表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
228/387

221 タルフ伯爵との取引

「それで、よろしければその醤油というものに関して聞かせていただけないでしょうか?」


タルフ伯爵は先ほどルークがコーヒーと誤解していた醤油というものが気になっていたようだ。彼はルークと反対にこのような黒い液体はコーヒーしか知らないため、そのような別の存在があるのが信じられなかった。


「もちろんです!その醤油は僕とオーナーの二人で開発した商品でどんな食べ物にもあう万能な調味料なんですよ。いろんな料理のバリエーションが広がってとっても人気な商品です!」


ルークは先ほどまではコーヒーを飲んだせいでひどい顔をしていたが醤油のことをタルフ伯爵から聞かれ、自信満々に説明を始めたのだった。


「ほう、それは面白そうな商品ですね。私は料理と言ったものには疎いのですが、このコーヒーのような真っ黒なものが調味料というのは大変興味深いですね。その醤油というのはこちらにも持ってこられているのですか?」


タルフ伯爵は醤油というものがあるのであればぜひ、味わってみたいと考え、クレハ達に尋ねるも今回の旅の目的は新しいものを発見して持って帰ることなのだ。


そのため、出来るだけ荷物は少なくしていたので醤油をそこまで持ってきているわけがなかった。せいぜいあったとしても船での食事に使うもの程度だろう。


「タルフ伯爵、申し訳ございません。今回はこちらで商品を捜すことが旅の目的でしたので私共が販売している商品は何も持ってこなかったんですよ。」


「そうか、確かにそう言う話であったな。それは非常に惜しいが仕方がないだろう。そうだ、実は私が国王陛下から任されている領地ではコーヒー豆を作らせているのだ。私はコーヒーには本当に目が無くてね。


それで、いつしか自分のこだわりぬいたコーヒー豆を作りたいと思って栽培に成功したのだが、そのコーヒー豆とその醤油というものの取引を行わないか?先ほどのクレハ殿の様子であれば気に入ってくれていたようだし、私もその醤油というものを食してみたいんだ。


これは取引しない手はないだろう!なに、初回はお試しということで気に入らなければやめればいいのだ。どうだろ、私もその醤油を試したことがないからこれからも定期的に取引を行うことは約束できないが、見解を広めるためにもぜひ、実物が欲しいと思ってね。お願いできないだろうか?」


「それは良い考えです!私としても喜んで引き受けたい取引ですよ。ルークもあれだけ美味しそうに飲んでいましたからね。きっと、気に入っているはずですよ。ねっ、ルーク!」


コーヒーの味を久しぶりに思い出したクレハはどうにかしてこれを手に入れることが出来ないのかと考えていた。コーヒーとは一度好きになってしまえばそれなしでは生きていくことが出来ない悪魔的な飲み物なのだ。


そんな飲み物が手に入ることに喜ぶとともに一瞬だけ嫌そうな顔をしたルークに対して再びいたずら心が沸いたのか、めいいっぱいの笑顔でルークに同意を求めるのであった。


「も、もちろんですよ。あれだけ美味しいコーヒー何ですから、たくさんいただきたいですよね。もちろん、僕も賛成ですよ。はっ、ははっ。・・・はぁ。」


「そうか、それではこれからはよろしく頼むぞ!」


一度強がってしまったせいで自分の本音を言えずに再びクレハにいたずらされてしまうルークであった。こうして、クレハ達は香辛料に引き続き、コーヒーという新たな商品を手に入れることに成功したのであった。


よろしければ高評価、ブックマーク登録をお願いいたします

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ