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開戦の狙撃人

ラッパ吹きが

ラッパを吹けば

そこには激突が生じる

配点(号砲)

やると言ったのだ。俺が引けるわけがない。


その結果がこれである。反省はしていない。


喜美と一緒に帰った。


喜美が先に風呂に入ると言って聞かず、俺も入りたかったので喧嘩になった。


「えぇい!どうせ兄さんは風呂入ろうが入らなかろうが臭いままでしょうが!」

「アァ!?違うって言い切れないよ畜生!でもべたつきを洗い落としたいんだよ!」

「庭で行水でもして来い!」

「お前がな!」


殴り合いとなり負けた。


情けないとか言わないでほしい。


父さんが喜美サイドで参戦してきたのがいけないのだ。


ノリノリでバックドロップかけられたあたりで俺はそう思った。


次の日もやることは変わらない。


4人のほうは少しドリブルも始めさせたが咲は変わらずフォームの練習だった。


とにかく一点特化させる。


フリーで貰ったら100%……とまでは言わないが8割は決めてもらう。


無理とか言わない。やるのだ。


そんなことを2週間ほど続けて、ようやくレイアップやシュートの練習に入る。


「置いて来い。違う。置いて来い!沙耶!キレてぶん投げるな!それはダンクだレイアップじゃねぇ!」


さすがは喜美が選んだ奴ら。あっという間に身につけた。まぁ、数は十分過ぎるほどこなしているわけだが、


「いいか、アップでシュート練習をやっても試合では生きない。アップはフリースローで済ませろ。移動しながらのシュート練習行くぞ!」

「「「「「押忍!」」」」」


ここで咲にシュートを打たせた。


最初はあまり決まらない。


「咲、焦るな。フォームはキチンとな」

「うん!」


やはり喜美がずば抜けている。


移動しながらでも沙耶がディフェンスについてもアッサリ決める。


イリヤも上手かった。


長身から放たれる左利きのシュートを止めるのは至難の技だろう。


織火は……まぁレイアップはできるし。


沙耶はゴール下無双をやってくれるのでゴール下が打てればいい。


なんならこの身長ならダンクだってできてしまえる。


ミニバスのゴールは170越えの沙耶には低すぎる。


そんなこんなで1ヶ月。我等は満を持して男子バスケット部に対戦を申し込んだ。


我が校にも男子バスケット部がある。


しっかしまあこれが弱いのなんの。


ビックリするほど弱い。


聞けば地区大会1回戦敗退常連校だそうだ。


初めての試合。


というわけでみんな緊張……はしていなかった。


当たり前か。


喜美は緊張などと掛け離れた場所で高笑いしているような奴だし、


織火はそんな喜美をどうやって抑えようかと悩んでいるし、


イリヤは可愛いし、


沙耶は相手をぶちのめす気満々だし、


咲は相変わらずボーッとしている。


「よろしくお願いします!」


挨拶してコートに散る。


今回は6分6分の前半後半のみ、というルールになった。


最初だしそれでもいいかと思って俺は向こうの顧問の先生に同意した。


ジャンプボール。


向こうに沙耶よりも高い奴はいない。


危なげなくこちらのボールになった。


ボールを運ぶのは喜美だ。


流石に1ヶ月で織火をポイントガードに仕立てあげるのは無理があった。


「さて、どうしてやろうかしら」


喜美は薄く笑いながらゆっくりと近づく。


3pラインの付近で止まった。


そこでボールを持つ。


すぐにイリヤが飛び出して来る。


パスが通った。


イリヤがシュートフォームに入る。


長身からの左利きのシュート。


蓮里小学校最初のシュートが放たれた。

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