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自分から追放された元貴族令嬢ですが許せないので見返します  作者: 創造執筆者
十二章 商会紛争
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335 利益よりも売り上げ?

クレハの元に自身の店を任せている商人たちから帝国の商人たちが大規模な値下げに踏み切ったという連絡が来たのはそれからすぐのことだった。


正直、この連絡がクレハの元にやって来た際には思わず正気かと叫びたくなってしまうほどだった。一瞬、これは何かの陽動で別のことから目を背けさせたいのではないかと考えたほどだ。


しかしながら、どう考えても陽動とは考えられない。だからこそ、クレハは商人たちには基本的に何もしなくて良いという連絡をし、しばらく注意深く帝国の商人たちの様子をうかがうのであった。とある一点の要望を付け加えて。




「ドパスさん、客が戻って来たぜ!まだまだ全盛期には適わないがこの調子だとあいつらの店からすべての客を奪えそうだな。」


「まったく、てめぇは調子のいいやつだぜ。だが、今度こそ奴らを徹底的に潰すぞ。今は客寄せのために赤字状態なんだ。速く奴らを潰してこの損失を回収しないとやってられないぞ。」


ドパスたちは先日の集会で商品を安くするためには多少の赤字も致し方ないという結論に至っていた。だからこそ、彼らはとにかく安さで客寄せを行うために利益度外視で商売を行っているのだ。


競合の店がつぶれてしまえば後からいくらでも値上げを行って回収できると信じているから。


「分かっていますって、商品の安さを大々的に広めて客を呼びに呼んでやりますよ!」


確かに、この商人の言うように帝国の商人たちの店にもその安さにつられて客はちらほらと顔を出し始めていた。だが、住人たちは彼等の非道な行いを忘れたわけではないのだ。だからこそ、今の現状は事実上、客の集客が見込める限界であった。


しかしながら、そんな住人達とは異なり、彼らの店に積極的に買い物を行っている者たちが現れるのであった。彼らは店頭に置かれている商品を次々と購入していき、商会の売り上げを大きく増加させたのである。


「まいど、ありがとうございました。いや、最近はお客さんが来てくださって本当にありがたいですよ。」


「いえ、ここの商品は本当に安いですからね。今度からは利用させていただきますよ。」


商人は自分達の目論見など全く知らないと言ったように安さにつられて買い物に来た客を心の中で見下し笑みを浮かべている。もちろん、そんなことは一切客に悟られないように表情を作っているのだが。


そんな中、商人は目の前にいる客をどこかで見たことがあるような気がしたのだが一向に思い出すことができない。彼はそのまま深く考えることなく、他人の空似だろうと思考を停止させ、客を送り出すのだった。


しかし、これこそがクレハのとある一点の要望だったのである。それを知らずに思考を停止させた商人はここから地獄が始まったのである。


よろしければブックマーク登録や↓にある☆☆☆☆☆を★★★★★にしていただければ大変うれしく思います。


また、作者は他の作品も投稿していますので興味がある方はそちらもお願いいたします。

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