024話「対コボルトジェネラル戦②」
キィン
俺はそれを見つつコボルト達をガードナー達と共に防いでいた。
リーダーを倒し終えたスケルトン達はすぐさま陣形の中へ入り配置に戻る。
俺も一歩遅くガードナー達と交代するように陣形の中に入る。
グルァアアア!
目を光らせるエフェクトをまき散らしながらコボルトジェネラルが突っ込んできた。
道中にいた体力の減ったコボルト達を吹き飛ばしながらだった。
これが我を忘れる暴走という奴か。
「ガードナーは防御を固めろ。アーチャーはジェネラルに集中射撃。ソルジャーは怯んでいるコボルトへ攻撃開始。ファイターは俺と待機だ」
ソルジャー達が陣形から離れ左右に分かれコボルトジェネラルの暴走によって怯んでいるコボルト達に容赦なく襲う。
ヒュンヒュンヒュンヒュン
アーチャー達の一斉射撃をまともに食らってもコボルトジェネラルは突進を止めない。
「ガードナー」
ガードナー6体がコボルトジェネラルの突進に備えタワーシールドを構え迎え撃つ。
ズサァアアア
先頭にいたガードナー3体がコボルトジェネラルの突進を受け後方へ吹き飛ばされそうになるが後ろで支えとなっている
ガードナーによって壁が崩れることはなかった。
「今だ!」
待機していた俺とファイター達が一斉にコボルトジェネラルへ畳み掛ける。
ザシュッ
全方位からのファイター8体分の攻撃でコボルトジェネラルの体力が一瞬にして4割程削れた。
「後退!」
ファイターやガードナー達が一斉に後ろに下がり間合いを開ける。
グルァア!
コボルトジェネラルの怒りの攻撃は回転を加えた範囲攻撃だった。
タイミングよく離れたお蔭でこちらの被害は無し。
離れた事によりアーチャー達の援護射撃で矢がコボルトジェネラルの肩に突き刺さる。
「うらぁああああ」
グルンッ
ドォオン
俺は回転が止まった一瞬の隙を尽き武器を持っている手首を掴みコボルトジェネラルを腰の上に乗せ一本背負いを放つ。
コボルトジェネラルは盛大な音を立てて地面に受け身も取れず投げ飛ばされる。
「一斉攻撃だ!ガードナーは奴を立たせないように抑え込め!!」
ガードナー達がコボルトジェネラルの両手両足に伸し掛かるように1体または2体掛かりで抑え込む。
ザシュザシュッ
無防備となった所でファイター達が畳み掛ける。
あっという間にコボルトジェネラルの体力が減っていく。
グルワァアアアア!!
体力が1割になった所で抑え込んでいたガードナー達を引っぺがし立ち上がりファイター達を押しのけつつ門の方へと走っていく。
「追撃するな。周りのコボルト達に向けて攻撃だ」
ファイター達が追いかけようとする素振りを見せた為目標を変更させる。
俺達がコボルトジェネラルと戦っているうちにコボルト達もソルジャーによって大分数を減らされていた。
その分ダメージもかなり貰っているようだ。
「ソルジャーは下がれ。ガードナー、ファイター殲滅せよ」
ガードナーとファイターがコボルト達に襲い掛かり更に追い打ちを掛ける。
十数分後、コボルトやコボルトリーダーはファイター達の猛攻によって蹴散らされた。
残るは門前に佇むコボルトジェラルだけとなった。
ゼッハッゼッハッ
コボルトジェネラルは荒い息をしてこちらを睨んでいる。
「貴様に2つの道を選ばせてやる。俺の所に下るか、ここで死ぬかだ」
グルルルルゥ
コボルトジェネラルは俺を睨みつけ喉の奥から唸り声を上げている。
「そうか、死を選ぶというわけか」
チャッ
俺はロングソードをコボルトジェネラルに突きつける。
突きつけた瞬間コボルトジェネラルは片膝をついて頭を垂れ下げた。
「降伏とみなす。門を開けろ」
グルルゥ
コボルトジェネラルが立ち上がり木製の門を開いていく。
先に見えるのはコボルト達が住まう集落の影だ。
「全軍前進」
俺はコボルトジェネラルに先導を任せスケルトン達を引き連れて歩き始める。
≪グランドクエスト、魔王の配下をクリアしました。SPが4増えます≫
≪経験値:5,000取得。報酬としてコボルトを従える力が発動されます≫
≪コボルト氏族を配下に加えた事によりコボルト語が日本語に変わります。会話もできるようになりました≫
≪今よりコボルトの村と周辺の領域はプレイヤー:ハデスの所有になります≫
≪死霊術師のレベルが10になりました≫
≪ハデスのレベルが8になりました。SPが2増えます≫
≪死霊術師のレベルが10になったことにより、闇魔法:返還と顕現が取得可能です。消費SPは4です≫
ゴブリンの時と同じようにアナウンスが脳内に響いてきた。
大体は対象モンスターの名前がコブリンからコボルトに変化した程度だが、俺自身のレベルと死霊術師のレベルが上がったのは上々だった。
とりあえず、返還と顕現のスキルを取得する。
【返還と顕現】
死霊術師が召喚物を亜空間に転送できるスキル。
亜空間に転送された召喚物はその場で待機状態となり消費される魔力もその分減る。
顕現する場合は召喚物1体につき魔力1消費がされる。
大量に顕現する場合は残魔力には要注意。
通常待機と異なるのは亜空間の開閉は何処でもできるのでA地点で返還しB地点で顕現ができるという事である。
なるほど、便利なスキルが手に入ったようだ。
これなら移動速度に制限が掛かってしまっているガードナー達を亜空間に入れておいて目的地で顕現すれば問題は解決されるわけだ。
≪闇魔法:返還と顕現をSP4消費して取得いたしますか?≫
≪闇魔法:返還と顕現を獲得しました≫
俺は新しいスキルを手に入れて上機嫌となった。
「主よ、我がコボルトの集落へ来たこと歓迎いたす」
おぉう!?
急にコボルトジェネラルに話しかけられて驚いたぞ。
「案内、ご苦労。この集落にはお前より上の奴がいるのか?」
「否。我が集落では吾輩が一番偉い」
「わかった。とりあえず、集落にいるコボルト達を集めてくれ」
「了解した」
アォオオオオオン!
コボルトジェネラルが大音量の咆哮を放った。
すると、集落のいたる所に立っている建物の中からコボルト達が姿を現し始めた。
身体能力が高いコボルト達の集合は早かった。
大体50~60頭のコボルト達が広場に集まってきた。
「主よ。これがこの集落にいる我が同胞達である」
「ふむ。ご苦労だった。皆の者、俺の言葉が聞こえるか?」
俺は集まったコボルト達に話しかける。
「本日、俺はこのコボルトジェネラルを軍門に下した。つまりコイツ以外の同胞であるコボルトの戦士を我が軍が打ち破ったという事でもある」
グルルルゥ
俺の言葉に集まったコボルト達が唸り声を上げた。
「俺はこれ以上お前達には危害を加える考えを持っていない。既にコボルトジェネラルは俺を主と定めている。お前達も我が軍門に下る事は決定事項である。よって、コボルトの集落は本日をもって我が領地になった。意義があるものは申したてよ」
グルルルゥ
コボルト達は唸り声を上げるだけで意義の申し立ては無かった。
コボルトジェネラルが片膝を付き頭を下げるとコボルト達は同じように平伏した。
「うむ。本日からこの集落はこのハデスの軍門に下ったことを宣言する。以上解散!」
コボルト達は方々の建物へと散っていった。
「コボルトジェネラル。主はゴブリンジェネラルを見た事があるか?」
早速俺はコボルトジェネラルへ質問してみる。
「是。一度見たことあり申す。しかし奴は弱者」
さすがに身体能力が高いコボルトジェネラルにとってはゴブリンジェネラルを格下と見ているようだ。
「我が軍門にはゴブリンジェネラル達も配下に加えている。是非とも会うことを勧める」
「主の命令は絶対ゆえ。拒否権は無いものと知る」
「わかった。付いてこい」
俺が踵を翻すとコボルトジェネラルが背後に立つ。
「返還」
《返還する種類の召喚物を選んでください》
「スケルトン系統全部だ」
パアァアア
俺の前に広がるスケルトン軍団が一斉に空中に現れた亜空間に飲み込まれていった。
これが返還の力という奴か・・・移動が便利になったような物だな。
顕現する場合は消費が激しいと思われるから気を付けないといけないな。
「行くぞ」
「はっ!」
俺はコボルトジェネラルを引き連れてゴブリンの集落へと歩いていく。
スケルトン達がいない為移動速度はかなり早い。
コボルトジェネラルも身体能力が高い為付いてきている。
30分近く歩き俺達はゴブリンの集落へとやってきた。
「ご帰還されたようで」
俺たちが集落へ入ると真っ先にゴブリン氏族長がやってきた。
「見ての通りコボルト達を傘下に加えてきた。氏族長はコイツと会ったことあるか?」
「いえ。戦闘面ではゴブリンジェネラルに任せていますゆえ」
するとゴブリンジェネラルがやってきた。
「犬、負けたのか?」
「小鬼が生きがるな」
ゴブリンジェネラルとコボルトジェネラルが対面した途端険悪なムードに突入しやがった。
「やめろ」
「「はっ!」」
俺の一言で2人は互いに離れて言う。
「これからはゴブリン、コボルト共に俺の傘下に加わった訳だが次の狙いは分かるか?」
「オークどもで御座いますか?」
察しのいい氏族長が言う。
「そういう事だ。次はオークを傘下に加えるつもりだが一度もあっていないのが現状だな。お前達はオークについて何か知っているか?」
「オーク、豚」
「某達では敵わない。分厚い肉体に守られて爪や牙届かない」
「怪力と聞き及んでいます」
「攻防に優れている種族という訳か・・・ソルジャーやアーチャーでは防御力を突破する攻撃力を持ち合わせていないだろうしな・・・」
ガードナーやファイターを量産するしかないか・・・
「顕現せよ、スケルトンソルジャー、アーチャー」
俺の目の前にスケルトンソルジャー26体とスケルトンアーチャー5体が亜空間から現れる。
グワッ
俺の魔力が一気に持っていかれる。
「ソルジャー、アーチャー共に告げる全武装解除せよ!」
ソルジャー達は盾や剣、鎧を地面に置いていく。
そこには一見スケルトンが31体立っているがカテゴリ上はスケルトンソルジャーやアーチャーのままだ。
ここでこのスケルトン達に新たな命令を下しても意味がない。武装解除中の召喚物への攻撃命令等はシステム上キャンセルされる。
つまり役立たずの木偶の棒という訳だった。
「スケルトンソルジャー、アーチャーよ崩壊せよ」
バサァッ
死霊術師が召喚物へ「崩壊」というキーワードを与えると命令された召喚物は崩れ去る仕組みだ。
これはスキル外であるため魔力消費も起こらない。
なぜ、武装解除させたかといえばスケルトンソルジャーに武装した状態でこのキーワードを言うと武装毎崩れ去ると掲示板から読み取っていたからだ。
「顕現せよ、スケルトンファイター、ガードナー」
俺の目の前にスケルトンファイター8体とスケルトンガードナー6体が亜空間から現れる。
俺の魔力が一気に持っていかれる。
「ファイター達はゾンビの死体を持って来い」
ファイター達が動き出しゾンビのいる領域へと向かっていく。
その間、俺は骨を置いている素材置場へと向かう。新たに作るファイターやガードナー用のロングソードやタワーシールドだ。
30分もしない内にファイター達はゾンビの死体を41体も運んできた。
「死霊召喚:スケルトン!」
ブチャァ
ゾンビの死体から新たにスケルトンが生み出される。
「スケルトン達よ、そこに置いてある装備を装着せよ」
ソルジャーやアーチャーが装備していた防具をつけ始める。
更にロングソードやタワーシールドを作成し装備させていく。
攻撃や守備のみに特化したスケルトン軍団が完成した。
「とりあえず、オークの領域に行ってみる。ここからオークの領域に向かうにはどうしたらいい?」
「わしらの領域から行けないことはないのですが、道が狭くなっていまして時間が取られるかと思いますじゃ」
「吾輩からの領域であれば十分な道幅があるでござる」
「なら、コボルトの領域から行ってみるとしよう。案内頼めるか?」
「御意に」
俺達はコボルトジェネラルの案内でオークの領域へと出発した。
「ここから先はオーク共の領域、吾輩の案内はここまでで御座る」
コボルトジェネラルが呟き立ち止まった。
ゴブリン達と同じでコボルトも無茶な命令は出せない仕様のようだ。
「案内助かった」
コボルトの領域が手に入っていなければ楽々来れなかったオーク達の領域であった。
「全軍前進」
俺の号令と共に後についてきたスケルトンファイターとガードナー達が歩き始める。
【ステータス】
名前:ハデス
種族:スケルトンキング
レベル:8
職業①:死霊術師(Lv10)
職業②:細工師(Lv5)
体力:615/615(+205)
魔力:855/855(+285)
攻撃力:135(+40)(+15)
防御力:96(+27)(+15)
【装備】
頭:なし
体:レザーローブ
腕:なし
腰:なし
足:なし
右手:ボーンスタッフ
右手:なし
【死霊術師スキル(Lv10)MAX.55】
・死霊召喚[スケルトン]
・死霊召喚[スケルトンリーダー]
・死霊召喚[スケルトンソルジャー]
・死霊召喚[スケルトンファイター]
・死霊召喚[スケルトンガードナー]
・死霊召喚[スケルトンアーチャー]
・ダークボール
・ダークアロー
・返還と顕現
【細工師スキル(Lv5)】
・ボーンダガー
・ボーンスピア
・ボーンショートソード
・ボーンソード
・ボーンロングソード
・骨弓一式(最下級)
・ボーンスタッフ
・ボーンスモールシールド
・ボーンシールド
・ボーンタワーシールド
・ボーンダガースモールシールド
・ボーンダガーブーツ
・ボーン防具一式 (最下級)
・レザーローブ
・革紐
・革紐 (極細)
・葛篭 (小、中、大)
・ボーンピック (極細)
・骨の裁縫針
・強制接合皮 (小、中、大、極大)
・回し車「車部分」 (大)
・骨の防護柵 (中)
・ボーンデスク (小、中、大)
・ボーンチェアー (小、中、大)
・ボーンドア (小、中、大)
・レザークロス (小、中、大、極大)
・ボーンボード (小、中、大)
・ボーンネジ (小、中、大)
・ボーンハイング (小、中、大)
・ボーンボルト (小、中、大)
・ボーンナット (小、中、大)
・ボーンレンチ (小、中、大)
・ボーンスティック (小、中、大)
【種族スキル】
・骨特化
【召喚物一覧(55/55)】
・スケルトンファイター×25
・スケルトンガードナー×30




