Immigration Bureau ~忌むグレイなバーロー
[前回の話]
Gの恐怖!
[今回の話]
+ の恐怖?
昼時に電話が架かってきた。
いったい誰だ?
+388△△△○○○○?
よく判らないので出てみれば、自動音声が喋り出す。
そして──。
はあ? 入国管理局?!
取り敢えず即切り。
よく解らない。何なんだこれは?
いや、判らないってわけではない。おそらくは最近よく聞く詐欺電話だろう。
なんといっても私にはそんな疚しい心当たりなんてない。
調べてみればやはりそうらしい。
+で始まるのは国際電話。そして+388は過去にヨーロッパの国際通信網ETNS(European Telephony Numbering Space)などで使われていたものの現在では殆ど利用されておらず、正規の通信先とは言い難いのだとか。
念のため近所の交番へ。
「ああ、そういうのは私のところにもしょっちゅう架かってくるね。
大丈夫、そんなの相手にしないで放っときゃいいから」
やはり私の対応は間違ってなかったようだ。しかし──。
しかしもう少し真面目に取り合ってもらえないものだろうか。気持ちは解るけど、これじゃまるで私がアホみたいじゃないか……。
つまらぬことで半日を無駄にしたものだ……。




