拍手 163 二百六十「行って帰って」の辺り
「いやあ、本当、あんた達、何してたの?」
「話せば長い事ながら」
「三行で」
「えー? えーと、飛ばされて他大陸へ、エルフ発見、魔女狩り教会ぶっ潰した」
「行間どこ行った!?」
「三行でって言うから」
「もうちょっと補足プリーズ!」
「我が儘だなあ、もう。大森林の地下に都市発見、都市の機能復活させるのに必要な動力炉の再起動をしようと思ったら、罠にかかって他大陸へ飛ばされた。移動途中で人間に狩られる寸前のエルフ発見。彼等の仲間救出を手助けして里へ。里の奥から次の地下都市への入り口へ。色々あって、エルフや獣人を迫害している大本が教会組織と判明。地下都市の再起動をしつつ、教会組織を――」
「うん、もういいや。それで? 教会は潰せたの?」
「トップを潰したから、組織は残っても中身がかなり変わる……はず」
「曖昧だなあ」
「改革までは首突っ込んでないからねー」
「ところで、あのエルフのお姉さんとレモさん、いい感じじゃね? てか、既に熟年夫婦の域に感じるんだけど?」
「ねー。いつの間にやら。確かに、エルフ救出で一緒に行動してる事が多かったみたいだけど」
「へー。で? あんたは?」
「私? が、何?」
「いい人はいないわけ? ヤードさんは?」
「んー……どうだろね? そう言うセロアは?」
「私はほら、統括長官を愛でてるから」
「いや、それ推しを愛でるってやつじゃない……」
「いいのよ! 生活に潤いがあるんだから!」
「さいですか……」




