表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ああ勇者、君の苦しむ顔が見たいんだ  作者: ユウシャ・アイウエオン
第二章 新たなる自分への転生(人間やめよう)
32/78

31話 運命を決める市場

「くふふふ…… ぐふ… じゅる」


ぬふふ。


さぁ、やってまいりました。


待ちにまった奴隷市開始5分前です。


ああああ……


やべぇ… 超楽しみだ。


楽しみすぎる。


もうすぐ…… もうすぐシルビアたんを僕の物にできる。


ああ…… 


早く、シルビアたんに僕のガイアメモリをサイクロンジョーカーエクストリームしたい!


「うふふふ…… ぁぁ…… 早く始まらないかな」


ああ、早く鳳崎来ないかなぁ。


あいつが来たら、偶然を装って会場に参加するんだ。


奴隷市は基本的に「奴隷の独占を禁止する為」に途中参加を拒めないようになってるから……


だから、この「べヒモス」に作ってもらった、正式な『競売参加証』さえあれば僕でもサクッと参加できる。


まぁ、鳳崎の参加する競売は入り口に『王国紋』が飾ってあるから、普通の「王族に睨まれたくない」人間は、参加証もってても参加しないんだけどね。


時間も正規の開始時間じゃないから分かりにくいし。


だけど……


だけど僕にはそんなのは関係ない。


今の僕は王国に睨まれたところでそれほど困らない。


姿形が変えられるから、手配されても簡単に誤魔化せるし…… それに王国の戦力は、最早それほど脅威じゃない。


まぁ、さすがに軍全てを相手にとかはできないけど、やばくなったら逃げるきれるくらいの力はある。


つまり今の僕は堂々と、鳳崎をおちょくりにいけると言うことだ。


ああ……


だから早く遊びたいなぁ。


「……………………………お?」


お……


き、来た…… 


つ い に 来た!



「いやぁ~ 今日もよくおいでくださいまし勇者さまぁ!」


少し狭めの競売場の中に、入ってくる3人の男。


「今宵もご要望の奴隷を用意させていただきましたよ」


一人は、ぶくぶくと太った気持ちの悪いピザ野郎。


もみ手をして、二人の男を案内している…… 恐らく奴隷商だろう。


「おいおいフグイス殿…… 俺は今日たまたまここに訪れただけだぞ? 用意だなんて訳の分からない事を言うな」


その奴隷商に、ニヤニヤと笑いながら答えるのは相変わらずのクソ笑顔…… 我らが鳳崎君だ。


「そうだよ、僕らは偶然、たまたま、運よく、安くて可愛い奴隷を買うんだから…… 誤解を産むような事を言わないでくれよ」


そしてもう一人は、鳳崎の金魚の糞…… 木島だ。


ふむ…… 今日は南城とここのつさんは置いてきたのか。


まぁ、女を買いに行くのに女は連れてけないか……


「いやぁ、失礼しました! そうでしたな! お二人は先ほどたまたまこられたのでしたなぁ!」


奴隷商が笑いながらそう言って自分の額をぺチンと叩く。


それに二人は「しっかりしてくれよ?」とか「たのむぜ?」なんて言いながら下卑た笑を返す。


うむ…… 実にくだらない茶番だ。


さっさと話を進めてくれないだろうか?


正直、鳳崎のあのクズみたいな微笑は見るに耐えない。


これ以上見てたら……


……ぁぁ……………………………………………………………………………………………ころしたくなっちゃうじゃないか。



「さて…… では早速商品の方をお出し致しますね?」


お……? 


良かった、すぐ始まるみたいだ。


危うく『ハートストライクフレイム』が炸裂するところだったぜ。


「おい! 持って来い!!」


奴隷商がそう言って手を叩く。


すると、奥の方から鉄の檻が乗った台車が運ばれてくる。


そして、その鉄の檻の中には……


「ああ…… シルビアたん」


泣きはらした赤い瞳、ぐったりとうなだれた背中、絶望しきった表情の……


見るも無残な……


「いい顔してるなぁ」


かわいい、かわいい、シルビアたんの姿があった。



「鳳崎くん…… この娘かい!」


そんなシルビアたんを見て木島が嬉しそうに微笑む。


「ああ、どうだ? お前好みなんじゃないか?」


そんな木島の背中をぽんと叩いて、鳳崎がニヤリと笑う。


「ああ!! 最高だよ!! 凄い好みだぁ!!」


………………………木島。


お前はロリコンだったのか。


うわぁ…… 


ロリコンとか…… マジ引くわぁ。


無いな、無い。 


ロリコンとかマジない。


キモいな、死んだほうがいい。


この世から消えた方がいいよ。


そんな、幼女をどうにかしようだなんて…… 最低だな、うん。


本当にもう、人間の風上にも置けない。


人間のクズだな、うん。


まぁ……


僕は既に人間じゃないから関係ないよね……? うん。


それに僕はロリコンじゃなくて、由緒正しきぺド野郎だから、うん。



「そうか、ならいつも通り俺が遊びまくった後にくれてやるよ」


僕がそんな事を考えていると、鳳崎が木島にそう語りかけているのが聞こえた。


いつも…… か。


僕の調べでは、鳳崎は過去6人の奴隷を購入していて、うち2名を木島にあげている。


シルビアたんも…… そうするつもりなんだな。


「ありがとう鳳崎くん! でも、今回は壊さないでくれよ?」


「わかってるよ」


ちなみに、残りの4名は全て…… 鳳崎が壊してしまっているのだ。


「さぁ…… シルビアだっけか?」


鳳崎は檻に近づき、そしてうつむいているシルビアたんの顎に手をかけて上を向かせる。


「っ………!」


鳳崎を見上げて、そしてくっと小さく食いしばって睨みつけるシルビアたん。


だが……


「くく…… 一晩で随分しおらしくなったじゃねぇか」


その瞳には…… 悔しさよりも遥かに大きい、諦めの色が浮かんでいた。


「くそぉ………………」


シルビアたんは檻の中で、小さく震えながら…… 瞳に涙を溜める。


必死に涙をこらえながら…… その理不尽な状況に絶えていた。


恐らく…… この一晩でシルビアたんは絶望してしまったのだろう。


理不尽に流されて、理不尽に拘束されて、理不尽に人生を決定されて、理不尽に弄ばれる。


何一つ、救いのないこの人生に…… 絶望してしまったのだろう。


でも……


「ゆ……… ゆるさないから…… 絶対にゆるさないから……」


絶望してもなお…… 尊厳は捨てていない。


絶望はしても…… 屈してはいない。


ああ…… シルビアたん。


やっぱり君はいい女だなぁ。


強い者に逆らおうとするその姿。


勝てないと分かってもなお抵抗するその姿………


美しいよ。


すごく美しい。



「許さないか……」


鳳崎は、そんなシルビアたんを見つめて。


「いいねぇ……」


に や り ………と笑ったのだった。


「ひぃ……っ」


その鳳崎を見て、その表情を引きつらせるシルビアたん。


「フグイスさん…… 金貨一枚(10万相当)だ」


シルビアたんを見つめながらそう言う鳳崎。


「え?」


奴隷商はそれを聞き返す。


「いつも通りの最低落札価格だよ…… さぁ、他に落札者はいるのかな? フグイス殿」


鳳崎は…… 下卑た笑いを浮かべたままそう言うのだった。


「く…………ぅ…」


シルビアたんはそれに…… 悲しげな声で鳴き。


「ああ……! そうですねぇ…… どうやら他にお客様はおられないようですし」


奴隷商はニヤリと微笑む。


「それでは鳳崎様に……」


そして奴隷商は微笑を浮かべたまま、その続きを言おうとする。


しかし…… しかしその時。


僕は当然の如く。


シルビアたんの主である僕は、さも当然の如く……


「まて、豚……」


ゆらりとその場にあらわれた。


競売場の影から現れたのだ。


そして……


「金剛貨一枚(100万相当)だ…… 僕もその娘が欲しい」


スーツモードのまま僕は、奴隷商の額に金剛貨を押し付けたのであった。



「え!?」


突然闇から現れた僕に、驚く奴隷商。


「あ?」


そして無理やり競売に入り込んできた僕に、露骨な怒り顔を浮かべる鳳崎。


「は?」


事態が飲み込めてない木島。



「ちなみにこれは僕の証明書…… 一番高い『自由競売参加資格証』だ、問題はないだろ?」


奴隷商の顔面に書状を押し付け、そう言う僕。


「おい……」


そんな僕に……


「おい……… おい!」


ピーチクとさえずる鳳崎。


「おい!! お前だよ黒スーツ!! 無視してんじゃねぇよ!!」


僕はそんな鳳崎をなお、スルーする。


てか素顔なのに僕だって分かってないよね? 鳳崎君。


まぁ、身長も違うし、雰囲気も違うし…… 何より普段の僕前髪下ろしてるから無理もないけどね。


一応、対策はしておいたけど…… 無駄になったなぁ。


「なんですか? 騒がしい」


ともあれ、僕は小うるさい鳳崎に向き直る。


「おい! おいっ!! テメェ舐めてんのかよ! 俺が名前呼んだら誰であろうがすぐ反応すんのが常識だろうがよぉ!!」


良く分からない理論を展開し…… 良く分からないテンションで騒ぐ鳳崎。


「ああ…… それはすみませんでしたね、以後気をつけます」


僕はそんな鳳崎をみて、やれやれのポーズをしながらそう呟く。


「がっ……!」


それにぶちぎれる鳳崎。


いくら「一般人を傷つけない」と言う契約があったとしても…… 


ここで一気に飛び掛らないところが鳳崎の小物なとこだよな。


「てめぇ…… 俺が誰だが分かってんのか?」


こめかみをぴくぴくさせながら、僕を凄い形相で睨む鳳崎。


僕はそれに…………


「勇者(笑)でしょう? 存じ上げております」


半笑でそう答えたのであった。


御宮星屑 Lv1280


【種族】 カオススライム 上級悪魔(ベルゼバブ)


【装備】 なし


〔HP〕  7050/7050

〔MP〕  3010/3010


〔力〕 7400

〔魔〕 1000

〔速〕 1000

〔命〕 7400

〔対魔〕1000

〔対物〕1000

〔対精〕1100

〔対呪〕1300


【契約魔】


マリア(サキュバス)


【スライムコマンド】


『分裂』 『ジェル化』 『硬化』 『形状変化』 『巨大化』


【称号】


死線を越えし者(対精+100)  呪いを喰らいし者(対呪+300) 


暴食の王(ベルゼバブ化 HP+5000 MP+3000 全ステータス+1000)


龍殺し(裏)


【スキル】


悦覧者アーカイブス』 『万里眼ばんりがん(直視)』 『ストーカー(Ⅹ)』


『オメガストライク』 『ハートストライクフレイム』


味確定テイスティング』 『狂化祭(カーニヴァル)』 『絶対不可視殺し(インビシブルブレイカー)


常闇の衣(コートノワール)』 『魔喰合(まぐあい)』 『とこやみのあそび』 


喰暗い(シャドークライ)』 『気高き悪魔の矜持ノブレス・オブリージュ』 『束縛無き体躯(フリーダム)』 


完全元属性(カオス・エレメント)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] ちょっとネタバレになるけど木島凄く悶々としてそう
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ