拍手 156 二百五十三「後始末」の辺り
「一番好きなスイーツは?」
「そうですね……チーズケーキかも」
「おお、なかなか通なとこいくね」
「セロアさんは?」
「私は王道でショートケーキ」
「確かに王道。ベルさんの好きなスイーツって、知ってます?」
「知ってるよ。ベリーたくさんのタルト」
「おお、何かおいしそう」
「菜々美ちゃん、お菓子とか作れる人?」
「いいえ、食べるだけの人です。セロアさんは?」
「料理も出来ない人間に、お菓子作りなんて求めちゃだめよ……」
「何かすいません……」
「あー。こっちにも向こうのようなスイーツ、流行らないかなー」
「誰か職人を見つけて、レシピを渡した方が早いような気がします」
「お菓子のレシピなんて、憶えてないし」
「実は、スマホにいくつかあるんです」
「マジで!?」
「ええ、ただ、バッテリーが減るのが怖くて、あまり電源入れていないから、もしかしたらもう……」
「そっか……ベルが戻ったら、どうにか出来ないか、相談してみようよ」
「そうですね。何か私の知らない魔法で、どうにかしてくれるかも。で、そのベルさん、まだ戻らないんですか?」
「そうなのよ。今回長すぎるよねー」
「無事……何ですよね?」
「あれは殺しても死なないような女だから、大丈夫」
「セロアさん……」




