078話「オーガ決戦」
「配置につけ」
ランサー2騎、リアカーに3体のスケルトンが乗っての運用が始まった。
5体1組の部隊を幾つも作る。
対飛竜弩を100台、カノン砲33門を
≪規定値のオーガが倒されました。オーガマスターが出現されます≫
ゴゴゴゴゴゴッ
草原の中央部から地鳴りが始まった。
ドガァアアン
大爆音が草原の中心部から発生して土煙が30m近くも打ちあがった。
サァアア
オーガマスターが姿を現す。
「決戦といくぞ」
ゴァアアアアアア!!
オーガマスターの咆哮が決戦の合図となった。
「対飛竜弩、射撃用意!!」
ガラガラガラガラガラガラッ
ランサー達がリアカーを引き始めながらもスケルトン達が動いて対飛竜弩をオーガマスターに向ける。
ギギギギギッ
ガチンッ
「順次発射!」
ヒュンヒュンヒュンッ
全方向からマンティスの矢が突き刺さるオーガマスター。
ウガァアア!
オーガマスターが一番近くのスケルトン達に目を付けて移動を開始する。
ズシィンッ
ズシィンッ
移動するだけでも重低音が響く。
「退避だ」
ターゲットになったスケルトン達を退避させる。
ランサー2騎で引っ張られるリアカーは遠ざかっていく。
ドシュンッ
逃げながらも対飛竜弩を回転させて射撃を止めない。
他のスケルトン達はオーガマスターの横や後ろに回って次々に打ち込む。
10mもあるため歩幅が広く、逃げているスケルトン達に追い付きそうだ。
「それでいい」
逃げられると言う事は時間が稼げているという事だ。
グルゥウウウ!
グイッ
突然進行方向が変わった。
ターゲットが最大ダメージを与えているスケルトン達に切り替わった。
「追いかけろ、その分ダメージが蓄積されていくぞ」
スゥウウウ
大きく息を吸い込むモーション。
「指向性の咆哮だ! 左右に展開しろ!!」
前回の攻撃で判明したが一定方向にしか放てない音の攻撃。
つまり、射線から外れればいいだけとなる。
グォオオオオオオオオオオオオオオ!!!
咆哮の衝撃波がスケルトン達を襲う。
一度、モーションが入ってしまえば放つまでのタイムラグがある。
ランサー2騎の速度でも簡単に退避できる。
戦車にした理由は動き回れる利点を作り出す為だった。
「間髪入れず放て!!」
ピピピッ
スケルトンリーダーから思念を受け取る。
「わかった、こっちへ寄越せ」
バサバサバサッ
俺は離れた場所にロックバードを着陸させる。
ガラガラガラガラッ
近くに対飛竜弩を乗せたスケルトン達がやってくる。
「マンティスの矢を20本だ」
ザラァアア
ダークホールからマンティスの矢を出して、矢筒に入れてやる。
ガラガラガラガラッ
そして戦線へと戻っていく。
この為に湖周辺のマンティスを狩りまくったからな。
「副産物もそろそろだな」
マンティス狩りには副産物が付いてくる。
アレだけの巨体にどの程度効き目があるかは分からないがな。
バサッ
もう一度ロックバードに乗り、オーガマスターの所へと向かう。
「ハリガネムシを食らえ!!」
大口を開けて咆哮を放とうとしているオーガマスターの口に大量のハリガネムシを投入する。
ゴガハアアァア!
ドスゥンッ
オーガマスターは異物を感じて喉を抑えて地面に倒れもがき苦しむ。
殆どは吐き出されてしまったが喉を通して寄生したハリガネムシはいるだろう。
「今だ、カノン砲!!」
「「「「「ダァァアアクボォオル」」」」」
動きを止めた所をカノン砲で追い打ちをする。
ドガァアン
33門のカノン砲から鉄球を発射しオーガマスターの頭に直撃していく。
グォオアアアアア!
今までにない悲鳴を上げるオーガマスター。
いくら強くても頭への一撃は辛いだろう。
ピキィン
オーガマスターが立ち上がり両眼が紅く光った。
特定のモンスターがスキルを使う兆候だ。
ブワッ
鋼鉄のこん棒を真上に振り上げる。
「まずい! 全軍離れろ!!」
あの動きに見覚えがある・・・オークジェネラル戦だ。
ブンッ
ガァアァアアアアアン
振り下ろされた鋼鉄のこん棒は地面に叩きつけられ衝撃が全方位へと伝わった。
ドボワァア
まるで隕石が降ってきたかのように土が抉れて周囲へと飛び散る。
近くにいたスケルトン達から衝撃波に巻き込まれて一瞬にして体力が奪われていった。
ピピッ
即座に召喚物一覧画面を開いて生き残りをみる。
「100体、20台が巻き込まれた」
今の一撃で100体のスケルトンが一瞬で壊された。
ブワッ
土煙が風で流れていきオーガマスターの姿が現れる。
「さすがこのゲームだな」
オーガマスターが放った一撃はまるで隕石の衝突があった様に地面にはクレーターが残っていた。
「目測20m以内か・・・全スケルトンに通達20mは離れて戦え」
生き残ったリーダーを通して命令が伝達する。
ボコボコボコボコッ
「今度はなんだ?」
クレーターの中から何かが這い上がってくる。
ドバッ
グルァア!
何十という数のオーガが土の中から現れた。
≪オーガが召喚されました≫
アレは範囲攻撃に加えて仲間を呼ぶのかよ。
「オーガマスターよりオーガを優先して攻撃しろ」
バシュッ
クレーターから這い上がってきたオーガ達に狙いを定めて攻撃を開始する。
オーガーマスターに比べて体が小さい分、2発で沈む。
「死霊召喚:スケルトン」
ブシャァッ
オーガからノーマルスケルトンを召喚する。
ノーマルが故に戦闘能力は殆どない・・・
「登れ」
100体分の空きが出来たのだから、有効に使わなくては。
オーガの死体から作り出されたスケルトンはオーガマスターの体を登り始める。
ウガァア!
体中を小さな虫が這いまわる感覚にオーガマスターが身を捩る。
「放て!!」
「「「「「ダァァアアクボォオル」」」」」
バシュッ
ドゴォン
対飛竜弩とカノン砲の集中砲火がオーガマスターに到達する。
ウゴァア!!
鎧の無い足にマンティスの矢が突き刺さり、鉄球が頭部に命中して悶える。
ドッ
オーガマスターがジャンプしてクレーターから這い出てくる。
ドドォンッ
グラグラグラグラッ
10mの巨体が着地してリアカーのバランスが崩れて地面が揺れているのが分かる。
オーガマスターの全体攻撃圏内にいるスケルトン達が離れていく。
ギラッ
ドスゥン
ドスゥンッ
オーガマスターの目線が合い、こちらに向かってきている。
「俺が指揮命令者だと気づいたか」
一度も攻撃していないのにオーガマスターは俺を倒すことを優先にしたようだ。
スゥウウウウ
大きく息を吸い込むモーション。
「その動きは見切っている!」
ロックバードを操ってオーガマスターの股下を潜らせる。
グォオオオオオオオオオオオオオオ!!!
咆哮の衝撃波が空中へ放たれていく。
グググッ
「なに!」
オーガマスターは俺に合わせて首や体の角度を下に向け始めた。
ドバッ
射線上にいたカノン砲のスケルトン達が巻き込まれていく。
俺は股下を無事にくぐり抜けられた、あの咆哮は竜のブレスのように動かせた事に驚いた。
横に薙ぎ払われなくて良かったと思う。
幸い、被害は微々たるものだった。
「体力は半分切った程度か」
あれだけの攻撃を受けてもなおオーガマスターの体力は半分程残っている。
「長い戦いになりそうだ」
・・・
・・・・・・
あれからオーガマスターはスケルトン達の攻撃を受け続け、こん棒で反撃し、咆哮でスケルトンを破壊し、二回目の範囲攻撃を放ち、オーガを召喚し、俺に狙いを定めて集中的に攻撃する動きをみせた。
「カノン砲、放て」
「「「「「ダァァアアクボォオル」」」」」
ドォン
3門しか残っていないカノン砲から最後の玉が発射されて、オーガマスターにヒットし体力を幾分か削る。
「これでカノン砲は使えなくなった」
玉切れに魔法の媒体であるスタッフと腕が拭き取んで使用不可能となってしまった。
「換装しろ」
スケルトンスカウトの装備に変更させる。
クロスボウを持たせて少しでも戦いに参加させるためだ。
ドシッ
ランサー6騎の後ろに6体のスカウトが乗り移動しながら射撃をさせる。
リアカーを引いているよりもスピードが上がった。
「少しでもいい、長く生き残りオーガマスターの体力を削れ」
カタカタカタカタッ
生き残ってるスケルトン達が答える。
「発射!」
全方向からマンティスの矢がオーガマスターへ放たれる。
ウゴォオオアァア!
今までに見たことの無いモーションが現れた。
「まだ、違う動きをするのか!」
ドドォン
倒れた?
グルグルググルッ
オーガマスターは地面に倒れ転がり始めた。
「早いっ!」
30mの丸太が転がってくるようなもので進行方向にいるスケルトン達は回避が間に合わないと悟る。
グシャァアッ
生き残っていたスケルトン達が半数程失われた。
「あと数台か」
対飛竜弩のスケルトン達が数える程度しか残らなかった。
それでも忠実に命令通り動いている。
スゥウウウウ
大きく息を吸い込むモーション。
「また咆哮か」
グォオオオオオオオオオオオオオオ!!!
グインッ
「馬鹿な」
オーガマスターは咆哮の衝撃波を横に薙ぎ払う動きを見せた。
バラバラバラバラっ
巻き込まれたスケルトン達がバラバラに砕ける。
「あと少しなんだ」
オーガマスターの体力ゲージはドット残り、あと少しで倒れる寸前まで来ていた。
だが、ここで全てのスケルトンが破壊されてしまった。
グルルルゥ
オーガマスターと俺の視線がぶつかり合う。
ウゴォオオアアア!
オーガマスターは邪魔ものを潰し終えてターゲットを完全に俺へと移した。
「最後の悪あがきをさせてもらう。これでダメだったら困るからな」
ブゥン
俺はダークホールから1門の大砲を出現させる。
カノン砲よりも細身の銃身を持ち色は漆黒。
【デーモンボーンアーム砲】
攻撃力:300(+100)
耐久値:150
素材①:悪魔の骨×1000
・射程50m
・誰でも扱える対大型モンスター兵器
カノン砲を元に作り出した腕に装着する形の兵器だ。
「ダークボール!」
魔法を放つ為の媒体を握り、内部でダークボールを放つ。
ドッ
バキッ
一撃で砲身と右腕が砕け散る。
ドシュッ
ギュゥンッ
特別に作った砲弾が回転して真っすぐオーガマスターへ向けて吹っ飛んでいく。
グジュッ
それは眉間にヒットして頭蓋を破壊して頭へと吸い込まれていった。
ガクンッ
オーガマスターの動きが止まった。
グルンッ
ブクブクブクブクッ
白目をむき口から大量の泡を吐き出す。
ドスゥン
そして地面にうつ伏せ状態で倒れた。
≪グランドクエスト、侵略(4/5)をクリアしました。SPが4増えます≫
≪経験値:1,135,000取得≫
≪今よりオーガの草原はプレイヤー:ハデスの所有になります≫
≪ハデスのレベルが45になりました≫
≪SPが3増えます≫
スケルトンが一体も残っていなかった事で戦闘経験値が俺の総取りとなってしまった様だ。
「疲れた・・・」
俺はその場を後にして首都へと戻る。
「王よ、その腕はどうした!?」
「今回の戦いで?」
「あぁ、最後に犠牲にして・・・なんとか勝てた」
「おぉ! 流石王じゃ」
「勝てて何よりでござる」
「王ざま、腕ダイジョウブか?」
「今日は全員休ませろ。俺の驕りで宴だ」
この戦争に勝てたのは全員が動いてくれたから勝てた物だ。
俺一人の力だけじゃない事は分かっている。
「直ぐに知らせてくる」
「俺の方が早い」
オウガが走り去っていく。
「清算は任せたぞ。俺は落ちる」
「分かった」
俺はログアウトする事にした。
【ステータス】
名前:ハデス
種族:スケルトンキング
レベル:45
職業①:死霊術師(Lv36)
職業②:細工師(Lv10)
体力:2377.5/2377.5(+792.5)
魔力:3525/3525(+1175)
攻撃力:582(+154)(+120)
防御力:414(+91)(+126)(+15)
【装備】
頭:ミノタウロスボーンヘルム
体:ミノタウロスボーンアーマー
腕:ミノタウロスボーンアームガード
腰:ミノタウロスボーンウェストガード
足:ミノタウロスボーンロングブーツ
右手:ミノタウロスボーンソード
右手:ミノタウロスボーンソード
・セットボーナス、5か所(防+10)
・フルセットボーナス、7か所(攻+5、防+5)
【死霊術師スキル(Lv36)MAX.666】
▶死霊召喚リスト
▶闇魔法リスト
【細工師スキル(Lv10)】
▶武具・防具クラフトスキル
・デーモンボーンアーム砲(NEW)
▶アイテムクラフトスキル
▶素材クラフトスキル
【種族スキル】
・骨特化
・騎乗
・武装制限解除(小)
・一括制作(小)
・霊感
【召喚物一覧(0/666)】




