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自分から追放された元貴族令嬢ですが許せないので見返します  作者: 創造執筆者
九章 リーシア教
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243 クレハの狙い

結果的に言うと放火を行った犯人はリーシア教の人間だった。兵士たちに捕らえられた人間は何かにとりつかれたように悪魔祓いだ、賞金は俺のものだと言い続けているそうだ。


尋問をさらに進めるとどうやらリーシア教ではクレハ商会に対して賞金のようなものがかけられているらしく、悪魔祓いと称して今回の犯行を行ったらしいのだ。


そんな報告を兵士から聞いたクレハはルークに命令していたことが無駄にならずに済んだとホッとするとともに、リーシア教への怒りをさらに深めるのであった。




クレハがルークに命じていた秘策とはクレハ商会の目の前にとある看板を出すことだった。


[お客様各位へ

平素よりクレハ商会を利用していただき誠にありがとうございます。さて、この度は先日の商会に対する放火の件を受け、無期限の休店をとることにいたしました。


今回の措置につきましては先日よりリーシア教と呼ばれる教団からの嫌がらせを受けており、今回の件でお客様や従業員の命にかかわる事件が発生する可能性が大きくなったためでございます。


誠に勝手ではございますがリーシア教の放火の危険性が無くなるまではクレハ商会およびクレハの宿も休店とさせていただきます。お客様には大変、ご不便をおかけして申し訳ありませんでした。]


放火は店の一部が焦げる程度であったため、店の再開を行うことは簡単だった。しかしながらクレハは今回、あえて店を再開しないという選択肢をとったのだ。


「オーナー、言われた通り商会の前に看板を立ててもらいましたけど本当にあれでよかったんですか?確かにリーシア教が悪いというのはお客様に伝わるかもしれませんがあんなものが何の役に立つというんですか?」


「何を言っているんですか、あれはものすごく有効だと思いますよ。今頃は向こうも焦っているのではないですか?」


「本当ですか?確かに帝国の中にもこの街まで来て買い物をしていくお客様もいないわけではないですがほとんどいないですよね。それならうちの商会で買い物を出来なくても誰も困らないからリーシア教も大した痛手ではないのではないと思うのですが・・・。」


ルークは帝国からこの街に買い物に来ている人間がリーシア教の騒ぎのせいで買い物ができなくなると知り、リーシア教に対して不満感を募らせることが今回のクレハの作戦だと考えていた。しかしながらそれではリーシア教に対して大した痛手にはならないため不思議に感じていたのだ。


「それは違いますよ、肝心なのは商会を休みにしたことではなく、クレハの宿の方を一緒に休みにしたことなんです。」


クレハの狙いは店舗を休店にすることではなく、店が放火されたという事実を利用し、クレハの宿を休みにすることだったのだ。クレハの宿はそのサービスの充実性やベッドのすばらしさから周辺国の貴族や大商人がコーカリアス王国を経由する際などにも使用されるほどだった。


それではそのような人間たちが楽しみにしていたベッドを堪能することが出来ず、その原因がリーシア教のせいだと知った際にはどのようなことになるのか?


そんなクレハの策略が芽を出し始めたのは兵士からの報告で事の顛末を知ってから一週間後のことだった。


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― 新着の感想 ―
[一言] それ以前の問題で、教会が王国の貴族に対して放火という重罪を行った事が問題だろう。
[一言] 間違いなくリーシア教が潰されるね。 国内じゃなく、国外(貴族や商人等)から圧力をかけ、潰しにかかるでしょうね! 軍務大臣も、これは想像していないだろうね。国外から圧力をかけられるなんて。…
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