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45 王都への帰還

クレハとサラは王都からキュリスに訪れた時と同様、二日かけて王都へと帰還した。二人はすぐに王城へと向かい、王妃に面会を求める。本来であれば王妃に面会を求める場合、いくつもの手続きが必要であるが、今はサラがいるため、すぐに王妃の部屋へと通された。


王妃の部屋に入ると早速、サラは成果を報告する。


「王妃様、ただいま戻りました。塩が、苦くない塩ができました!こちらがその塩です。食べてみてください!」


王妃は早速サラから出された塩をひとなめする。本来であれば、苦く、えぐみのある塩だがサラから渡された塩はまろやかでキツイ塩気がなかった。


「できたのですね、美味しいです。普段食べている岩塩よりもまろやかでとてもおいしいです。クレハ、あなたには大きな借りができてしまいましたね。ありがとうございます」


王妃は目じりに涙を浮かべながら、クレハにお礼を言う。


「サラ、あなたはこの塩の製法を見ましたか?」


「はい、私も作り方は見せて頂きました。あれほど画期的な方法があるとは思いもしませんでした」


王妃はサラが塩の作り方を見ていると告げると、サラに対して厳命を下す。


「サラ、この塩の作り方はすべてクレハのものです。ここまでしてくれたクレハに対して私は王妃として、一人の人間として報いなければなりません。何があっても塩の製法を漏らしてはいけません。よいですね」


「かしこまりました、王妃様に誓い必ず秘密はお守りします」


サラの誓いを聞き届けると、次にクレハに向かいある提案をする。


「クレハ、今回の塩の製法ですが国全体に普及させるためにはある程度の生産量が必要です。そのためには複数の人間がこの製法に関わることになります。私の名に懸けて信用のある者たちしか製造に関わらせないのであなたの製法を教えてくれませんか?報酬として国がこの製法で製造した塩の売り上げの30%を永久に払い続けます。どうでしょうか?」


「もちろん問題ありません。もともと、製造方法はお伝えするためにキュリスに行くと決めていましたから。それに売り上げの30%を頂けるのであれば何の問題もありません。それよりも早く陛下に製法をお伝えください。私はこれにてピトリスの街へ帰らせていただきます」


「クレハ、本当にありがとうございます。もし何か困りごとがあれば私を頼って下さいね。あなたにはとても大きな借りがありますから」


クレハは王妃に許可を出し、製造方法を王妃に伝える。王妃はクレハに礼を告げ、王のもとに向かうのだった。


お読みいただきありがとうございます。

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