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自分から追放された元貴族令嬢ですが許せないので見返します  作者: 創造執筆者
十章 エンポリー連邦
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252 甘い匂いの香辛料

王妃の依頼を受け、どのようなものを作ろうかとクレハが考えているとルークが重たそうに一つの樽を運んでくる。


「あら?ルーク、それはいったい何ですか?ずいぶんと重たそうですね。」


「もー、なに他人事みたいに言っているんですか!これはオーナーが向こうの大陸で買い取ってカレーにも使わなかった香辛料ですよ。まだ倉庫にはたくさんあるんですからね、これどうするんですか、カレーに使わなかったら使い道を知らないですよ。」


ルークが重たそうに持ってきていたのは以前、クレハ達が別の大陸にて香辛料を大量に買ったは良いものの、カレーにも使用せずにいつまで経っても残ったままのものだった。


「それっていったいなんでしたっけ?たくさん買いすぎて何を買ったのか忘れてしまいました。」


「もう、だから言ったじゃないですか、買いすぎだって。えっと、これはナツメグと呼ばれる香辛料ですね、匂いは甘いのでカレーには合わないと思って使っていないんです。」


ルークが運んできたものがナツメグと聞き、クレハは王妃の依頼のことを思い浮かべる。どうやら、クレハには目の前のナツメグを消費し、王妃の依頼も達成できるいいアイデアが思い浮かんだようだ。


「あぁ、ナツメグですか。そうです、それがあれば王妃様からの依頼も何とかなるかもしれません、あれが作れますよ!」


「あっ、もしかしてまた何か美味しいスイーツのレシピが思い浮かんだんですか!」


ルークはナツメグが甘い匂いを放っているためクレハが何か新しいスイーツでも思いついたのではないかと目を輝かせている。しかし、そんなルークがおかしく、クレハは笑い出してしまうのであった。


「ぷっ、ルーク、スイーツなんて作りませんよ。確かにナツメグは甘い匂いがしますけど味は苦いんですよ。それに香辛料でスイーツを作るってなんか変じゃないですか?あっ、でもお菓子とかには使われるんでしたっけ?」


「へ~ぇ、そうなんですね。匂いが甘いので砂糖みたいなものかと思っていたんですけど、これ苦いんですか?信じられないですね。スプーン一杯だけなめてみようかな。」


ルークは甘い香りを放っているナツメグが苦いと聞き、不思議に思ったため味見をしてみたいとどこかから取り出したスプーンに山盛りで一口食べようとしていた。


しかしながら、その瞬間、クレハはナツメグを大量に摂取することは危険だと言うことを思い出し、急いでルークの持つスプーンを叩き落とすのだった。


よろしければブックマーク登録や↓にある☆☆☆☆☆を★★★★★にしていただければ大変うれしく思います。


また、作者は他の作品も投稿していますので興味がある方はそちらもお願いいたします。

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― 新着の感想 ―
[一言] 大量の摂取で、幻覚作用を引き起こすものだから、少量ならば大丈夫。 信長のシェフで、マカロンに使われてはいたけど、一個か二個程度位ならば、大丈夫みたいです。 大量摂取が駄目なだけで、少量な…
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