表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/150

20 



 そして迎えた日曜日。


 本日は雲上院礼香と水族館へ行く日だ。


 当初の予定では、彼女とは適度な距離を保つはずだったのに、どうしてこうなった……。


 まあ、あんな状況見てられないし、選んだ選択に悔いはない。


 あの日の帰宅後、学校で知り合った子と水族館に行きたいと父に説明したら、ことのほか喜ばれた。


 友達になれるといいね、とも言われてしまった。


 私が一人でいることを密かに心配してくれていたのだろう。


 あの雲上院礼香と友人関係になる……、かぁ。


 マンガのままであれば考えられない話だが、学校で実際に会った彼女となら……。


 うまくコミュニケーションが取れれば、そんな未来もあるのかもしれない。


 さて、今日はどんな一日になるのやら。


 彼女との待ち合わせ場所には、集合十分前に到着。


 それから数秒後、黒塗りの高級車が三台連なって走ってきて、目の前で停車した。


 真ん中の車から、黒服サングラスの女性が降車し、後部座席の扉を開く。


「お待たせしましたわ。それでは参りましょうか」


 と、ご登場したのは、雲上院礼香だった。が、降りて来ない。


「どうぞ」


 黒服が乗車せよ、とサインを送ってくる。


「き、今日はお世話になります」


 私は頭を下げて、乗車。く、子供同士が遊ぶって感じじゃないよ。


 大統領の移動か何かなの? 滅茶苦茶堅苦しくて、緊張するわ!


 車中では雲上院礼香がワクワク全開であった。


「今日は何から見に行きましょうか! 事前に本を読んだ感じですと、わたくし、アザラシが気になりますわ」


「それじゃあ、アザラシから行きますか? それとも楽しみは最後に取っておきますか?」


「ペンギンのお散歩は時間が決まっているのですよね。間に合うでしょうか」


 楽しみで仕方がないのか、雲上院礼香は私の相づちを気にせず、言いたい事をドンドン話す。


「時間を確認して移動しましょう。見られるように調節すれば問題ないですよ」


「わたくし、こうやって外にお出かけするのは、とても久しぶりですの」


 少し落ち着いた彼女は、窓から車外を眺めながら呟いた。


「お稽古では外に出ないんですか?」


「ええ。先生が家にいらっしゃいますの」


「そうなんですね」


 こうやって会話していると、高圧的な感じはしないなぁ。


 さっきから、私の方を妙に凝視したり、チラチラ視線をそらしたりして、忙しない。


 何か気になる事でもあるのだろうか?


 などと考えているうちに水族館に到着した。


「えっと……、これは……一体」


 車を降り、いざ入場、というところで我慢できずに声が出た。


 私と雲上院礼香の周りを、黒服サングラスの女性が四人で囲っているのだ。


 更に、水族館の至る所に黒服サングラスの人がいる。水族館の職員より多いよ……。


 全員、インカムを装着し、安全確認を行っていた。


 いくらなんでも厳重すぎるよ!


 利用者や通行人の視線が痛い。みんなこっちを見てる……。


 そんな中、黒服さんから説明が入る。


「予定日がもう少し離れていれば、水族館を貸し切りにすることが出来たのですが、不可能だった為、警備の数を増やしました。ご了承下さい」


 水族館って貸し切りにできるの!?


 それっていくらなの!?


 どっちにしろ厳重すぎるでしょ!


「お騒がせして申し訳ありませんの。お父様が、わたくしのことを凄く心配されていて、このような形になってしまったのですわ」


「そ、そうなんですね」


「お父様も同行すると言って聞かなかったのですが、さすがにそれはお断りしたんですのよ」


「へ、へぇ〜……」


 これは……、マンガと同じで誘拐された過去があると見て間違い無さそうだ。


 そのせいで過剰な警備になってしまうほど心配している、と推測する。


「そ、それじゃあ、行きましょうか」


「ええ。楽しみですわ」


 ひとまず仕切りなおして、中へ入る。入場手続きは黒服さん達がやってくれていた。


 黒服さんに誘導され、黒服さん達が作る通路を進む。


 大統領の視察か何かかな?


 が、入場してすぐに雲上院礼香が立ち止まった。





 本作品を読んでいただき、ありがとうございます!


 面白い、続きが読みたいと思っていただけたなら、



 ブックマーク登録をしていただけると、作者の励みになります!



 また、ページ下部にある評価ポイントを入れていただけると嬉しいです


 よろしくお願いします!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ