一章登場人物紹介

◆◇◆　登場人物紹介　◆◇◆

―はじまりの村―

・ニーノ（男性/２６歳/錬成術士/汎人種）

黒髪黒目で地味な顔立ち。痩せ型の体型で、身長は一般男性よりやや大きい程度。

あまり物怖じしない性格だが、基本的に目立つことは好まない。

滅びの月を目にして、前世の記憶が覚醒した。

万能に近い錬成術を会得しており、地下迷宮に避難所を作ろうと画策している。

・パウラ・アルヴァレス（女性/２４歳/魔物使い/魔人種）

大きな赤みを帯びた瞳と蠱惑的な唇を持った赤髪の美しい女性。

褐色の肌と黒い尻尾は魔人種の証である。体型はグラマラスの一言。

少しおっとりとした話し方だが、他人の心を見抜く鋭い目を持つ。

ドゥンケルハイト魔導帝国の有力貴族の娘で、魔力の高い男性を好む。

・ヨル（♀/一歳未満/従魔/種族不明）

パウラの家が秘蔵していた魔物の卵から生まれた謎の魔物。

全身はふわふわの獣毛に覆われているが、顔の部分だけはなぜか人と同じである。

大きな三角形の獣耳を持つ。身長は三歳児ほど。

・クウ（♂/一歳未満/従魔/種族不明)

ヨルと同じく卵から生まれた魔物。双子であるがこちらは弟であるらしい。

姉と違って体を覆うのは羽毛であり、空を飛ぶこともできる。

首の周りはふわりと羽毛が盛り上がっている。身長は姉と同じほど。

・ディルク（男性/５１歳/治癒術士/鬼人種）

辺境の開拓村の村長を務める男性。背が高く麦わら帽子が似合う渋い外見。

性格は実直で粘り強い。額から角が一本生えており、光の加護を授かっている。

・カリーナ（女性/４９歳/治癒術士/鬼人種）

村長の妻で背筋がピンと伸びた女性。

同じく額に角を持つが治癒術士の経験はあまりない。

落ち着いた性格で、村の女衆のまとめ役でもある。裁縫の腕も村一番。

・ウーテ（女性/４４歳/汎人種）

村で唯一の酒場、明日の酒樽亭の女主人。

どっしりと横に太い体型だが性格も同様。

夫を早くに亡くし、女手一つで一人娘を育てた。村人のよき相談役。

・ハンス（男性/３６歳/魔術士・剣士/汎人種）

王都と村を繋ぐ行商人。商人にあまり向かない人当たりのいい性格。

中肉中背で目立たない平凡な外見のため、口ひげを生やしてみた。

が、やはり目立たない。

ウーテとは一回り離れた姉弟であるが、似てなさ過ぎてたいてい驚かれる。

・ミア（女性/１７歳/魔術士/汎人種）

明日の酒樽亭の看板娘。明るい性格で誰とでもすぐに打ち開ける。

金髪巻毛で豊満な体付きの美人だが、本人にあまり自覚はなく都会に憧れる少女。

・ヘイモ（男性/２４歳/戦士/獣人種）

村で鍛冶屋を営む男性。小さな熊耳を生やした髭もじゃな見た目。

すんぐりした体つきだが、肉厚でがっしりしている。

怒りっぽいがすぐに忘れる性格。

故郷であるフラム首長国から離れ、神聖ヴィルニア王国に修行としてやってきた。

・オイゲン（男性/６５歳/汎人種）

長い白ひげを生やした禿頭の老人で、基本的に酒場に入り浸っている。

この西部の事情に詳しく何でもよく知っている酔っ払い。

適当な言動も多いが、たまに鋭い一言を放つので侮れない。

―王都リヒト―

・ヴァルトルーデ（女性/４２歳/鬼人種）

神聖ヴィルニア王国を統べる女王。光り輝く金髪と同じく眩しき金色の瞳。

王家の証たる三本の巻角を持つ。穏健派であり多種族との融和政策を取ってきた。

・アルマ（女性/１７歳/鬼人種）

女王の娘の一人。母親譲りの美貌を持つおっとりとした少女。母と同じく三本角。

百年に一度の神送りの儀で姫巫女を務めるはずであったが、船が難破して行方知れずに。

・ジークムント（男性/４１歳/鬼人種）

龍槍聖騎士団の団長を務める双曲角の美形の剣士。

子持ちとは思えない優雅な佇まいの持ち主。

王国一の剣と槍の才能を誇り、浄化術も随一の使い手。娘にはやや甘い。

・ローザリンデ（女性/１９歳/鬼人種）

ジークムントの一人娘であり、姫巫女の護衛を担当する巫女守の騎士。

スラリとした引き締まった体躯を持ち、襟元でストレートの髪を切り揃えた美人。

現在は護衛対象ともども行方不明。

・ニクラウス（男性/６６歳/鬼人種）

神聖光明教の大司教。一見、白い髭を蓄えた柔和な老人。

頭部の髪はなく双本曲角が長く伸びている。だが司祭帽の下には……。

王家を憎み、その影響力を奪おうと密かに画策している。

・バルナバス（男性/５０歳/錬成術士/鬼人種）

平民出の王立錬成工房の工房長。現場上がりのため錬成の腕は文句なしの一流。

片眼鏡をかけ整った口ひげを生やしている。

口調は穏やかで、部下の面倒見もいいと評判である。頭部は薄いが。

・アルノルト（男性/２３歳/錬成術士/鬼人種）

王立錬成工房所属の腕のいい錬成術士。

見た目は爽やかで白い歯が眩しいハンサムガイ。

ただし根っからの差別主義者で鬼人種至上主義者。

ニーノを追い出した要因でもある。

・エンニ（女性/２７歳/獣人種）

ニーノの元下宿先の女将。狐耳が愛らしい茶髪をまとめた女性。

しっかり者で頼れる頼れる姉的な存在。九歳の娘と七歳と五歳の息子がいる。

・オッリ（男性/２９歳/獣人種）

下宿先の一階にある金熊亭の料理人。ニーノとは同じ孤児院出身。

大柄な熊を思わせる体格だが、丸みを帯びた獣耳が意外と可愛い。

朴訥な人柄だが、いざとなれば他人のために怒れる男。料理の腕は確か。

・レオカディオ・アルヴァレス（男性/４１歳/魔人種）

王都で手広く商売をする魔人種の男性。パウラの叔父であり元帝国貴族。

外見は若々しく息を呑むような美中年。ただし最近腰を痛めて杖が手放せない。