表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「オダイカンサマには敵うまい!」拍手の中身  作者: 斎木リコ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

48/177

拍手 048 百四十四話 「立ち会い」の辺り

 長らく停滞していた里に、面白い風が吹き始めた。これを嫌う向きもあるだろうけれど、自分にとってはとても興味深い。

 思えば、こんなにわくわくするのは、実に何年ぶりか。

 いや、何年どころではない。下手をしたら、何百年、何千年だ。

 ここ五百年くらいは、生きているのか死んでいるのか、自分でもわからない程感情の動きがなかった。

 エルフはそうあるべき、と言われた事もあるけれど、それはイメージの押しつけというものではないのだろうか。

 思えば、彼も自分と同じだったのだろう。だからこそ、「エルフ」を作った。自分は最後のモデルだから、それ以前がどんな状態だったかは知らない。彼は教えようとしていたが、いらない情報だ。ただでさえ、生まれてすぐに大量の情報を植え付けられたのだから。

 その彼も、寿命には勝てなかった。エルフを作り上げたのは、自分が不老不死になりたかったからだろうに。

 彼は最後まで否定していたけれど、あれで隠しているつもりだったのだろうか。

 里の奥からしか行けない、夢の街。既に彼の亡骸は分解されてちり一つ残っていまい。あの都市はそういうところには容赦がない。

 自分と仲間が生き延びたのは、ただの偶然だ。彼が都市外での実験を思いつかなければ、おそらくエルフという存在がこの世界に解き放たれる事はなかった。

 あの時の連中も蔓延っているが、どうでもいい。自分がすべき事は、この里を守る事。それでも、少しくらいは変化を楽しんでもいいではないか。

 さて、あの外から来た客人は、どんな変化をこの里にもたらしてくれるのだろう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ