表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
SAVERS ―光なき心を救う者たち―  作者: 春坂 雪翔


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1/46

プロローグ

世界には、心を失った人がいます。


彼らが怪物になるとき、

その心を、誰が拾い上げるのでしょうか。


これは、そんな誰かを“救う側”になった

子どもたちの物語。

 夜の住宅街を、一人の男が必死に走っていた。

 背広の裾が風に舞い、足元はつまずきそうなほどもつれている。

 後ろから、何かが追ってくる音がする。

 地面を爪で叩くような、湿った風を巻き込むような、異様な足音。


 振り返ると、そこには――


 人の形をした“それ”がいた。

 しなやかな四肢、爬虫類のような鱗、首元には膨れたフリル状の皮膚。

 まるでエリマキトカゲのような姿の怪物が、喉の奥で低く唸りながら迫ってくる。

 男は悲鳴を飲み込み、再び走った。

 だが、あと数歩。怪物が飛びかかろうと身を低く構え――


 その瞬間だった。


 夜空に、一筋の光が走った。

 それは実体を持たぬ、けれど確かに存在する光の矢。

 矢は怪物の足元を貫き、地面を裂くような閃光を放つ。


「――いた」


 男が顔を上げると、視線の先に一人の少女がいた。

 街灯の陰から姿を現したその少女は、静かに弓を構えている。

 制服の上から黒いジャケットを羽織り、鋭い目で怪物を見据えていた。


「誠司、見つけた?」


 少女が小さな無線機に囁くように呼びかけた。

 その声は男には届かないが、すぐに答える声があるようだった。


 次の瞬間――


 怪物の背後で、乾いた破裂音が響いた。

 銃声だ。静かな住宅街に不釣り合いな、鋭い音。

 撃たれた怪物が咆哮を上げ、苦しげにのたうち、やがて膝をつく。


「――ッは、はあっ……た、助かった……!」


 呆然としていた男が、ようやく言葉を取り戻す。

 駆けつけてきた少年の姿を見て、必死に礼を述べた。


「君たちが……助けてくれたのか。ありがとう、本当にありがとう……!」


 しかし、少年も少女も、言葉を返さない。

 二人はただ、倒れた怪物を静かに見つめていた。

 怪物の身体が、黒いもやのようなものに包まれていく。

 そのもやはゆっくりと形を崩し、やがて空気に溶けるように消えていった。


 そして、もやの中から現れたのは――一人の女性の姿だった。

 ボロボロの服に包まれ、顔は傷と涙で濡れている。

 その姿を見た瞬間、男の表情が強張った。


「……この人に、見覚えはありますか?」


 少女が静かに問いかけた。

 その言葉に、男の顔は見る見るうちに青ざめていく。

 足元が崩れ落ちそうになるのを、どうにかこらえながら、彼は言葉を失っていた。


─────

人間が怪物になってそれを主人公達が助けるという骨組みを考えたのは小学生の時で、

世界観や設定等を考えたのは主に中学生〜高校生の時です。

当時厨二病真っ只中の頃に考えたのとその時ダークファンタジー物が世間的に流行ってたのもあり、それらが反映されてる可能性があるので最近流行りの作品とは違い、少し時代遅れな作風かもしれません。

ただずっと考えてきた話なので、最後まで頑張って書ききりたいと思ってます。

宜しければお付き合い頂ければ嬉しく思います。

評価や感想お待ちしてます(出来れば甘めの褒め言葉が嬉しいです)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
読ませていただきました。 『SAVERS ―光なき心を救う者たち―』のプロローグは、現代社会の歪みが生み出した「絶望」が物理的な怪物として実体化するという、極めて衝撃的かつ説得力のある導入で読み手の心…
Xの企画より読ませていただきました!前書きからとても惹かれ、設定等を長くから思案されていたことも相まってか、冒頭から世界観がはっきりしていて、これから読ませていただくのがたのしみです!
Xのリンクから飛んできた者です。 #RTした人の小説を読みに行く、第三回にご参加いただきありがとうございます。 楽しく読ませていただきました。 弓使いの少女、かっこいいですね。 キャラの名前が出ていな…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ