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銃は剣よりも強しっ!  作者: うらにうむ
第二章 魔王国
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子分

昨日からずっと喉痛いし熱が下がらない…

そして何より夜でも暑い!!


コツ…コツ…


「なんにも居ないねー…ユウキっち、今何時よ?」


「…1時半だな」


捜索開始から2時間半。

俺の鼻もエメラの精霊も異常無しと告げている。

エメラはそろそろ疲れてきたのか、持っていた大鎌の石突きを地面に着いて、ダルそうにぐでーっとしている。


「5分休憩したら他のところに連絡入れてみるか」


「そだね…ほいっ」


眠そうに欠伸をしたエメラが通話石を取り出し、こちらに投げて寄こした。


「こちら北側。今のところ異常なし。そっちはどうだ?」


『こちら西側。こちらも異常なしだ。東側とは連絡を取ったか?』


「いや、まだだ。今から連絡してみる」


『わかった。気をつけるんだぞ』


「おう、そっちもな」


と、通話を切ろうとした瞬間、大きな音が地面が揺れた。


「うおっ!地震か?」


「やばい!ユウキっち、精霊たちが騒いでる!」


『ユウキ!この街のどこかに獣の悪魔が出現した!アンソルスが魔力を感知した!場所は東!ディード達の方角だ!』


「急いで向かう!エメラ、俺の後ろに乗れ!」


バイクを出し、それに股がった。

そんな俺を目を輝かせて見つめている。


「なにそれ!?かっこいい!」


「言っとる場合か!早く乗れ!」


通話石をエメラに返し、バイクを発車した。

静かな街中にエンジン音とエメラの大声が鳴り響く。


「わああっ!わあああああっ!!」


「うるせえ!」


「だってこれ!めちゃくちゃ早いじゃん!」


「いいから通話石で向こうに連絡をとれ!」


「あいあいさ!…こちら北側、ディード達大丈夫?」


『おう!今から獣の悪魔と接触する!』


「あーしらも行ってるから、死なないでよ!」


『当たり前だ!』


通話石をポケットに突っ込んだエメラは、大鎌を握った。

エメラは戦いを好む、言わば狂戦士のようなものなのできっとわくわくしているのだろう。

現に荒い鼻息が俺の首を撫でていて、くすぐったい。


「ごーごー!走れ走れー!…って、なにあれ…?」


「なにって…ッ!?」


青白い光がぽつぽつと生えてきたと思ったら、骨だけの犬のようなモノが次々と現れた。

それらはこちらに気づくや否や…


『グルルルァァアウ!!』


「どああっ!?ちょっ、なんだコイツら!!え、エメラ!本部に連絡するから通話石を!」


「はいよ!周りの奴らはあーしに任せてっ!」


エメラが魔法で犬(?)を迎撃してくれている間に、本部へと繋いだ。


『こちら本部、先輩、先程の揺れって…!』


「ああ、東側に獣の悪魔が出現した!そして他の大通りにも獣の悪魔の子分みたいなのが沢山いる!俺達は東側に向かうから、街中の警備をしている兵士たちを全員大通りに動かしてくれ!」


『了解しました!どうかお気をつけて!』


通話石をポケットに突っ込み、サブマシンガンを創造して前方を塞ぐ犬(?)を撃ち壊しながら進む。

骨だから強度はそれほどないが、とにかく数が多い。

破壊しても直ぐに新しいのが生えてくる。

多分獣の悪魔を討伐するまでは無限に続くだろう。

一刻も早く東に向かわなければ…

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