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自分から追放された元貴族令嬢ですが許せないので見返します  作者: 創造執筆者
六章 ビオミカ男爵領
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93 視察

クレハは先日の一件で正式にコーカリアス王国の貴族の仲間入りとなった。貴族となったことで新たに領地を手に入れたため、視察の一環としてとある街にルークと二人で訪れていた。


ここで、クレハに与えられた領地の説明をしておこう。領地は旧アルタル王国の領土であり、かなり人口の多い街一つとその周辺の村々である。王妃からの全面的な信用の元、この領地の統治を任されている。


とはいっても、ここまでの領地を一人で治めることなどできない。基本的には王都から派遣された文官が実務を行い、クレハはその最終決定を行う。


しかし、今はアルタル王国の領土をすべて手に入れたため、コーカリアス王国の文官がかなり足りていないのも事実であった。そこで、クレハはアルタル王国の人材を登用しようと考えていた。


もともとアルタル王国民であるならば、彼らの文化や風習などを理解しており、外から来た人間には分からないことであっても助けになってくれるであろう。


クレハは新たな領主に関する連絡がもたらされる前に自らの領土を訪れることによって、飾らない自然な状態の街の現状を知ろうとした。




「オーナー、もうすぐアルケーに着きますね」


「ええ、どんな街か楽しみです。見たことがない食べ物とかもあるかもしれません。料理の発想が広がりますね」


「オーナー!新しい食べ物がひらめいたら、最初は僕に食べさせてくださいね!」


「その時はルークに試食を頼みますわ。ですが、しばらくは領地の経営に力を入れますから、すぐには無理かもしれませんね。ときどき、息抜きに考えてみてもいいかもしれません」


ルークの言うアルケーとはクレハの領地にある唯一の街の名前である。二人は馬車に乗り、アルケーへと向かっていた。あと数十分ほどすれば街に到着する予定だ。




「ルーク!あれじゃないですか?」


二人の目の前には砦のように街を大きく囲んだ巨大な壁が見えてきた。いかに貧しいアルタル王国と言え、街の防衛には手を抜かなかったのだろう。クレハが予想していたものよりもずっと大きな街だった。


「きっとそうですよ!すごい高い壁ですね!ピトリスなんかと比べ物にならないです。」


「それはおそらく、街の目的が違うからですよ。」


「街の目的ですか?」


ルークはクレハの言うことがイマイチ分かっていないようなので、クレハは微笑みながら説明を始める。


「ここは敵の侵入を防ぐための役割を果たしていたのではないでしょうか?壁の外側には堀もありますし、戦争を想定して作られた作りだと思います。対して、ピトリスは主に貿易を行うための街ですので、ここまで高い壁は必要ないのですよ。」


「へーっ、そんな違いがあるんですね。でも、それなら街を発展するためには不便じゃないですか?簡単に土地を広げることもできませんよ」


「確かにそうですが、それをするには莫大なお金が必要ですから。そのためにもまず、何か主要産業を見つけないといけませんね。話に聞く限りでは農業くらいしかこの国には無いらしいですから。何とかして資金を創らないといけません」


ようやく二人はアルケーに到着する。ひとまずは視察の一環ということにして街の散策を始めるのだった。


このお話が面白ければ下の☆を5個★にしていただければ幸いです。

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