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銃は剣よりも強しっ!  作者: うらにうむ
第三章 成長
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戦闘

マジでお待たせしました。

友達と心霊スポットに行った次の日に高熱出して2キロ痩せたり、急性扁桃炎にかかって声出なくなってた等、愉快なトラブルでぶっ倒れてました。

これからも頑張ります。

ツムギ視点からです。


残忍で残虐、殺人を楽しみ、血を浴びることを好む。

大昔は暇つぶしに国を滅ぼすほど強大な力を保有していた。

夜を支配し、月の満ち欠けで力が変わることから『夜王』、『月の悪魔』と呼ばれるようになった。


まだまだ調べることは沢山あるけど、今わかってることを簡潔にまとめたよ。とメレスから渡されたメモに目を通し、くしゃり、と丸めてゴミ箱に投げ捨てた。


「はぁ…」


ただでさえ痛んでいた頭が余計に痛む。

数ヶ月前から関係が悪化していた国からの連絡が完全に途絶えたこと、最近表に出てきている強大な力を持つ新勢力のこと。

そして1番に心配なのは目を覚まさない先輩。

もしも月の悪魔とやらが目覚めてしまったら、先輩はどうなってしまうのだろう?そしてこの国は月の悪魔によって滅ぼされるのだろうか?


「もうっ、心配事が多すぎて仕事が進みません!」


…よし、今日はもう仕事をやめよう。

お昼ご飯を食べて、先輩様子を見に行こう。




「失礼します。ミーナちゃん、お菓子持ってきましたよ」


「やったー!にゃ!」


「げ、魔王様…」


先輩の部屋には看病担当のミーナと、仕事でミュール国に行っていたはずのコルネがいた。


「あれ?コルネ、帰ってたんですか?仕事から帰ってきたらまずは報告と言ってるじゃないですか」


「う…ごめんなさい…ユウキ様が大変なことになってるってミーナから聞いてお見舞いしておこうと思って…もちろんこの後、魔王様の部屋に行こうとしてたよ!」


「はぁ、次は減給ですからね?」


「うぐぅっ…了解…」


「まぁまぁ、とりあえずみんなでお菓子食べましょうにゃ!」


そう言ってミーナが紅茶の準備を始めた。

先輩は…やはり起きていない。

特に具合が悪そうな様子はなく、ただ眠っているようにしか見えない。


「それで、ミュール国の件はどうでしたか?」


「…全然ダメ。もう立ち入りすら禁止されて…今後は関わらない方がいいかも」


「はぁ…参りましたね…」


ミーナが入れてくれた紅茶を飲み、頭を抱える。

…。


「とりあえず、まずユウキ様が起きてくれたら魔王様の心配の大半が無くなりそうだし、早く起きて欲しいにゃ」


「本当だよ…早く目、覚ましてくれないかな」


ーーーユウキ視点ーーー


「(…この先から人の匂いだ。こっちに近づいてきてる。どうする?)」


「(…隠れて奇襲をかけたいところだが、ここは一本道だ。つまり…)」


「(真っ向勝負、だね)」


俺たちは各々の武器、拳を握り、用心しながら前方を見つめる。

やがて、男2人、女1人の声が近づいてきた。


「…おい、前の方から人の匂いがする」


「…あの大男は別として残りはガキとヒョロい男。勝ったな」


「大男の方はアタシに任せな」


「姐さんさすがっす」


あの女、でっか…

身長が体格もケンと同じかそれ以上にデカい。

…なるほどオーク族だからか。

後ろの男たちは犬とハイエナの獣人。

相手は全員戦闘が得意な種族のため、人間2人、獣人1人の俺たちは不利かもしれない。

…よし。


「(…チッ、選択ミスったか。お前ら、隙見て逃げるぞ)」


「(いや、相手は獣人が二人いる。身体能力的にも追跡能力的にも逃げられる可能性は低いと思う)」


「(じゃあどうすんだよ!オークに勝てる自信なんてねぇぞ!)」


「(2人とも、俺にいい考えがある。2人で獣人の相手をしてくれ。俺が女オークを殺る)」


「はぁ!?馬鹿じゃねえのかテメェ!」


「(うっせえ。殺しの技術に関しては2人よりも遥かに上回ってる自信もある。黙って従ってくれ)」


「(ケン、ユウキちゃんは狼人だ。子供だからって忘れてたけど、このドレン監獄にいるってことは、彼女はただの少女じゃない。ここはユウキちゃんに賭けてみよう)」


「(…チッ、分かった。しくじったら恨んでやるからな)」


「(ああ、任せてくれ。獣人相手はキツいと思うがとにかく死ぬなよ)」


「相談は済んだかい?それじゃやるわよ」


そう言うと、指をポキポキと鳴らしながらオークの女が走り出した。


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