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自分から追放された元貴族令嬢ですが許せないので見返します  作者: 創造執筆者
六章 ビオミカ男爵領
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119 仕返しを考えるときってワクワクしますよね!

先日のクレハ商会での一件の騒動の報告を持ってきたのはドルクスであった。


「クレハ様、先日の男の件ですが、黒幕が分かりました。どうやら、例の伯爵家、カルティ伯爵家から命令されて今回の騒ぎを起こしたようです。


クレハ様の頭がおかしいという噂を立てて領内を衰退させようとしていたのでしょう。それによって紙の生産を中止させ、羊皮紙の売り上げを回復させる腹積もりだったのでしょう。


ですがクレハ商会の活躍の噂のほうが商人たちを通じて広がったため、前者の噂は期間が経つとともに無くなったようです。」


ドルクスにそこまで話されるとクレハも伯爵の意図に気づいたようだ。


「なるほど、自分たちで流した噂が広がらないからと強硬手段に出たということですね。商会で売り出している商品に毒が含まれているとなれば信用はガタ落ちですから。


しかも、その商会の会頭が領主であるならば領民たちからの信用は一気になくなるといったところでしょうか?」


今までは直接的な方法で妨害をしてこなかったカルティ伯爵家であるがいつまで経っても紙の製造の勢いが衰えないため、直接的な方法をとってきたようだ。


偽の噂を流す程度であればクレハも許容していたが、今回のような方法をとってくるようになれば許すわけにはいかない。行動がエスカレートしてきたため、このまま放置すれば取り返しのつかないことになるからだ。


そのうえ、ルークと共に開発した醤油を毒だと利用されて怒っているのだ。ただでさえ時間がかかる製品であるのに、開発するのにもかなりの労力を必要とした、これを利用されて怒らないわけがない。


今回はたまたま毒が入っていないことを証明できたからよかったものの、一歩間違えていればこの世界で醤油が禁止されていたかもしれないのだ。そんなことは絶対に許されない。醤油が有るか無いかで食の豊かさが全く異なるのだ。


先に手を出したのは伯爵だ。クレハは泣き寝入りなど絶対にしない、相手が伯爵だろうと容赦はしないのだ。降りかかる火の粉を払うためにどんな手を使おうか考えるのであった。


「ドルクスさん、先に手を出してきたのは向こうです。大義名分はこちらにありますよね、伯爵には後悔してもらわないといけませんね。」


クレハは暗い笑みを浮かべる。その笑みにドルクスでさえ、たじろぐほどだ。しかし、今回の騒ぎの黒幕の正体がカルティ伯爵であるという証拠は騒ぎを起こした男の証言だけだ。


伯爵からすればその男など捨て駒にすぎないため、そんな男は知らないと言われてしまえばそれで終わってしまう。そのため、ドルクスはどうやって伯爵たちに後悔してもらうのか想像できないでいた。


「クレハ様、伯爵が関わった証拠は例の男のみです。そのようなものは伯爵に対しては有効と思えません。いったいどのような方法をお取りになるのでしょうか?」


「さて、どうしてあげましょうかね。この感じ、なんだか久しぶりですね。こういうことを考えるのはワクワクします。我ながら良い性格をしていますね、ふふっ。」


普段は誰にも見せないクレハの黒い性格を垣間見たドルクスは改めて、クレハは貴族であり、領主であるということを再確認するのであった。


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