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始まり場の語り部

最初の時間は

何の時間か

配点(説明)

俺には妹がいる。


沢木喜美という名前だ。


コイツは俺とは性格がかなり違う。


真面目で協調性にあふれる俺と違ってわが道を行く我儘女だ。


そして言動の全てが斜め上を行く頭アッパー女でもある。


しかしその才能だけは本物のようで、硬筆で県から賞をもらい、習字で国から賞をもらい、絵を描けば世界でも有名なコンクールで賞をもらった。


芸術方面にとにかく才能があるのだ。


そしてその才能は運動方面にも発揮されるらしく、50メートルを走らせたら6秒台をたたき出した。


追い風参考記録ということだが、明らかに小学5年生の出していいタイムではないだろう。


しかし俺だって兄としてこの才能あふれる妹にも誇ることのできるようなものはもっている。


バスケだ。


中2中3とそれまで地区一回戦敗退常連校だったウチを全国区まで引き上げ、中3の時には優勝もした。


そしてMVPももらった。


つまり同世代の中では最強のプレイヤーということになる。


喜美のほうはなぜかバスケには興味がなかったようで、俺の試合にくることも無かった。


しかし中3最後の全国決勝。


家族が応援に来たときに一緒についてきた。


そして俺が最後の2.4秒で3pからクラッチシュートを放ち、見事に決めて大逆転で優勝したところまで見た。


そして帰ってくると俺にバスケを教えて欲しいと頼み込んできたのだ。


「バスケを教えてよ兄さん」

「じゃああのリングで練習していたらどうだ?」


喜美が笑顔でボールを俺に向かってブン投げた。


「危ねぇよ!」

「この私が頼んでいるのよ!誠意をもって答えなさい!」

「誠意を持つのはお前だろ!」

「私が頼む=誠意でしょ!?」

「そこまで言われるといっそ清清しいなお前!」


しかし真剣だったようで、真面目に朝早くから夜遅くまで練習をした。


俺は引退していたし、バスケで進学するつもりもなかったので暇だった。


一応勉強もしていたが、喜美の練習にたっぷり付き合ってやるくらいには時間があった。


そんなわけで俺が引退してから高校に入学するまでの9月から3月までの半年間。


みっちり教えた。


結果から言うと、とんでもない化物を作ってしまったようだ。


喜美の天才性はバスケでも存分に発揮された。


もう今ではダブルクラッチもフローターも実戦レベルで使いこなすことが可能だった。

はい!


蓮里小学校女子バスケットボール部です!


異世界に行きもせず、剣を振りもせず、魔法も使わず、転生もせず。


のんびりハイテンションにバスケとか日常生活とかやっていく小説です!


キャラが揃うまで2、3話待ってください。

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