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銃は剣よりも強しっ!  作者: うらにうむ
第三章 成長
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研究


「ミーナちゃん!しっかり!」


「げふっ…魔王様…やってやりました、にゃ」


「今ディードがメレスを呼びに行ってるから!」


動かないオオカミのような黒い獣の隣で倒れているミーナを起こし、ソファーに寝かせた。

腹部と肩から血が流れており、地面にも大量の血が飛び散っている。

私は両手に魔力を込めて回復魔法を使う。

私は技術がないため、本格的な治療ではなく止血程度しかできないが、メレスが来るまでの時間稼ぎくらいにはなるだろう。


「ふーっ、ふーっ…ユウキ様は、無事ですにゃ?」


「ええ、無事です…本当に、よくやってくれました」


「にゃはは、お給料アップ、期待してます、にゃ」


獣の首にはミーナが愛用している銀色のナイフが突き刺さっていた。

そのナイフもボロボロで、相当な攻撃を受け流していたことがわかる。


「連れてきたぜ!」


「ありがと、ディード。魔王様、ミーナちゃんの容体はどんな感じ?」


ディードの肩から降りたメレスがこちらに駆け寄ってきた。


「出血がひどいです。とりあえず回復魔法で血を止めてますが、相当危険な状態だと思います」


「…うん、ここで処置できる感じじゃないね。治療室まで運ぼう。ディード、お願い」


「おう!ミーナ、抱えるから痛かったら言えよ!」


「魔王様はこのまま治療室まで回復魔法を」


「はい、了解です」


「ユウキのことは余に任せよ。それと魔王、この獣は余が出自を調べる、よいな?」


「はい、出処がわかったら報告をお願いします」


そうして私は部屋を出た。



ーーーーーーーーーーーーー


「おい、誰だ夢の悪魔やら魔獣をけしかけたのは」


『すまんな、種子の成果が出んと国王閣下殿がお怒りなんだ。さっさと成果を出さんからこうなるのだ』


「…本当にいいんだな、長い年月をかけた月の悪魔の種子を無駄にする気か!」


『そんなものに頼らずとも魔王宇国を壊滅させることはできる。お前も国の意向に従え』


「…わかった」


『よし、それじゃあカンダユウキを殺すためにこれからも魔獣を送り込む。お前は内部からそれの補助をしろ』


「了解」


…チッ、馬鹿どもが。

私は国のためにここまでやったのにそれを無駄にしやがった。

しかし、国に逆らうつもりはない。

逆らえばどうなるかなんて考えたくもない。

かといって研究を無駄にするつもりもない。

夢の悪魔の呪いは死ぬわけではなく、眠っているだけだ。

その間に月の悪魔を強制的に覚醒させたらいい。

覚醒させるための方法は不明だが、いくつか考えはある。

そうとなれば早速研究にとりかかろう。


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