース軍を乗せて湖を進む。


素材はラース軍で確保し、俺はロングシップを作り続けた。


300名全員を運べる15隻での出発だ。


スケルトンリーダーの指示にしたがい一糸乱れない動きでスケルトン達がオールを漕ぎ岸を離れていく。


ドシュシュシュッ


トライデントが湖の中から飛んできてマーマン達が攻撃を開始したのをみる。


「行くぞ!」


ドバァンッ


鉄の棺桶に入ったラース軍は次々に湖に投下されていった。


・・・


・・・・・・


・・・・・・・・・


湖面で待つこと3時間が経過していた。


ザバァッ


湖面にラースが現れた。


ザバァザバァッ


至る所の湖面にラース軍の面々が飛び出てくるが生き残ったのは少ないと感じた。


「何とか勝てたが生き残れたのはコレだけだった」


300いたラース軍の半数が失い人魚の領域を支配下にしたという。


湖底に到着し、空気のあるエリアに入るまでに結構削られてしまったらしい。


「残すはトロルか」

「兵器については何か分かったか?」

「人魚達が知っている様子だったが、好感度が低いようだな」

「量産体制は整えるべきだな」

「だが、あの巨大な物を作り出す場所がない」

「作ればいいだろう? 俺の工場を真似るといいんじゃないか?」

「知らない道具もあったんだが」

「ベルトコンベアーとクレーンだな・・・素材と回復薬で手を打とう」

「助かるぞ」

「ここまで来たんだ・・・助力はする」


こうして最後のレシピ情報を手に入れるまでの間は砦横に量産できる工場を建てる計画が勧められた。


その後、人魚達の信用を獲得して破城槌と投石器のレシピが何処にあるか分かり、ラース軍は2つの兵器を量産し始める。


「準備は整った!」


配下の魔族のレベル、装備の質が申し分なく兵器の導入で勝率は格段にあがった。


「いざ行かん!」


ラース軍がトロルキングを討伐しに出発する。


俺は上空からその様子を見るだけとなった。


いざとなったら加勢する為だ・・・


3時間の激戦の末、生き残っている数は100を切ることになるもラース軍は勝利を収めた。


「次はワイバーンであるか」


ラースにもグランドクエスト飛竜討伐が出た様だ。


「今度は」

「互いの力を合わせよう」


ガシッ


今までは協力関係にあったが2つの勢力が力を合わせる時が来た。


≪ハデス領、ラース領の同盟が締結されました。効果は双方の領民へ潜在能力が+65%増加されます≫


「同盟なんて出来たのか」

「双方の意思があって出来るのか・・・知らなかったな」


こうしてハデス軍とラース軍による飛竜討伐計画が進む事となった。

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