表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

63/102

――聖受歴1,537年 終耀月13日 晴れ





 黒歌鳥に急かされるまま、王国の北側から王都を目指して攻める。

 もう冬も近いっつうのに……わざわざこんなタイミングで進軍とか馬鹿じゃねえかと思った。

 思ったし、黒歌鳥の奴にもそう言ったんだがな。

 冬を目前に、こんな秋真っ只中に、戦争なんぞやってられっか! 戦闘重ねてる内に自滅するわ!……って。

 けど重ねるっつう程の戦闘はなかったな……

 何をどうやったもんか、明らかに黒歌鳥の手回しだとは思うんだけどよ。

 何故かおっ始まる筈の戦闘が直前で回避されたり、始まる前から向こうが降服状態だったり……なにやったの、本当に。

 しかも投降してきた敵兵の筈の奴らがやたらキラッキラした心酔の目で俺のこと見てくんだけど……!

 マジでなにやったんだよ、怖ぇよ!

 攻め入ってここまでスムーズに事が運ぶっておかしいだろ!?

 こんな速度でさくさく進む戦争とか、俺初めてなんだけど!

 

 ……はい? 他の方面軍ともタイミングを合わせてるから?

 指定した日時までに、予定のポイントまで軍を進めておく必要がある?

 待て、ちょい地図見せてみ?


 ……。

 …………。

 ……ちょっと待てこら。


 予定って、所要期間こんだけでこんな王国の内側まで到達できるはずね―だろうがぁぁあああっ!!


 あ゛!? 間に合う筈ねえっつってんだろ!?

 その計算だと、後二日で砦七つ落とさなきゃなんねえ計算になるだろーが!

 ……え? 間に合わせてみせます?

 え。ねえ、その満々の自信はどっから来てるの???

 無理だって。

 だから、無理だって。

 俺らには出来ねえよ。身体が保つ訳ねーって。

 いや、やればできるとか言われても無理なもんは無理……は? ギリギリ極限まで追い込めばイケる?

 ちょ、こら、おい! そんなやる気に満ちた顔すんの止めろ!

 何が何でも間に合わせるって、その代償に俺らにどんな無茶を強いる気だてめーっ!!





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ