47 宰相のその後
「良いのかな?お前が知らない、とっておきの情報を知っているんだけどな~、例のメロロ王国の宰相に関しての情報なんだけど。でも、俺は普段からニートなんだからそんな情報、公爵様ならとっくに知っていますよね~。」
「くっ、卑怯な!」
なんと普段は全く仕事をしない国王も、実は少しだけ仕事をしていたのだ。流石にミラナリアと面識のある宰相の話だと言われると公爵もむげにはできない。
「関係があることなら早く話してください。」
「ん?その態度は何かな~?」
公爵は国王にもったいぶっていないで話すように告げるが、先ほどまでバカにされていたのだ。国王だってタダで情報を渡しはしない。しかし、そんな態度を見せた途端に公爵の顔は一段と厳しくなる。こうして国王は流石に今回ばかりは潔く、身を引こうと考えるのであった。
「んん、まぁ、今回ばかりは公爵も頑張ったからということで例の宰相の話をしようか。例の宰相に関してだが、どうやらモコン国で生き延びていたようだ。そこにいる貴族の伝手をたより、今は生活をしているという報告を受けた。
どうやら、あいつは仕える人間が悪かっただけのようでな。その世話になっている貴族の元でなかなかの実力を発揮しているみたいだ。今まで、あのバカみたいな国王に仕えていたから力を発揮できなかったが今、世話になっている貴族は良い上司みたいでな。
恐らく、あの宰相が何かしてくるということはもうないだろう。報告を聞いたところ、今は前以上にキラキラした目で仕事をしているらしいからな。」
そんな国王の報告を聞き、ミラナリアは不審げな目を向けている。
「本当ですか?あの宰相が、そんな風になるなんて信じられないですね。何かの間違いじゃないですか?人はそう簡単に変わらないですよ。」
「まぁ、そう思うのは仕方ないかもしれないが、俺だって何回も確認したんだぞ。だが、どれだけ確認しても結果は変わらない。だから、今のところは問題ないと考えている。」
「なるほど、そう言うことなら問題ありませんね。いつもは仕事をしない陛下にしては珍しく仕事をなされましたね。」
「おい!なんだよ、せっかく有益な情報を教えてやったのに。」
珍しく国王が仕事をしたのにそれに関して全く褒めてくれない公爵に対して国王は抗議している。しかし、それは彼の日ごろの行いが招いた結果なのかもしれない。
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