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17 いざ甘やかし!+掲示板

本日四回目の更新です!


 マーサが目を開けると、そこはアルディの私室だった。

 部屋の真ん中に立っていて、アルディが駆け寄った。


「ここは……」


「おおマーサ。よく帰ったのである」


「アルディちゃん! ただいま!」


「友人はどうだった? その、生きておったか?」


「え、うん、生きてはいたよ。メルドさんに殺されてるかもしれないけど……」


「メルドに? それは一体どういうことであるか……?」


 マーサはスターレの街で起きた事を説明した。

 メルドが何かの手違いでマーサの友人を殺してしまったのではないかと、ほんの少し不安だったアルディは安堵した。


「それならばメルドに任せておけば心配はいらぬ。諸共皆殺しにしておいてくれる筈である」


「そっちの方が私は心配になるんだけど……?」


 とはいえ、マーサもそこまでは心配していなかった。

 何せここはゲームの世界。

 プレイヤーというのは死んでナンボなのである。

 その辺りはメリアから聞かされていたので、特に罪悪感等は無い。

 大事な装備を奪い取ろうとしたメリアを友達と思えない程度のことだ。


「それでは吾輩が、良いところに案内してやろう」


「うん!」


(良いところってどこだろう、楽しみだな!)


 アルディはマーサの手を引いて歩き出す。

 マーサの方も、笑顔でついて歩く。

 その瞬間には先程まで抱えていたモヤモヤも消え失せていた。


 二人がやって来たのは、城から徒歩十分程度の場所だった。

 そこには川が流れている。


「着いたぞ。ここは魔界でも有数のスポット、サンズー川だ」


「川……?」


 幅は五メートル程。

 赤黒くてドロドロしたものが流れている。

 ボコボコと気泡が沸いては消える。

 時折何かの顔のような形になり、うめき声をあげた。


「川であるな」


「川……」


「どうだ、少しは気も晴れたか?」


「あはは、もうすっかり元気になったよ!」


(私の事励まそうとしてくれてるのがよく分かる。嬉しいな……!)


 魔界の空は赤黒く発光する雲に覆われ、常に薄暗い。

 川も瘴気と怨念を振りまく呪いの塊である。

 しかし、マーサの心は晴れやかだった。


「そうであるか。ではまた散歩でもしながら戻ろう」


「うん! 今度はお弁当でも持って来ようね」


「うむ、それも良いのである!」


 アルディは再びマーサの手を取った。

 マーサもご機嫌で歩き出す。

 アルディの気持ちはしっかりとマーサに伝わっていた。


「アルディ様、執務が進んでいないようですがどうしたんですか?」


「あいや、その、マーサのことが心配で何も手が付かず……」


「私達にお任せ下さいと言ったではないですか。まさか念波が届くまでずっと待機しているなんて」


「だってマーサが心配だったのだから、仕方ないではないか!」


「だってじゃありません! アルディ様はアルディ様のお勤めをきちんと果たしてください! 遅れた分今日のマーサ様との食事の時間を削りますからね!」


「そんなぁ! 酷いのである! 悪魔!」


「私は魔神ですから」


 城に戻ったアルディはメルドに捕まり、仕事を放置していた件でお叱りを受けた。





391:名無しの冒険者

おいおいすげぇ美少女見つけた


392:名無しの冒険者

くわしく


393:名無しの冒険者

詳細を伝えよ。繰り返す。詳細を伝えよ


394:名無しの冒険者

スターレ西門付近で立ってた

なんかゴスロリ?みたいなドレス着ててすっげぇ可愛かった


395:名無しの冒険者

あ、それ俺も見た。何か不思議な髪色してたな。黒っぽいけど青っぽいような、多分濃い紫。あと金のメッシュが何本か入ってた。


396:名無しの冒険者

ゴスロリ? なにそれ俺も見たい


397:名無しの冒険者

よっしゃ西門集合な


398:名無しの冒険者

>>397

おっけ


399:名無しの冒険者

>>397

水臭えな、俺も混ぜろよ


400:名無しの冒険者

その子ならさっき友達っぽいのと移動してったぞ


401:名無しの冒険者

こちらスネーク。対象は少し離れた「ピジョンの酒場」へ入った。


402:名無しの冒険者

了解した。今すぐ現場へ向かう


403:名無しの冒険者

>>401

何やってんだwwww


404:名無しの冒険者

これは行くしかない


405:名無しの冒険者

ストーカーは程々にな

通報されるぞ


406:名無しの冒険者

ドレスかー、私もそんな可愛いの着たいー!


407:名無しの冒険者

まだ復興イベント中だからな。装備作成機能が充実するのは来週くらいか?


408:名無しの冒険者

じゃあその美少女とやらはどこからそんな装備を?


409:名無しの冒険者

レアドロップかもしれないな


410:名無しの冒険者

美少女には興味ないけど、装備は気になるから見に行こう

本当だぞ?俺が興味あるのは装備だけだからな!





754:名無しの冒険者

ひどい目にあった……


755:名無しの冒険者

いやあれは俺達も悪かった。あの子を信じてあげられなかったんだからな


756:名無しの冒険者

>>755

何かあったのか?


757:名無しの冒険者

もしかして、幹部降臨事件か?


758:名無しの冒険者

そうそうそれそれ


759:名無しの冒険者

おいなんだよそれ


760:名無しの冒険者

今やっと帰宅中なんだけど何があったんだ?


761:名無しの冒険者

ざっくりだけどまとめた


すげぇ装備を着た美少女が西門付近に出現

友人と酒場へ移動

美少女出て来るが、友人に装備泥棒と難癖をつけられる

言い返せない美少女に疑惑の目が集まる

クソ友人が勝ち誇ったところにNPC登場

NPCの正体は魔神王の部下。しかも幹部

美少女の装備は魔神王からのプレゼント。美少女の正体は魔神王のお嫁さん

幹部お怒りで取り巻き召喚

見てた奴全員死亡でデスペナ頂戴


762:名無しの冒険者

なげぇ


763:名無しの冒険者

合ってるけど長い


764:名無しの冒険者

クソが美少女の装備欲しさに泥棒と言いがかりをつける

美少女は魔神王のお嫁さんで装備も魔神王からのプレゼント

幹部マジギレ俺達ミナゴロシ


765:名無しの冒険者

おk理解したwwww


766:名無しの冒険者

なんだその面白イベントww


767:名無しの冒険者

言いがかり付けてた奴マジ戦犯だな


768:名無しの冒険者

結構な人数集まってたからかなり恨まれてるんじゃないか


769:名無しの冒険者

このゲームのデスペナ辛いからな。南無南無。


770:名無しの冒険者

準備が出来たら晒し上げてやるからな

震えて眠れクソめ



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― 新着の感想 ―
[一言] → プレイヤーというのは死んでナンボなのである。  その辺りはメリアから聞かされていた → このゲームのデスペナ辛いからな。南無南無。 ……この認識の違いが後々の悲劇を生むことになりそう。
[一言] 掲示板回が作品を追うごとに読みやすくなってる……
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