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137 有能なセンサーは見逃しません!

クレハが王妃のためにプリンを作っている間、ルークはサラに新たな竜田揚げの食べ方を教えていた。


「サラさん、今回僕が教える竜田揚げの新しい食べ方はおろしポン酢です。」


「それは食欲のそそる響きですね!それで、いったいどのような味なのですか?」


サラはキラキラした目でルークのことを見つめている。今までサラに頼られていたのはクレハであったためルークにとって頼られることは新鮮なことだった。そのため、キラキラとした目をサラに向けられルークは得意げな顔をしていた。


「やっぱり、一番の特徴はさっぱりした味で食欲がそそりますね。」


「おぉ、ジューシーな竜田揚げも良いですがさっぱりした竜田揚げもいいですね~、ささっ、作り方を教えてください。」


「それでは、教えていきますね!まずはこの大根をすりおろします。そして、大切なタレです、サラさんも以前に食べたことのある醤油を使います。この醤油にレモンの果汁を入れるんです。これをポン酢というらしいですよ。あとは竜田揚げに大根おろしをかけてポン酢をかけ、刻んだネギを散らせば完成です。」


ルークが完成した竜田揚げをサラの目の前に差し出すと幸せそうな表情を浮かべ目を輝かせる。サラは早速おろしポン酢をつけて竜田揚げを食す。


「ほわわぁ、これはさっぱりしていて止まりません!どんどんいけますね、お代わりください!」


サラは料理を出された瞬間に平らげてしまう。流石の食欲にルークも大丈夫かと考えてしまう。


「サラさん、さすがに食べるのが速くないですか?あんまり早くに食べると体に悪いですよ?」


「そうなんですか?あまりに美味しかったので、これは失礼しました。次からはゆっくりと食べますね。」


サラはそう言うものの今までの出来事からルークは全く信用していなかった。そのため、サラのことを不審そうな目で見ているがそんな視線を気にするサラではない。その時、サラの動きが突然とまる。ルークはそんなサラを不審に思う。


「サラさん?いったいどうし。」


「はっ、スイーツが私を呼んでいます!スイーーツ!」


そう叫ぶとサラは瞬く間にかけて行ってしまった。サラが走り去った方向を確認したルークは最悪の事態を考える。


「まずい、サラさんが向かった方向は王城のほうだよ。もしかして、あぁマズイ!ちょっと待ってください、サラさーん。」


駆けだしたサラを追いかけてルークも走り出す。




クレハが調理したプリンがいよいよ王妃の元へと運び出される。王妃も待ちに待ったプリンに出会え、笑みを浮かべている。


「クレハ、これがプリンというものなのですね!」


「はい、スプーンで召し上がって下さい。とても美味しいスイーツですよ!」


「そうね、まずは一口食べてみましょう!頂きまー。」


「ズーッ、ズズーッ。ふはーっ、これ美味しいですね。甘々で止まりません、クレハ様お代わりください。とりあえず10個追加でください。あっ、これがお代わりですね、ウマウマ!」


王妃がようやくプリンを一口食べようとしたところ、勢いよく何者かが部屋に侵入し、王妃からプリンの皿を掻っ攫う。その人物はスプーンを使うことなく、プリンを吸い上げ平らげてしまった。そう、そこにいたのはルークに足止めをくらっていたはずのサラであった。


「サラさん、待ってください!って、あぁ~遅かったか。」


「あぁ、これは二重の意味で不味いかも、あの、王妃様、一応言っておきますけどまだプリンはありますからね。」


部屋にはサラを追いかけてきたルークがサラを止められなかったことに後悔しているがクレハはそれどころではない。当初の予定ではサラを太らせないためにサラを遠ざけるはずだった。


しかし、王妃の本心の叫びを聞いた今、こんなことになればどうなってしまうかは想像がつくだろう。クレハはこれから起こる事態に冷や汗が止まらなかった。


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私の新作「一年後、僕は君に愛していると伝えたい」もかなり考え込んだ作品ですので、ぜひご覧になって下さい!よろしくお願いいたします。

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