52、ブレスレットが3連になったよ
それから、しばらくの時が流れた。
赤の集落を騙していた大陸の人化するスライムは、改造スライムが討伐された直後、島から出て行ったみたい。逃げ足は速いのね。
私は、どこかで店をしない日は、キララの転移魔法で、島の中の今まで会ってないスライム達の生息地を回って、色を集めた。
チェーンブレスレットは、2連目が全部埋まって、3連になっている。新しい色が集まってくると、2連目から3連目に移動した石もあった。だけど、1連目が増えない。
スライム神は、チェーンには何かの法則があると言っていた。1連目は、魔法を発動する色みたい。そして、2連目と3連目は、魔法の補助なのかな。威力を増大させるのかもしれない。
マニキュアとして見ると、1連目は、マットな原色っぽい色が多いから、ピンクと水以外は、ちょっと使いにくい。2連目は、光沢のある物が多くて、マニキュアとして使いやすい感じ。3連目は、少し個性的で派手かな。
そういえば、2連目が全部埋まって、3連目のチェーンブレスレットが現れたとき、1連目の色のレベルが、2に上がっていた。また、指定すれば、必要なリストだけを出せるようになったよ。
1連目だけを出してみると……。
『マニキュアリスト』
《1連目》
【ベースコート】
●爪の表面の保護のために塗る下地。
●スライム神の通常バリアが常時発動する。
【銀ラメ:Lv.2】
●無色透明、銀色のラメ入り。
●キングシルバーの盾。
【紫:Lv.2】
●マットな紫色。
●キングパープルの弱毒、毒耐性・強。
【白:Lv.2】
●クリアな白色。
●クリアスライムの毒消し・強。
【赤:Lv.2】
●鮮やかな赤色。
●レッドスライムの火魔法・強。
【黄:Lv.2】
●やわらかな黄色。
●イエロースライムの土魔法・強。
【青:Lv.2】
●爽やかな青色。
●ブルースライムの水魔法・強。
【緑:Lv.2】
●明るい緑色。
●グリーンスライムの風魔法・強。
【ピンク:Lv.2】
●かわいい桜色。
●ピンクスライムの状態異常魔法・魅了。
●ピンクスライムの状態異常魔法・幻惑。
【水:Lv.2】
●澄んだ無色透明。
●ウォータースライムの浄水魔法・強。
1連目は、スライム神の祠のある洞穴で増えて以降、何も増えてない。
レベル2になったことで、魔法の威力が強くなってる。ベースコートは何も変わってないみたい。銀ラメも変わってないように見えるけど、出せる盾が大きくなった。これは、物質スライムの魔力に比例するらしい。
それと、ピンクスライムの状態異常魔法が二つになった。幻惑は認識阻害みたいなものだと、キララは言っていたけど、詳しくはわからないみたい。試しに、魔力の高いピンクスライムさんに幻惑を使ってもらったら、草原が海の中になり、息ができなくなって焦ったけど、物質スライムはそこまでは出来ないんだって。
1連目の穴は、あと二つ。
2連目や3連目は、普通のスライムの色みたい。1連目は、魔力の高いスライムだというけど……。
「あと二つだよね。キララ、まだ会ってないスライムって、どれくらいかな?」
『人間嫌いのスライムには、会ってないよ。会ってないスライムの方が、圧倒的に多いかな』
「そっか。人間嫌いなスライムには、協力をお願いできないもんね」
『うん。こないだの大型船で、より一層、人間が嫌いになったスライムもいるみたいだよ。アルを捜して、人化できるスライムの集落が、襲撃されたからね』
「だよねー。あの時は、イケメンさんがアルくんを助けに行ったもんね。緑の帝国の大型船だったから、酷かったのかも」
海辺の集落には、私もアルくんも居なかったから島の奥まで入ってきたみたい。私は、グリーンスライムが苦手な赤とピンクのマニキュアを塗って、大きなスライムの草原に隠れていたけど、私の方には誰も来なかった。やっぱり、青の王国の王族を狙っているのね。
『ジュリちゃん、遊ぼっ!』
今夜、黄の王国の大型船が来ることがわかって、私は昼食の後にも、上の草原の泉に水汲みに来た。
「水色のスライムさん、こんにちは。あれ? 水玉が付いてるよ。どうしたの?」
泉の近くに生息する水色のスライムの何体かには、黄色っぽい水玉模様が付いていた。
『アタイ達は、変異種だよー。飛び跳ね競争しようよ〜』
「うん、いいよ。負けないからねー」
『わぁ〜っ、ぼくもやるー』
私は泉の近くの草が生えてない場所に、丸をたくさん書いた。丸から丸へ、正確に飛び移るだけの遊びだけど、スライム達がすごく気に入ってるみたい。
準備ができて振り返ると、スライム達が団子状態に重なったりして、たくさん集まっていた。みんな、ワクワクうずうずしてる。
(ふふっ、かわいい)
「ここからスタートね。せーのっ!」
掛け声に合わせて、スライム達がポヨンとジャンプした。高く飛んでしまう子が多いから、丸の中に正確に着地するのは難しいみたい。
『あ〜れぇ〜』
飛び跳ねすぎて、泉に落ちる子もいた。ワクワクしすぎると、こうなるのよねー。
「成功した子、次だよ。せーのっ!」
丸の中に着地できたスライムだけが跳躍する。今日は、なかなかレベルが高いわね。2回目も成功した子は、10体以上いる。
『ジュリちゃん、できたよ! 次はまだ?』
「じゃあ、3回目は、あの大きな丸に行くよー。せーのっ!」
ゴールは、かなり大きな丸を書いてある。私がジャンプしてゴールすると、スライム達は私をめがけて飛んでくる。
(あっ、抱っこしちゃった)
水玉模様のスライムが、私の腕の中に飛び込んできたから、ついキャッチしてしまった。遊ぼうと言ってきた個体は、1回目で泉に落ちたから、別の個体ね。
『あっ! ずる〜い! アタイもジュリちゃんに抱っこされたいよー』
(えっ? わっ、わっ)
次々とスライム達が私の腕の中にダイブしてくるから、持てなくなった私は尻もちをついた。
「あー、誰が勝ったか、わからなくなったじゃない」
『ジュリちゃんは、丸から出たから負けだよ〜』
「えー、ずる〜い! じゃあ、ここも丸の中にするもん」
地面の丸を大きく広げると、すでに失格になったスライム達も、その中に入ってきて、私は、スライムまみれの泥だらけになってしまった。
「あっ、水汲みの途中だった。今夜は大型船が来るみたいだよ。みんな、またね」
私は、水汲みをして、オバサンの家に戻った。
水を溜める予備の水瓶に、汲んできた水を移し、オバサンにバレる前にお風呂で泥を落とそうと、そーっと外に出た。
皆様、いつもありがとうございます。
一昨日に予告していましたが、今週より、月曜日をお休みし、火曜から日曜の週6回更新に変更させていただきます。
次回は、10月21日(火)に更新予定です。
どうぞ、よろしくお願いします。




