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夜間の努力者

本当の強さとは

誰にも見えない

配点(努力)

キャンプ場に戻ると西条のみんながいた。


いったいどうして遅れたのかと聞けば、


「電車が人身事故で遅れたから」


だと言う。それは仕方ないかもしれないけれど、仕方ないでは済まされないのが現実だ。


追い返されなかっただけでもありがたいと思ったほうがいい。


「晩御飯はもう食べたのか?」

「いや、まだだよ。お前たちも食べていないのか?」

「ああ。じゃあ一緒に食うか!」

「おう!」


バカめ!俺たちと食ったのが運の尽きだ!


お前たちに料理作らせて俺たちですべて食ってやる!




side健二


なんだ。この異常な状況は。


「フフフ。破れるかしら?私の囲いを!」

「畜生!ってか卑怯だろ!だったら私だって……って何で!?」

「囲い崩し、基本ですよ?」

「みんな、落ち着いて食べよう?」

「残念だったわね!蓮里では隙を見せたら骨の髄までしゃぶり尽くされる決まりなのよ!」

「肉、頂き」

「それ由梨の……」


食事は戦場と化していた。


蓮里のみんなは一瞬で自分の皿を空にすると知美たちの皿に襲い掛かった。


「おいしいねー。さすが奈那子ちゃんだよ」


イリヤもその優しげな風貌に似合わず知美の皿から奪いまくる。


このような食事の場での争いを経験したことがない知美はその優しい性格もあいまってどんどん取られる。


結局知美たちは全て食い尽くされて、それでもまだ足りん!と蓮里のみんなが一瞬でカレーを増産して散々食い散らかして、余ったカレー(それでも相当な分量)を残して立ち去った。


……何気に片付けまで押し付けていないか?





side喜美


今日の練習で兄さんに苦労をかけた罰はこれくらいでいいでしょうね。


もちろんカレーを食べたかったというのもあるが。


それにしてもなんて張り合いのない。


西条の人はああいう食事をしたことがないのだろうか?


結局最後まで誰も変え、囲いができなかった。


蓮里のみんなはその食事中に適応してイリヤと織火は囲いと変えの複合技まで習得したのに。


試合中まったく予想外の出来事が起きたときにどう適応するか。


これが試合だったらあの子達、完全敗北ね。


これは、今回の西条との試合は圧勝で終わりそうね……


「喜美ー、腹ごなしに散歩行こうよ!」


イリヤに誘われる。


「ええ、そうしましょう」

「あれ?コーチは?」


追いついてきた沙耶が問いかける。


「咲もいないよ?」


織火が疑問を言うが、私は思い当たることがあったのでその質問には答えられる。


「咲は少し周りを探検するそうよ」


しかし、もう一方の疑問には答えることができない。


「でも兄さんはどこに行ったのかしら?」






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