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どっきりカメラ

[前回の話]

 下のふざけた話

[今回の話]

 下の真面目な(?)話

 腹部内視鏡検査のため病院へ来ております。いわゆる大腸カメラです。

 で、この検査ってその前に腸内を綺麗にする必要があるのですが──。


 前日の晩からの絶食と下剤。これによりグロッキーとなった翌日、当然ながら朝も絶食。お漏らしに怯えながら病院へ向かう。

 そこで待ち構えていたのはやはり下剤。しかもその容量はなんと2l。


 覚悟を決めてそれを飲む。飲まないと検査にならないので。

 ただ、それを飲んだからといって直ぐに効くというわけではなく。来る前はあれだけ怖かったそれもいざとなると出てきてくれないという矛盾。なぜだ……。


 まずは目標の1l 。それを超えて一気に飲むと気分が悪くなり嘔吐を催すことになるという。

 いや、そうは言うけどそれは無理でしょ。


 などと言いつつもちょびちょびと。そして腸の活動を促すために廊下を歩いて往復する。いつくるか判らない便意に怯えながら。


 効果が表れたのは2時間後、浣腸の相談をした直後でした。ベッドの上でのそれなので、そこでやらかす可能性があると思った結果なのでしょうか。同じやるにしてもやはり人前は嫌ですから、その心理の影響かも知れませんね。(笑)


 一度出たことで(ようや)くというか、今度はそれなり出るように。調子に乗り歩き回り……はしなくともそれなりに軽い運動を繰り返す。そして便器とは離れられない関係に。

 まあ、それはいいんですけどね、しんどいですけどそれだけ検査が近くなるということですので。


 便器に座った途端というのか、今度は再び出なくなる。やはりこれは神経の問題なのでしょうか?

 とはいえ離れるのは怖い。離れた瞬間にピュッといくのは怖過ぎる。一応着替えは用意してはいるけれどそこは人としての尊厳の問題なので……。


 こんなの早く終わらせたい。その一心でお腹のマッサージを始める。運動による蠕動だけでは頼りないとダイレクトに腸へ刺激を与えることにしたのだ。

 搾るように腹部を押さえるそれは腸内洗浄という目的に反するのかも知れないが、それでもこの地獄とはおさらばしたい。


 強引なそれでなんとかOKを貰えたのは午後1時過ぎ。本当に漸くと脱力する。

 だが本命の検査はまだ(しばら)く後。腹が減った……。


 緊張から解き放たれたせいだろうか、急激にお腹も緩んできた。ということで再び便所へと急行。そして大放尿の如き水便を豪快な屁と共に解き放つ。

 やっと便所から解放されたと思ったところでこの便意っていったい何の皮肉なのか。


 幾度もの便所と激戦を繰り返し、気づけば時刻は午後の2時。漸く検査の始まりだ。


 全裸となり黒の上下へと着替える。

 因みに下は穴の空いた方が後ろ側。……って当然か、そこからカメラが入るのだから。



 ──なお、ここから先のことは不明である。

 なぜならば検査室から退出することになったのだから。

 まあ、これは検査を受ける当人の話で、私はそれの付き添いなのだから当然である。


 それにしても、腸の検査は大変だ。

 それに付き添う人間も堪ったものではないが。

 とはいえやはり家族なんだしそこは仕方ない話なんですけどね。

 因みにそれが誰であるかは本人の名誉のため秘密です。(笑) 


 

 決して私が当人というわけではありません。

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― 新着の感想 ―
本人じゃなかった(笑)叙述トリックが華麗ですね! 最近知り合いがやった、みたいなことを聞いたような……大変ですね。 お大事にしてくださいm(__)m
最近これを父が経験しました。聞いてもあまり話してくれませんが。検査した本人さまが何事もないといいですね。
戯言士さんの話じゃなかったんですねw すごくリアルだから、本人かと思いました。あ、でも付き添っていたから様子がわかったんですね。お大事になさってくださいm(_ _)m
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