8.第2話のネームチェック&解説
時間がかかって何度もやり直されたという第1話と違い、第2話のネームは完成原稿が想像できるような、ほぼ下書きの状態で送られてきました。
いやでも第1話、最高の導入部でしたね。異世界であることも、ネリアとグレンの関係もしっかりと描かれて、どのキャラクターも性格がひと目でわかります。
絵の持つ説得力というのを、まざまざと見せつけられました。本当にひつじロボ先生を探して下さった『MAGKAN』様といい、『魔術師の杖』という物語がもたらした、このご縁に感謝しております。
だって最初は「明日休みだ、うぇ~い!」みたいなノリで書き始めた小説ですから。
私、ひたすら正確さを要求される仕事をしていました。本業ではまったく必要とされない、ファンタジー好きでロマンチストな部分を、これでもかと詰めこんだ物語を書き、「は~、スッキリ!」と満足していたのです。
そんなわけで『魔術師の杖』自体は、ノリと勢いで書いた、自由で楽しい物語です。
さて第2話。
ネリアがかわいぃーっ!(1ページ目)
ネリアがかわいぃーっ!(2ページ目)
ネリアがかわいぃーっ!(3ページ目)
3ページ目までずっと叫んでました。空を飛ぶライガはHONDAのスーパーカブがイメージです。ついでにグレンも可愛いです。みんな見てね!
ここでグレンが開発した、魔導列車のデザインについて解説。
異世界あるあるの蒸気機関車はやめにしました。グレンが魔導列車を開発し、線路を建設したことで、異世界に産業革命が起きた……そんな時代背景を設定しています。
モデルは1954(昭和29)年から1957(昭和32)年にかけて、64両製造されたEH10系電気機関車です。貨物輸送が物流の主力を担っていた時代、「マンモス」と呼ばれ活躍しました。
書籍化の話が来たときに考えたんです。EH10系のフォルムの、無骨なところがグレンっぽいかなって。
現在も阪急電鉄の淡路駅から歩いて5分ほどの東淡路南公園に、重量感のある黒い車体が展示されています。
こんなところでも関西に縁がある『魔術師の杖』!
あとは昔懐かしブルートレインな寝台特急のイメージを、ひつじロボ先生がうまく絵に落としこんで下さいました。
そしてついに魔道具師のあの人や、竜騎士団の副官さんにもキャラクターデザインが!
いくらなんでも『名探偵コナン』の犯人みたいに、ぜんぶ真っ黒で描くわけにもいきませんからね。
猫目がちの世話好きお姉さん。しっかり者の魔道具師で、ひとりでお店を切り盛りしつつ、メイクやおしゃれも大好きです。
あとですね……実は私、「竜騎士たちは全員描かれないのでは」と心配してたのです。
でもね、全員ちゃんとキャラデザがつきました。彼らの活躍も楽しみです。
イケメンは世界を救うんですよ!(最近どこでもそう叫んでいる)
「これらのキャラデザインは、よろづ先生にも共有して下さい!描いてもらう機会があるかもしれませんから!」
さっそくペイっとよろづ先生にも投げて頂き、キャラデザ逆輸入!
なんとなくですが、ひつじロボ先生とよろづ先生はお互い、いい影響を与え合えるのではと思います。
絵で語り合う。いいですねぇ……私はモニターの前で踊りながら、楽しみにしておきます。
ぐっ(握りこぶし)……ライアスが……かぁっこいいぃ!
横顔、うつむき、正面……どこをとっても死角なし!
イケメンは世界を救うんですよ!(だいじなことなので2回書きました)
2話のネームチェックで、私から指摘したのは、だいたいこんな感じ。
「魔導ランプの明かりは『ぼんやりとにじむように光が広がる』というのを意識して描いて下さるとうれしいです」
「ミストレイと他の白竜は、遠目でも見分けがつくようにお願いします」
「画面が白黒なので『あの竜だけ青っぽい』とか『ほかのと色も違う』とか、ネリアから見たミストレイの説明があるといいかと思います」
「列車を降りるネリアに、収納鞄を担ぐ描写があるといいですね」
「魔道具師の手にショップカードがあるといいのでは。→それを受けて、その後のコマでネリアが、そのカードを持っているといいかなと思います」
こんな指摘は細かいかな、と思いつつ……完成原稿ではちゃんと取り入れて下さってました!
まぁ、ネームってほぼラフなので、ざっくり描いてありますからね。こちらも「ここはこういう場面かな」と想像しながら読む感じです。
あと世界観や魔法の説明で、ちょこちょこ魔女たちが絵で登場するのですが、ひつじロボ先生が描かれる魔女たち、みんなすごくかわいいのです!
お寝坊エルサのお話も書きたくなりますね。
次回はいよいよ、あの人が登場します。そう、小説版の表紙にもなっているあの人です!(……って、10冊もあるけど)
もう待てない!早く第3話が読みたい!
そう思った方はイイね10連打で!
ひつじロボ先生にもぜひ、励ましのメッセージをお送りください!
『魔術師の杖 THE COMIC』、毎月1日の更新をお楽しみに!









