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【第十九章完結】スライムは最強たる可能性を秘めている~2回目の人生、ちゃんとスライムと向き合います~  作者: 犬型大
第十九章

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お祭りの始まり4

「なぁーるほどなぁ。まあ確かに……こんなイベントあって、知らない奴がウロウロしてたら、俺もこっそりついてくかもな」


 何かを隠そうと思えば、みんながいる場所ではなく奥まったところとか怪しい場所に行くしかない。

 となれば行動としても絶対に怪しくなるし、知らない人がそんなところにいたら警戒されたり興味を持たれたりする。


 札を隠すとか知らなくとも、子供なら隠れてついていくことだってありうるだろう。


「井戸と薬屋か……どっちいく?」


 ともかく二つの場所を聞けた。

 上手くいけば札が二個手に入るかもしれない。


「うーん……井戸かな?」


 ただまだ札があるとは限らない。

 当然ながら町中でも隠された札を探している人たちはいるだろう。


 町中にある薬屋の札は、見つかってしまっている可能性もある。

 あるいは薬屋の周りをウロウロ探していたら、探しているとバレる可能性もある。


 井戸の方は町外れだと言っていた。

 ならばそちらの方が見つかっていない可能性も高い。


「行ってみるか」


 ジケとライナスは町の外れに向かってみることにした。


「これ美味いぞ」


「おっ、あんがと」


 ライナスは焼き菓子をもぐもぐと食べている。

 あげるようだったのであまり味を気にせずに買ったけど、意外と美味しいらしい。


「ん! なかなかいけるな」


 ライナスから焼き菓子を受け取ってジケも一口。

 確かに美味い。


 買える時になったらお土産にしてもいいかもしれない。


「……なあ」


「なんだ?」


「つけられてるよな」


「つけられてるな」


 ライナスは自分たちについてくる気配を感じ取っていた。

 いつ頃からいるのかまでは分からないけど、気づいたらつけられていた。


「気づいてた?」


「ああ、気づいてた」


 ジケもついてくる存在には気づいていた。

 一定の距離を保って、バレないようにコソコソとしているのが数人いる。


「どうする?」


「まあほっといてもいいんじゃないかな?」


 自信があるなら攻撃してくるはずだ。

 何もしてこないということは、それ相応の奴等であるということである。


 わざわざこちらからアクションを起こしてやることもない。


「俺とお前なら大丈夫か」


 ジケはともかく、ライナスにもバレるようなお粗末尾行だ。

 相手の質は低そうだとライナスも思った。


 一人じゃなくジケと一緒なら大抵のことは大丈夫だろうとライナスは焼き菓子をフィオスに突っ込むようにして食べさせる。


「あれかな?」


「調べてみるべ」


 町の中心から離れて、それっぽい井戸を見つけた。

 古そうだけど、しっかりと手入れされた井戸がある。


「札なんてどこにあるんだ?」


 なんの変哲もない井戸である。

 パッと見て札はないし、隠せそうなところもない。


「うーん……」


 ジケの魔力感知でも札っぽいものは見えない。


「井戸に隠したっぽいって言ってたけど……」


 ライナスは井戸の中を覗き込む。

 かなり深めの井戸は底が見えない。


「まさかこん中に投げ入れられているとか……そんなことないよな?」


 ライナスは眉をひそめる。

 井戸の中に札を投げ入れて隠したなんて可能性もありうる。


「まっさかぁ……」


 普通ならそんなことしないだろう。

 だけどないとも言い切れない。


 ジケも井戸を覗き込んで、フィオスもマネするように少し体を伸ばす。


「……もうないかもしれないしな」


 誰かが札を見つけてしまって、ここにはないということもあるかもしれない。


「とりあえず水でも飲んでみるか」


 ずっと焼き菓子を食べていたので口の中の水分が少ない。

 ライナスは滑車に手を伸ばして水を汲み始める。


 ロープを引っ張ってバケツを引き上げる。


「よいしょ……水は綺麗だな」


「ん?」


 引き上げたバケツの中には澄んだ水が入っている。


「なんだか収まりが悪いな」


 バケツを井戸の縁に置いて、水を飲む。

 冷たくて美味しい水で、水分の少なくなっていた口が潤っていく。


「ふぅ、じゃあ薬屋の方に……」


「あっ、待ってくれ!」


「なんだ? お前も飲むつもりだったのか?」


 バケツは最初から井戸の中にあった。

 最初にあったように戻そうとして落とされそうになったバケツを、ジケが慌てて手に取った。


「えっ? 何してんだ?」


 ジケはそのまま水を井戸に戻して捨てる。

 水を飲むんじゃないのかとライナスは困惑する。


「見てみろ」


「あっ!」


 ジケは水を捨てたバケツをひっくり返す。

 するとバケツの裏に何かで貼り付けられた札があった。


「こんなとこにあったのか」


 最初バケツは水で沈んでいた。

 そのためにジケの魔力感知でも分からなかった。


 しかし水を飲もうとしてバケツを引き上げたので、底に何かがあると分かったのである。

 バケツが置きにくいな、なんてライナスが呟いていたけど、それは底に札が貼り付けてあるからだった。


「一枚札ゲット!」


 ベリッと札を剥がしてみる。

 個人の札と違って番号の書いていないものだった。


「イェーイ!」


 ジケとライナスはハイタッチする。

 一応ちゃんと取れるように隠してあることが分かった。


「おいっ!」


「あっ?」


 札をゲットして喜んでいると、ジケとライナスの前に五人の子供達が現れた。

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