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「オダイカンサマには敵うまい!」拍手の中身  作者: 斎木リコ


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164/177

拍手 164 二百六十一「記録映像」の辺り

 五番都市、シアター内にて。記録映像を見終わった直後。

「いやあ、長かったわー」

 大きく伸びをするセロア。

「頭の方は、昔に作られたドキュメンタリーだからね。というか、記録映像かな? 見応えはあったけど」

「確かにー。にしても、本当に六千年前にこんな進んだ技術があったなんてねー」

「それに関しちゃ、文字情報でも出ていたけど、テロが大きいいんだよ。地下都市にウイルスをばらまいたらしくて、全滅状態になったそうだから」

「うへえ。バイオテロかよー。そのテロリスト達は?」

「大半が自分達がばらまいたウイルスで死んでるみたい」

「間抜けめ」

「まったくだ」

「にしても、病気治療が元でエルフが出来るとか、不思議にも程があるよ」

「遺伝性疾患の治療だったそうだから、遺伝子操作が入ったんじゃない?」

「そうなんだろうけどさー。種族特性を獲得する程の治療だったんかね?」

「その辺りは詳しい情報を調べてないから、わかんないなー。一番都市に行けばあるのかもね」

「そこで治療していたんだ?」

「らしい」

「はー。しっかし、大森林の奥に行ったはずが、何がどうして地下都市なんぞを見つけるかねえ?」

「でも、ネーダロス卿にとっては、ここを見つけさせる事自体が目的だったみたいだし」

「あー、ね。あの爺さんも、日本にそんなに未練があるのかねえ?」

「あんたはある?」

「私? そんなにないかなあ? もう前世の記憶も大分薄くなってるよ。それこそ、古い映画を見るような感じ。あんたは?」

「私は元々歯抜けな記憶だったからね。今日本に帰ったとしても、違和感だらけでうまく生きていけない気がする」

「私も」

 意見の一致を見た事で、ティザーベルはセロアと笑い合った。

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