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013_ライセンス取得と後始末


■side:Io


 ふかふかすぎてやたらと尻の沈むソファーに腰掛け、俺はテーブルに出された緑茶と最中を見つめていた。


 それが来客用に用意されたものだと一目でわかる。


 緑茶……いや、紅茶もそうだろうが、その良し悪しは香りで分かるというものだ。まぁ、それが分かるだけ、多種のお茶を知らなくてはならないだろうが。もっとも、安いお茶でも淹れ方次第で美味しく飲めるのだから、問題無かろう。


 前々世、ばあ様がお茶に関してタダならぬこだわりをもっていて、俺も茶の入れ方に関しては散々仕込まれた。おかげで茶の淹れ方には自信があったんだが……。前世では振るう機会もなかったってのに、いまでもこうして覚えていたとは驚きだ。


 というか、ちゃんとした茶を飲んで薄れてた記憶がはっきりしたな。昔の記憶をしっかりさせるには、やっぱりこうした外的刺激が必要ってことか。


 せっかく日本に戻って来たんだから、色々と自分でやればもっと早く思いだせたのか。


 ペットボトルのお茶ばっかり飲んでないで、茶葉と急須を買ってきて自分で淹れればよかった。


 茶をすする。


 うん。美味い。


 急須と茶葉、そして湯飲みを買いにいくことを決意する。


 そして茶菓子として出されている最中。ふたつのうちひとつを手に取り、包みを剥がす。


 包み紙には白あんと書いてある。


 ふむ。もうひとつは? お、粒あんだ。やった。俺の好みはこしあんよりも粒あんだ。小豆の食感があるのが俺にとってはよいのだ。加えて、こしあんにはちょっと嫌な思い出があるからだ。まぁ、俺の不注意ではあったが。


 なに、ホカホカのあんまんにかぶりついて、口ん中を思いっきり火傷したんだよ。


 それが中坊の時。以来、あんまんは食べないことにしている。


 なんか、どうでもいい記憶が蘇ったな。……まぁ、いいか。


 手の最中をパクリとひと口。


 やべぇ。なんか味が懐かしすぎて涙がでそうだ。コンビニでジャンクな菓子ばっかり買わねぇで、ちゃんとしたの買って食おう。


 そんなしょうもないことを考えながら応接室出待つこと暫し、扉が開いた。


 慌ててソファーから立ち上がる。


 あー。なんかこの感じも懐かしいな。就職活動をしていた時以来だ。……まぁ、企業説明会の帰りにダンジョン生成災害に遭って、俺は死んだんだけどな。


 一通りの定型的な挨拶を済ませ、ソファーに腰を下ろす。


 うん。入ってきたふたりの微妙な戸惑った様子がちょっと面白い。


 まぁ、俺の酷い有様は配信で見ていただろうしな。まさかまともに礼儀正しく挨拶されるとは思わなかったんだろう。


 つーか、冒険者なんぞに礼儀なんてもんは無いからな。オーマじゃ酷い有様だったな。俺も良く絡まれたもんだ。


 入室してきた内のひとりは、ダンジョン管理部探索者支援課課長の勝野さん。もうひとりは職員の張戸さん。この張戸さんは俺とサラの専任担当とのことだ。


 ……完全に目をつけられた感じだなぁ。さっきの事のせいってよりも、設定の方が原因だろうな。


 裏皇家ってなんだよ。八咫烏の系譜って、ライラさんはなにを血迷ってそんなもんにしたんだよ。待ち時間に渡された資料を確認してて噴き出しそうになったぞ。


 八咫烏って都市伝説的な感じになってるけど、実在してるっていわれてる暗部 (?) 組織だぞ。そのオリジナルの家とか、マズいだろ。


 冷汗のでそうな気分でありながらも、相手方の謝罪を聞き、こっちも少々やりすぎたことを謝罪する。


 演習場、かなり傷んだからな。山常? 知るか。どーでもいい。きっと今頃大変なことになってるだろうし。


「こちら、探索者免許証となります。間違いがないか、ご確認ください」


 張戸女史がテーブル上のカードを差し出した。2枚。


「これ、本カードじゃないですか。よろしいのですか?」

「はい。問題ありません。先ほどの演習は確認しています。それにより、実戦試験は不要と判断しました」

「私に関しては問題ないとしても、サラに関しては?」

「あの演習を冷静に見ていることができた。それだけでその実力は知れます。問題ありません」

「とはいえ、対外的に厄介なことになるのでは? そちらにだけ面倒が行くのであれば構いませんが、こちらに絡んで来る輩がいましたら、容赦なく対処しますよ。先の演習と違い、ただの暴力事件ですから」


 あ、さすがに顔をを強張らせたな。まぁ、冒険者なんて、例え世界が変わったところで荒くれ者なのは変わんねーしな。


 ま、こっちの方が多少はマシだと思うが。


「まぁ、私がいかに戦闘狂のロクデナシとは言え、やたらめったら喧嘩する気はありませんよ。面倒臭い。なので、ライセンスを出しても当然という実績を示しましょう。

 JDEAでは魔物のドロップ品や魔獣素材、皮だの角だのの買取りを行っていますよね」

「え、えぇ。魔物素材は非常に有用なモノが多いですし、なにより各企業が色々と欲していますから」

「それじゃ、これを査定してください。即時、は無理だと思いますので、結果は後日で構いません」


 俺は持ってきていたキャリーバッグ (保冷機能付き) から、持ってきたものを取り出す。皮に歯、牙、あとは肝臓とバラ肉の5種だ。もちろん、肉の方はカチンコチンにならない程度に凍らせてある。この程度なら、組織も壊れたりしないから素材としては問題ないだろう。……バラ肉は食用だが。


 テーブルの上の湯飲みと茶菓子を脇に退けてもらい、そこに並べる。


「神令さん、これは?」


 明らかに驚いた様子で勝野さんが訊いてきた。


 そりゃそうか。皮と肉はともかく、歯はどうみてもデカいからな。


 俺は6歳児の容姿に似合わぬであろう、ニタリとした笑みを浮かべつつ、答えた。


「ドラゴンの素材です。販売用のサンプルとして持ってきました。これとは別に丸三頭分の納品を考えていますので、私の言が与太話の類などではなく事実であると、鑑定して確認の上ご検討くださいな」

「「えっ?」」


 ははは。驚いてる驚いてる。地球じゃまだ、魔獣型のドラゴンは発見されてないらしいからな。討伐後アイテムドロップして消える魔物型は見つかってるらしいが。多分、ワイバーンとかファイアドレークくらいしか見つかっていないんだろう。


「本日サンプルとしてもってきたバラ肉は20キロくらいありますから、一部を鑑定と査定に回して、残りは食べることをお薦めします。ドラゴンステーキなんて、冒険者の夢のひとつでしょ。

 これが本物のドラゴンと鑑定されたら、私たちの実力の証明となるのでは?」


 そういって、今度は普通の笑みを浮かべて見せた。



★ ☆ ★



■side:Sara


 懐にスマホをしまい、私はひとつ息をつきました。


 さすがにいきなりお願いしたのは問題でしたね。でもサハクィエルの名を冠すことになったハク姉さんなら大丈夫、と思ってしまうのはしかたないでしょう。


 どこからどうみても、ライラ姉さんよりも信頼できるのですから。


 そう云ったところ「……ずるい」と、地を這うような声を届けられましたが。確かに長々としたお説教を止めるために云ったわけですから、ズルくはありますね。でも嘘はありませんよ。ハク姉さんの方がライラ姉さんより上であるのは明らかです。


 とりあえずChの方には動画が上がっている筈です。登録者稼ぎのために、黒蒸気竜の解説的な動画をUPしましたが、本日、黒蒸気竜討伐のものが配信後にUPされたハズです。イオ姉さんが仕留めたモノと、私が仕留めたモノの2本。もちろん、道中の動画を含めて3本UPされていることでしょう。


 予定通り姉さんが黒蒸気竜のサンプルを提出するハズですから、動画、サンプル、双方により、その信憑性を確固とするものにできるでしょう。


 オーマの存在を匂わせることになりますが、【青】様より知られても構わないと許可を得ていますから問題ありません。というより、公開しておかないと“事故”の対処に問題がでそうですからね。転移罠はオーマと地球、可能性は低いとはいえ、世界を渡ることがありますから。姉さんが“破滅神の食場”へと転移した実例がそれを示していますしね。


 さて、動画の確認をしたいところですが、どうやらそれは後回しにせねばならなそうです。


 面倒ですが連中の相手をしましょうか。そのためにこうして単独行動をしているわけですしね。


 隠ぺいを解き、私は連中から見える場所へと移動します。


 ここは演習場の玄関ホールの端。もとよりほぼ人気の無い場所です。多少の騒ぎがあっても問題ないでしょう。あったとしても、記憶処理をしてしまえば問題ありません。目撃されたとしても、たかが数人でしょうしね。かかる手間はたかが知れるというものです。


 小宮間を中心に、山常と他ふたりの計4名。


 なんといいましょうか、いかにもガラが悪いと云えるような雰囲気で私の前に立ち塞がりました。


「ちょっと顔を貸してくれないかしら」

「何用です? 要件ならここで聞きますよ」


 やれやれ。封印(テープ)も貼らずに大剣を持ち歩くとか、違反行為もいいところではないですか。というか、あれでは違法となり兼ねませんよ。JDEAの敷地内といっても、ダンジョン区域ではないのですから。


 小宮間の後ろに立つ山常に、私は呆れた視線を向けます。


「落とし前はつけてもらうぞ」

「はい?」


 なにやら山常が訳の分からないことを云っていますね。


「俺の免許が取り消しになった」

「あぁ、これまでのことが露見したんですね。というよりも。見逃すなりなんなりすることができなくなった、というところでしょうか。あなたを利用していたのがどちらかは知りませんが、切り捨てられましたね」

「貴様らのせいだろうが!」

「不正をしているほうが悪いというものでしょうに。安心なさいな。私共はトカゲの尻尾切りで終わらせたりしませんので。あなたの元飼い主も終わりにしますよ」


 そう淀みなく答えてやると、4人は僅かに怯んだような様子を見せました。


 やれやれ。たかが言葉ひとつでこの有様とか。喧嘩を売るなら、相手を調べ、それに合わせた手を使うべきですよ。


 そっちは私たちの作り上げた情報を知ることが出来たはずです。なにせライラ姉さんが“神令”などという大層な目立つ設定を作り上げましたからね。その設定(素性)を知れば、手を出そうなどと思わなかったでしょう。


 出来うる限り雑事に振り回されないようにと。……色々と気を回し過ぎて、却っておかしなことになっていますが、まぁいいでしょう。そこがライラ姉さんのポンコツたる所以ですし、こういうところは。


「で、小宮間さん。あなたは何用です? そこの山常は丁度いいと雇っただけで、彼の飼い主とは直接の繋がりはないでしょう?」


 小宮間が睨んでいますね。


「まぁ、いまのところは謹慎処分あたりでしょうか。ですが解雇は確定でしょうね。今頃あなたの行状を精査していることでしょう。やっていることは詐欺ですからね。どうぞ逮捕されてくださいな」

「うるさい! おまえのせいだ!!」

「逆恨みも甚だしいですね」

「お前がさっさと金を出しとけば良かったんだ! 私たちはもう終わりよ!! だからあんたたちも道連れよ!」

「やれやれ また随分と品のないこと」

「だまれ!」

「自業自得でしょう。露見すればどうなるか、分かり切っていたでしょう? そもそも、私たちに集ろうとしなければよかっただけの話ですよ」


 私は肩を竦めて見せます。すると山常が唾を床に吐き捨てました。


「ま、逆恨みだろうがなんだろうがどうでもいい。俺はあんたを好きにできればいいんだ。買い手の伝手もあるしな」

「そうですか。では、まずは私をねじ伏せるだけの“力”があるのか、見せて頂くとしましょうか?」


 眼鏡をはずし、私は軽く握った右手の甲を右の目に当てます。


 その右目を覆い隠すかのように。


 その動作に、小宮間たちは怪訝な顔をしました。


 ゆっくりと右手を開く。


 彼女たちは見るはず。


 私の掌に、我が手を透過して映る【邪眼】を。


 せっかくです。皆さんを招待してあげましょう。


 浅深度かつ小規模でありながら、高難易度であるイレギュラーなダンジョンへ。


 【黒】様が調整のために使っているあの場所へ。



★ ☆ ★



■3rd Person


 世界が一変し、彼女たちは目を瞬いた。


 あの腹立たしい女。その目を覆うように掲げた掌に見えたモノは、気味の悪い目。掌の中央を裂くように開かれた目。


 それを見た途端に視界が真っ黒に塗りつぶされ、気がつくとここに立っていた。


 ブラウン系の2色のタイルによるチェック模様の床。壁と天井はベージュと非常に落ち着いたものだ。


 光源は不明だが、十分に周囲を確認できる明るさだ。小宮間は天井を見上げるが、アーチ型の天井には細かな装飾が施されている以外、光源と思しきものは見当たらない。


 幅は広めの通路。3メートル程の物。天井も高い。戦闘となっても、十分に戦えるだろう。


 彼女たちが立っている場所は袋小路の最奥。5人は周囲を見回すと、互いに顔を見合わせた。


「あの女はどこだ!?」

「それはよりここはどこだよ」

「光源不明な灯り。ダンジョンか? ここ」

「ダンジョンって……どうやって」


 山常たちの騒ぐ声に、小宮間は顔を引き攣らせた。


【Assault Mage】


 特攻魔術師。あるいは強襲魔術師。見たことも聞いたこともないクラス。いや、それどころか存在しないと思われていた“魔術師”というクラス。


 そして彼女たちが最後に見た神令サラの姿。右目を覆い、彼女たちに向けて開かれた掌に見えた気味の悪い目。


 それを思い出し小宮間はブルリと震えた。


 立ち上がり、あらためて周囲を見回す。どうやらここは袋小路の最奥のようだ。


 三方を囲む石積みの壁に、思わず彼女はため息をついた。






 ダンジョンと思しき場所を当てもなく進む。装備は武器のみ。それも女ひとりを闇討ちするつもりで準備したものだ。


 山常は先ほどまでイオと演習していたため、その背にはグレートソードを背負っているが、他のふたりはナイフ程度しか身に着けていない。小宮間に関しては未登録のオートマティック拳銃が1挺あるだけ。しかも予備弾倉もなし。装填されている15発の弾丸だけでは心もとない。


 4人は得体のしれないダンジョンを警戒しながら進んでいたが、それもすぐに解かれた。


 なにしろ現われるモンスターが、ほぼ戦闘能力のない毛玉と禿げネズミだけなのだ。


 倒すのに少々手間が掛かるが、脅威はないといっていい。ソロで多数を相手取る状況にでもないかぎり、なんの問題もない。


 ほぼ一本道の通路を進み、階段を降りる。


 そして3層ほど降りたところで、彼らは足を止めた。


 やたらと美麗な大扉が、階段を降り切った彼女たちの行方を塞いでいた。明らかにこれまでの様子の違いに、4人は示し合わせたように大きく息を吸い、吐き出した。


「ボス部屋、だよな」

「そうね。ここが通常通りのダンジョンなら、ボスを倒せば外への転移魔法陣が現われるハズだわ」

「ハッ! 雑魚ばっかりのダンジョンだ。ボスもたいしたことねーだろ。行くぞ」


 山常が扉に手を触れ扉を開く。


 ボス部屋は特殊だ。扉は、入室の意志さえあれば、触れるだけで勝手に開く。外開きの扉だ。


 外開きの扉は4人の左右を塞ぐように開き、階段にまで達した。


 部屋と、この扉の幅の範囲内がボス部屋となり、乱入はできても逃亡は不能となる。


 彼女たち4人は、一様に顔を引き攣らせ、足を震わせていた。


 正面に見える小山のような黒い物体。蝙蝠ような翼をもつ首の長い四つ足の化け物。


 眠っていたであろうそれが瞼を開き、金色の爬虫類特有の眼が小宮間たちをしっかりと見据えた。


 そしてゆっくりと身を起こし――吼えた。






 気がつくとここに立っていた。


 ブラウン系の2色のタイルによるチェック模様の床。壁と天井はベージュと非常に落ち着いたものだ。


 背後には壁。正面には下り階段。そしてその先にみえる巨大な美麗な扉。


 酸性の蒸気ブレスにより無様に殺されたハズの小宮間たち4人は、なぜかまたボス部屋の前に立っていた。



★ ☆ ★



■Side:Sara


 やれやれ。見てくれに振り回されるだけだなんて、本当に無様な連中ですね。黒蒸気竜は姉さんが藁束代わりにしているモンスターですよ。姉さんにとっては、ちょっとばかり強いだけの雑魚モンスターに過ぎません。


 強さで云えば“姉さん>黒蒸気竜”です。だというのに、姉さんよりも黒蒸気竜の方が怖いとは……。


 目の前にひっくり返っている4人の姿に、呆れるしかありません。


 【邪眼】を使っての幻術……のようなもの。昨今の近未来小説などで取り上げられているフルダイブ型VRゲームのような状態に放り込んだわけですが、まさかただ逃げ惑うだけで一切戦うことなく蹂躙されるだけとは。


 ……どうしましょうね、これ。一応、映像データを撮ってはいるのですが、さすがにこれをUPするのは、なにかしらの規約に引っ掛かりそうです。


 仕方ありません。せめて多少なりとも抵抗する行動をするまで、周回させるとしましょうか。


 3階層も降りさせるのも時間の無駄ですし、ボス部屋への階段手前からリスタートです。通路も塞いでおけば完璧ですね。


 そうして3周させたあたりで、ようやく彼女たちは黒蒸気竜に攻撃を始めました。もっともその戦い方は、なかば錯乱したやけっぱちな戦い方ですけど。


 うーん……これは酷い。姉さんよりずっと弱いんですけどねぇ、このドラゴン。姉さんに対してあれだけ強気であったのに、この体たらくはなんなんでしょうね? まさかと思いますが、相手の力量を見抜くことすらできないとかありませんよね? 格を感じるくらい誰でもできることですよ?


 と、殺されて終了では困りますね。この映像はChにUPする予定ですから。もう一周させましょう。


 4周目では彼女たちを助ける存在を出さなくては。と、一応、3周目の記憶は消しておきましょう。初反抗の初々しさのない動画は戴けませんからね。


 さて、今後、私たちと同じくダンジョンコアの挿げ替えを任務とする姉をひとりを出演させるとしましょう。


 サマエル姉さんとゼルエル姉さん、どちらに出演してもらいましょうか。


 すっかり床を汚した4人を見下ろしながら、私は僅かながらに悩んだのです。


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