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閑話 カルナとアザトース

 

「さあ、行こう。最終決戦だ」


 四凶との融合したアザトースが、うちを高々とかかげ宣誓する。


 いやいやいやいや、絶対タッくん、強くなんかなってへんて。

 それやのにアザトース、限界まで無茶してるやん。

 何これ、めっちゃ気持ち悪い。

 いろいろ混ざって、肩とかお腹に四獣の顔浮かびあがってるし。


 あかんわ、これ。タッくん瞬殺されてしまう、そう思った時やった。

 ぞわっ、と剣の背が怖気おぞけ立つ。


 なにコレ? 魔力? いや、ありえへん。

 こんな莫大な魔力、今まで感じたことあらへんっ!


 アザトースも、同じように感じたのか、うちを持つ手が震えてる。


「ア、アザトースっ! 消滅したボルト山が、復活してるっ!!」


 マキエの声に動揺したアザトースは、慌ててルシア王城の天幕から外を見る。


「何を馬鹿なことを。朱雀の力を奪ったとて、山を丸ごと再現など、できるはずが……」


 そして、そのまま固まって絶句した。


 復活してるっ!

 アザトースが消し去った山が、ものの見事に綺麗に完璧完全に再現してるーーーっ!!


『え? なにこれ、タッくんがやったん?』

「……ありえない。山を丸ごと復活させるほどの魔力をもっていたのかっ!?」


 うん、はいはい、これ、タッくんやないわ。

 タッくん以外の誰かがめっちゃ頑張ってはるわ。

 いやいや、山やで? 山なんか復活させれるわけないやん。ちょっと重たい剣も持たれへんのに。


『あれ? タッくんとこ行くんちゃうの? アザトース』


 宣誓してうちを抜いたのに、そっ、と無言でサヤにもどされた。

 それを見ていたマキエの視線から、逃げるようにプイ、と目を逸らして、静かに玉座に戻っていく。


「さ、最終決戦ではないのですか? アザトース」

「どうやら、融合した身体がまだ馴染んでいないようだ。少し延期する」

「そう? 声も安定してきたし、馴染んでるように見えるけど……」

「……」


 やめたげて。

 それ以上言わんといたげて。

 アザトースちょっと涙目やん。

 めっちゃカッコつけて、最終決戦言うたのに、即座に取り消す勇気を褒めたげて。


「……うん、無理。勝てる気しない」


 マキエに聞こえないよう、コッソリつぶやくアザトース。


 よ、よかった。今、攻め込まれたらヤバいとこやった。

 このまま勘違いさせといたら、しばらくは時間稼げるかもしれん。

 その間に仲間が集まってアリスも復活したら、こっちにも勝機ができるはずや。


 問題はルシア王国に捕らえられてる、うちとサシャ、そして、首だけになってるバッツやな。

 人質を盾にされたら、みんな、ちゃんと戦われへん。


 一か八か。

 うちも、大きな賭けに出る時が来たかもしれん。


『アザトース、ちょっと、ええ話があるんやけど』

「……明日にしてくれ。また、しばらく、引きこもる」


 あかんあかん。

 また引きこもったら更にえげつない合体するかもしれん。

 これ以上気持ち悪くなってどないするんやっ。いや、これ以上強くなってどないするんや。


『ええんかな? もうそろそろ、タッくん、攻めてくる頃やとおもうけどな』

「えっ!?」


 喰いついてきたっ。

 平静を装いながら、澄ました顔で玉座に座ってるけど、めっちゃ震えてない?


「た、匠弥は平和主義者だ。む、向こうから攻めてくる確率はゼロに近い」

『そんなことはないと思うけどなぁ。だってアンタ、うちとサシャ人質に取ってるやん。タッくんが、肌身離さず持ってたうちと、長いこと一緒にパーティー組んでたサシャやで。タッくん、怒ってると思うけどなぁ〜〜』


 嘘やけどな。心配はしてるけど怒る前にビビッてるはずやし。


「ふ、ふふ、そ、それならそれで、む、迎え撃つまで……」


 もう玉座ガタガタ揺らして、地震みたいになってるやん。


『大丈夫なん? 知らんで。一瞬でルシア王国ごと消されてしまうで?』

「ば、馬鹿な、こちらには人質がっ」

『そんなん、もう意味あらへんやん。山ごと復活させれるんやから、全部消したあと、復活できるやん』

「ほ、ほんまや」


 動揺して、うちの言葉がうつったのか、ドラゴ弁で答えるアザトース。


『もう人質なんて意味ないねん。それやったら、うちらを最大限に活かせる方法考えたほうがいいんちゃう?』

「お、おおぅ」


 よっしゃ! 


『ほな、ちゃっちゃっ、と用意して行こ、アザトース』

「え? どこに?」


 鞘の中で、目を閉じる。


 まっててや、タッくん。

 やっぱりタッくんには、うちがおらなあかんねん。


 助けに来んでいい。

 うちが助けに行ったる。


『タッくんのとこに決まってるやん』


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