心の支え
男ってのはどうしようもないね
まっ俺も中身は男だから、浮気する気持ちは分かるんだけどね
外見は女だからうまくいかないのよ
別にうらやましいんじゃないよ。妬んだりもしないよ。ただね
理不尽じゃない絶対理不尽だよね
いっそ前世の記憶とかいらないよね
あるからややこしくなるよね
葛藤しても好転することもなく、日々過ごしちゃうよね
「市、町にいくぞぉ!」
信長が遊びに行くので、ついて来いとばかりに呼びにきた
かなり不機嫌だ
浮気をお濃さんに言わない事を条件に、遊びに行く時には俺も連れて行くように約束したからだ
ただ俺は知っている、吉乃さんの所に行く時には俺を呼びにこない
まっ行く時間が夜なのというのがあるのだろうがバレバレですぜ
もうお濃さんにはばれてるな、女子力をなめてるとしかいい様がない
それに信長は知らないのだろうね、俺が吉乃さんとも仲良くしていることぉ
吉乃さん、ほんわかタイプのおねえさんって感じなのよね
「のぶちゃん、あんまりいじめないであげてね。ああ見えて小心者なのよぉ」
っていわれてるんだよぉ、本当に第六天魔王なのかよって思っちゃうよ
「兄様、今日はどの町に行くんですか?」
呼びにきた信長の前でそう言うと
「津島に行く、ここ尾張の生命線だ」
たしかに織田家が得る収入の半分近くは津島だったはず、こことられたら終わっちゃうね
農業も盛んではあるけど、商人の商いはすさまじいものがある
「火縄銃ですか?」
信長が俺を鋭い視線で睨む、どうやら当たりの様だ
「なぜそうおもった」
試してるのか信長、負けないぞ
「兄様の名古屋城にある火縄銃の数が足らないんでしょ?」
信長は少し考えてから話し出す
「今の名古屋城には300丁の火縄があるぞ。それは他の城に比べたら多いほうだ」
俺に目を合わせないように信長は否定する
「だから兄様の考えてる火縄銃の運用方法には全然足らないんでしょ」
「何故そう思う?」
信長が今度は俺の目を見ながら話した
「尾張の兵は弱いから!」
「何故弱いと考える?」
「豊かだから!少しの苦労や苦しみで逃げ出す。苦労して苦しんでないだから、いざという時にふんばれない。三河や甲斐の兵は常に苦労や苦しい状況が多いし、味わってる。だから強い」
「・・・・・・・」
信長は何も答えない。しかし目は先に進めろと語っているように感じた
「だから敵と目の前で戦う前に火縄銃で殲滅したいと思ってる。ちがう?」
俺はまるで答え合わせをしているかのように信長を見る
「お前が生まれた時に俺は女子でよかったと思った。男であれば肉親であっても争わねばならないことになる場合もあるからだ」
雲行きが怪しくなった空を仰ぐように見つめる信長
「それは信勝兄上のこと?」
ぎょっとした目で俺を見る信長、その目には不安と疑念が混ざっているようなそんな目だった
「なぜそうおもう?」
「兄様の考えは多分誰も分からないと思うよ。私以外は、だからかな」
そういうと信長は空を見上げながら呟く
「是非もなし・・・」
下から信長の顔を見上げた俺は信長の頬を伝う光が見えた




