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198 香辛料の生産者

「それで、これからどうしますか?商会との取引は無くなってしまいましたから香辛料は買えないですよね?」


ヘーデュ商会のあまりの対応に怒りを覚えた二人が商会から出ていくとこれからどうするのかと相談を行っている。


「とりあえず、香辛料の生産を行っている人を捜しましょうか。こうなった以上、私達で香辛料の調達を行って貿易を行いましょう。別にヘーデュ商会が居なくても香辛料を手に入れることはできます。」


「分かりました、だったら、街の人たちに聞いてみます。もしかしたら知り合いのかたに香辛料を生産している人がいるかもしれないですからね。」


「分かりました、ではそちらはルークにお任せします。私はこちらの港を定期的に利用できるように関係者に話を通しておきます。」


こうして二人は自分の役割を果たすために仕事を全うするのであった。




「あっ、オーナー、こっちです。」


クレハが港の関係者と話を終え、無事に港が使えるようになるとルークを捜していた。そんなクレハの元にルークが走ってきて、声をかける。


「ルーク、ここにいましたか。こちらの話は無事に終わりました。そっちはどうですか?」


「はい、運良く生産者のかたを紹介していただけました。どうやら、その方はヘーデュ商会との取引を行っていないようなので、もしかすれば僕たちと取引を行ってくれるかもしれないらしいです。」


ルークが紹介された生産者とはなぜか、この街では取引を行っていない者はいないと言ってもいいヘーデュ商会と取引を行っていなかったのだ。


香辛料を取り扱っているのはヘーデュ商会のみであるため、香辛料を作っているにもかかわらず、この商会との取引がないというのは少し、不自然ではある。


そんなことを考えはするものの、それ以外には方法はないとクレハはルークに連れられ、香辛料の生産者の元に向かうのであった。




「あの、あなたが香辛料を生産されている方ですか?僕たちはあなたのことを紹介されてやってきたのですが。」


ルークが案内した場所は一軒のとてもきれいとは思えないような家だった。この大陸で需要が大量にある香辛料を生産しているとはとても思えない貧しさを醸し出している風貌だった。そんなことをクレハがひっそりと考えると、たまたま家から若い女性が出てきた。


その女性が紹介された人間だと考えたルークは声をかけたのだ。


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