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【コミカライズ】夫に愛されなかった公爵夫人の離婚調停  作者: りょうと かえ
4-1 宵闇に踊る

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257/308

257.続く挨拶

 会場にはまだまだ空きスペースがあったが、段々と人が多くなってくる。


 王宮の大広間は3500平米以上、容易に遠くを見通せないほど広い。


 そして大広間にはいくつもの入り口があり、そこから人が入場してくるわけだが……。


 ブルースの目が一瞬、別の入り口へと走る。


 そしてロダンたちへと視線を戻すと、ブルースはワイングラスを軽く持ち上げた。


「おっと、次の挨拶がある。これにて失礼。どうかこの会を楽しんで欲しい」


 どうやら次に挨拶すべき人を発見したようだ。

 眼鏡をかけているから視力は良くないと思うのだが、なんと遠くまで目が届くことか。


 ブルースが離れてから、エミリアはロダンと顔を見合わせる。


「……とりあえず問題なかった?」

「うむ……大丈夫だろう」


 ふぅ、とエミリアは肩の力を抜いた。


 さすがに一人目から王族たるブルースで、ちょっと緊張した。


 逆に言えばもっとも気を付けなければならない挨拶は終わったわけだが。


「フォードも大丈夫?」

「うん。格好良い人だったね」


 髪のメッシュや眼鏡など、ブルースはお洒落である。


 なのでそちらのほうが印象に残ったみたいだった。


 ブルースが離れてから、また別の人が近寄ってくるのが見える。


 ロダンがこそっとエミリアへ耳打ちした。


「さて、ここから挨拶続きだ。頼むぞ」

「問題ないわよ」


 ロダンの顔はいつも通り、綺麗で完璧なまま。


 でもわずかに……多分エミリアしか感じられない程度に面倒がっているのがわかる。


(んふふ……)


 そのことに少し優越感を覚えつつ、エミリアも淑女の顔を作り、挨拶を交わしていく。





 ということで、怒涛の挨拶だった。


 挨拶、挨拶、挨拶……。


 これはとある老貴族から。

 弱めだが魔力を感じる老紳士だ。


 なので――。


「あなたが他国人で初めてイセルナーレ魔術ギルドに登録された魔術師でございますか。なんと、噂は聞いておりましたが……」

「いえいえ、イセルナーレのルーン技術のレベルの高さに、毎日悲鳴を上げておりまして」


 予想通り、ロダンへの挨拶はあまり多くなかった。


 というのもロダンは社交界には出ないが、日中の騎士の任務は普通にこなしている。


 さらに、このレベルの会に呼ばれる人間はロダンと面識ある人がほとんどだ。


(まぁ、王家より古いカーリック家の伯爵だものね)


 必然、挨拶に来る方々の視線はエミリアに集まってきていた。


 この会は元々、定期に行われていたのがアンドリアでの騒乱、その功労者を祝うためのものにもなったと聞く。


 なので他国人はほぼいない。


 ウォリス人はもしかしたら、エミリアとフォードだけかもしれない。


 次のご婦人は鉄道関係に出資されているという子爵様であった。

 なので話題はエミリアの手掛けてきた仕事のことに……。


「最近、レールのルーンが中々……でもエミリア様が来られてから順調だとお聞きしております。ぜひ今後とも、お力添えを」

「こちらこそ、日々お世話になっております。まだまだ未熟な身ではございますが……」


 受け答えをしながら、エミリアは誇らしい気持ちになっていた。


 イセルナーレ魔術ギルドの名前を通じて、エミリアのことを知っている人間がかなり多いのだ。


 人が少し途切れてから、ロダンへ声をかける。


「仕事で認められてるってのは、気持ちいいものね」

「これも君の努力のおかげだ。もっと誇っていい」

「……そうね」


 元夫に放り出された時は、こうして多くの人に知られるとは思っていなかった。


 明日さえもどう生きるか考え込んでいたくらいなのに。


 それが今や――フォードと手を繋ぎ、世界有数の大国の宮殿で堂々としていられる。


 本当に悪くない気分だ。

現在でもめちゃくちゃデカいホテルの大広間で3000〜4000人が入ります。

本当に大きいのです。


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