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自分から追放された元貴族令嬢ですが許せないので見返します  作者: 創造執筆者
十二章 商会紛争
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334 商売の基本

ここにはドパスの招集で集まった帝国の商人たちが彼に対し不満を垂れていた。


「それで、いったいどうするんだ?俺たちはあんたが手を組めば儲かるって言ったから言う通りにしたんだぞ。」


「今は状況が変わったんだ、そんなことを言ってないで打開する方法を考えればどうだ。」


案の定、この状況に陥る原因となったドパスに他の商人たちから非難が集中する。そんな時だった、彼らの中にとある提案をする者が現れたのは。


「ねぇ、それなら客を呼び戻せばいいんじゃないの?」


「はぁ、それができない状況だからみんなが困っているんじゃないか。そんな簡単に客が戻ればみんな苦労しないんだよ。」


商人の一人がとある提案を行ったがあまりの幼稚な考えにドパスはつい、悪態をついてしまう。しかしながら、それは彼女も同様だったのである。


「何ため息ついているの、あんたたち商人でしょ。商人なら普通に商売すればいいじゃない、商売の基本は他の店よりも安くよ。簡単じゃない、他の店に客が行くのならそれよりも安く商品を売ればいいだけじゃない。


売っている商品だって似たようなものだし、こっちが安く売って他の店に客を活かせないようにすればいつかは潰れるわよ。そうなれば後はこっちのものじゃない、今とおんなじ金額で商売をしてやればいいのよ。」


彼女の考えは簡単に言えば商品を安く売って他の商人たちの店に客を寄せ付けないということだった。一見単純な方法であるがこの考えに周囲の商人たちは予想外だったのか驚きを隠せないようだった。


「あぁ、確かにそう言われればそうだな。普通に商売をするならそれが一番だ。というか、いつもそうやっていたのに、どうしてそれを思いつかなかったのか。」


「えぇ、そうよ。商売の基本は間違いなくそれよ、みんな安いものを欲しがるんだから、客を呼び寄せるにはそれが一番ね。」


商人たちは彼女のアイデアを絶賛し、彼女をほめたたえたのであった。こうして商人たちは自分たちの店の商品の値段を下げることでクレハ商会に対抗しようとしたのであった。


しかしながら、彼らは商売において最も大切なことを忘れていたのだ。確かに商売の基本は安くていいものを提供することだろう。だが、それよりも大切なことは信用である。


少なくともその安さにひかれて彼らの店を訪れる住人たちはいるかもしれない。だが、大多数の住人は今まで彼らに足元を見られていたことを忘れるはずがないのだ。だからこそ、彼らは予想外の悪夢を見ることになるのである。


よろしければブックマーク登録や↓にある☆☆☆☆☆を★★★★★にしていただければ大変うれしく思います。


また、作者は他の作品も投稿していますので興味がある方はそちらもお願いいたします。

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― 新着の感想 ―
[一言] まぁ、かえってくる筈はないだろうねぇ。今まで足元見ていた金額だし。 これを見す越しての商人達の取り入れなんでしょうね。 更には、今まで秘匿されていた商品の方も、各商店で販売を始めれば、一…
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