106 残念なメイドの末路
「サラさん、いったいどうしてそんな体に?確かに久しぶりにあったかもしれませんが、大した期間じゃないですよね?こんな短期間でどうしてここまで太ってしまったんですか?」
「ふっ、太った!う~っ、やっぱり私はデブですよね。どうせ私なんて、私なんて~。」
クレハはサラの見た目をそのまま表現したが、サラにはそれはショックだったようだ。涙を流しながら膝をつき、落ち込んでいる。
「あっ、ごめんなさい。違うんですよ、ついうっかり心の声が。」
「心の声!やっぱり私のこと太ってると思っているんですね。もう一生、人前に出れません~。」
クレハはサラを励まそうとしたが、うっかりとどめを刺してしまった。サラがさらに落ち込み、クレハはあたふたしてしまう。
「は~っ一生、人前に出ないで生きていくなんて無理よ。最近ずっとこの調子なのよ、私じゃあ手に負えないわ。クレハ、どうにかならないかしら?さすがに、こんな姿のサラを見ていられなくて。」
王妃も、サラの様子にはまいっていたのだろう。クレハにすがる思いで助けを求める。
「そもそも、どうしてこんなことになったんですか?今までは普通の体型だったじゃないですか。」
「それはね、竜田揚げのせいなの。」
「竜田揚げですか?はっ!もしかして。」
「そうなの。この子、調子に乗って竜田揚げの店を王都に開店してから毎日通っていたのよ。」
クレハはやはりと、ため息が自然と出てしまう。ただでさえ、カロリーが高い竜田揚げを毎日食べていれば今のサラのようになるのは当然だ。
「それはそうですよ、いくらなんでも竜田揚げをたくさん食べればこうなりますよ。」
「だって~、竜田揚げがおいしいんですよ。あの味が忘れられないんです。王宮で出される料理はどれも味気ないですし、私の舌は肥えてしまったんです!」
「それで体まで肥えてしまえば、ダメじゃないですか。食事量を減らせばいいんじゃないですか。」
クレハの言い分は至極全うである。しかし、サラにとって食事を減らすというのはこの世で一番の拷問である。クレハにしがみつき、顔をうずめる。その際にサラの涙や鼻水がクレハの服にベッタリとついてしまい、思わず顔をしかめる。
「いやです~、おねがいします。どうにかしてください、ご飯が食べられないのだけはいやなんですぅー。」
「うっ、ちょっと顔を擦り付けないでくださいよ。ちょっと!は・な・し・て下さい!」
しかし、サラがしがみつく力は予想以上に強く、クレハだけの力では引き離すことができない。いつまでも離れないため、王妃もクレハに手を貸し一緒に引き離す。
「サラ!あなたいい加減にしなさい!」
ようやくサラが観念し、クレハから引きはがされる。サラは先ほどと打って変わり、借りてきた猫のように静かになってしまった。
「私も食事抜きとかを料理人に命じてサラの食事を減らそうとしているのだけれど、いつの間にか食事を済ましているのよ。お腹が減ってるから食べてしまうと思うの。あなたならいくら食べても太らない食べ物とか知っていないかしら?
そんな魔法のような食べ物があれば、サラの体型も少しはましになると思うのだけれど。どうかしら?もう頼れるのはあなただけなの。」
「そう言われましても、そんな魔法のような食べ物は・・・・、ありますね。」
「へっ、あるんですか!えっ、あるの!」
予想外のクレハの返答に王妃でさえも驚いてしまう。その驚きといえば,うっかり口調が素に戻ってしまうくらいだ。先ほどまでは借りてきた猫のように静かにしていたサラでさえも顔を上げ、クレハを期待に満ちた表情で見つめている。
「とりあえず、いろいろ用意するものがありますから、それを用意してきます。豆と醤油、ネギにショウガあたりが必要になりますね。おっと、大切な材料を忘れていました。クレハの湯にもいく必要がありますね。」
クレハは必要な材料を王妃に伝え、小間使いの者たちに必要な材料を調達してもらうのであった。
王妃「サラそういえば最近あの悪魔に魂を売っていたけど成果はあったの?」
サラ「王妃様、もちろんですよ。私の魅力をもってすればあんな奴、コロッと落とせます。きっと、新しい料理が出れば一番に貢がれますよ!」
王妃「あなた泣きながら、さんざんお願いしていたじゃないの、とんだ手のひら返しね。」
サラ「何を言いますか、そもそもこのお話は私がいることによって読者の皆さんがついてくれているのですよ、いわば私の人気が要なのです。そんな私に食の一つも貢がないなんて、これだから食を極めていないものは困ります。┐(´∀`)┌ヤレヤレ」
作者「まぁ、確かに君のキャラは面白いって感想を頂いているけど、良いキャラは君以外にもいるしな~。というかさ、前から思ってたけど、食を極めるって何なの?確かに、君の性格をそんな風にしたのは僕だけどさ、ステータス極振りしてない?」
サラ「出ましたね、さぁ!私に新たな食べ物を、献上するのです!」
作者「仕方ないな~、君にはいつもお世話になっているから、特別にこれを進呈しよう。スイカだよ!これは果物の一種でね、僕の世界にしかない食べ物なんだ。皮を食べないで、中の赤い実と黒い種を食べるんだ。」
サラ「ふむふむ、それでは一口食べてみましょうか。・・・あま~い、美味しいじゃないですか、見直しましたよ、作者の癖にやるじゃないですか。」
王妃「ちょっと、サラ!あなただけズルいですよ、私にも食べさせてください。」
作者「あぁ、君は食べないほうが良いよ、この種を食べたら最後、おなかの中からスイカの芽が出て体を突き破ってしまうから。」
サラ・王妃「へっ?(゜∀゜)」
作者「だから、その中にある赤い実は食べてもいいんだけど、種は食べたらまずいんだって。」
サラ「あなた今、種も食べられるって。」
作者「あっれ~、そうだっけ?僕、悪魔でポンコツだからうっかりしてたよ~(・з・)」
サラ「だ、だましたのですか!そんな、助けてください、まだ死にたくありません。私には、私にはまだ食べなければならない食材がねむっているのです(T_T)」
王妃「あなたこんな時まで、食べ物のことですか。自分の体の心配をしなさいよ。」
作者「さて、君が心を入れ替えるのなら、君の体からスイカが生えてこない魔法の言葉を教えてあげてもいいんだけどな~」
サラ「おねがいじまず~、私が悪かったです~。陰で隠れて、悪口言ったり、馬鹿にしたりしませんから~」
作者「君そこまでしてたのかよ、表裏ありすぎだろ。まぁいいや、それでは魔法の言葉を復唱、高評価とブックマークをおねがいします!」
サラ「高評価とブックマークをおねがいします!」
王妃「こんなの本当に意味があるのかしら?」
作者「あるわけないじゃん、でもなんか面白くて。サラが向こうでずっと同じことを叫んでるからさ。あっ、ちなみに種を食べたところで別にどうにもならないよ。本当に生えてくるわけないじゃん。」
王妃「嘘だったのですか?それは良かったですけど、どうしてそんな嘘を?」
作者「そんなの、面白いからに決まっているじゃん!ネタ枠はギャグがあってこそ、輝くんだから。それじゃ、今日はここまでだ。また遊びに来るね~(^O^)/」




